余市

某バーで一杯2000円の余市を飲んだ。今は後悔してる。しかし、それもまた経験か。1986年に仕込まれたもので、23年モノということになる。それはそれですごい。

萬壽無疆


なるほど。出典は詩経だったんだ。

詩經 小雅 谷風之什 信南山

信彼南山,維禹甸之。畇畇原隰,曾孫田之。我疆我理,南東其畝。
上天同雲,雨雪雰雰。益之以霢霂,既優既渥。既霑既足,生我百穀。
疆埸翼翼,黍稷彧彧。曾孫之穡,以為酒食。畀我尸賓,壽考萬年。
中田有廬,疆埸有瓜。是剝是菹,獻之皇祖。曾孫壽考,受天之祜。
祭以清酒,從以騂牡,享于祖考。執其鸞刀,以啟其毛,取其血膋。
是烝是享,苾苾芬芬。祀事孔明,先祖是皇。報以介福,萬壽無疆

詩經 小雅 白華之什 南山有臺

南山有臺、北山有萊。樂只君子、邦家之基。樂只君子、萬壽無期。
南山有桑、北山有楊。樂只君子、邦家之光。樂只君子、萬壽無疆。
南山有杞、北山有李。樂只君子、民之父母。樂只君子、德音不已。
南山有栲、北山有杻。樂只君子、遐不眉壽。樂只君子、德音是茂。
南山有枸、北山有楰。樂只君子、遐不黃耇。樂只君子、保艾爾後。

詩經 小雅 鹿鳴之什 天保

天保定爾、亦孔之固。俾爾單厚、何福不除。俾爾多益、以莫不庶。
天保定爾、俾爾戩穀。罄無不宜、受天百祿。降爾遐福、維日不足。
天保定爾、以莫不興。如山如阜、如岡如陵。如川之方至、以莫不增。
吉蠲為饎、是用孝享。禴祠烝嘗、于公先王。君曰卜爾、萬壽無疆。
神之弔矣、詒爾多福。民之質矣、日用飲食。群黍百姓、徧為爾德。
如月之恒、如日之升。如南山之壽、不騫不崩。如松柏之茂、無不爾或承。

[大滿洲國國歌](http://ja.wikisource.org/wiki/%E6%BB%BF%E6%B4%B2%E5%9C%8B%E5%9C%8B%E6%AD%8C)にも使われてたんだ。

神光開宇宙 表裏山河壯皇猷
帝德之隆 巍巍蕩蕩莫與儔
永受天祐兮 萬壽無疆薄海謳
仰贊天業兮 輝煌日月侔

蒋介石総統宛て田中角栄首相の親書(『中央公論』2003年4月号,p73)にも使われていらしい。

蒋介石總統閣下鈞鑒

謹啓者

閣下鼎祺安燕履祉吉祥我が久しく仰望神馳する所であります 近来我が國と北京政府との交渉に関し議論紛紛

閣下の左右亦之を我が國政府の降志辱身自ら國格を損する行為として論難さるるを傳承致しまして茲に謹んで本問題に関する日本政府の所見を開陳し

閣下の諒察を仰ぎたいと存じます

顧みれば戦後二十餘年

閣下の日本國及國民に對する終始渝らぬ高誼優待は日本國政府及國民の齊しく欽尚する所であり、一九五二年我が國が貴國政府との間に平和條約を締結して以来政府民間擧ってあらゆる機會を通じ一貫して 貴國との友誼を勵行して参りました 特に昨年の國連に於る中國代表権問題の審議に當っては我が國政府が率先挺身して難を排し紛を解き國連に於る 貴國の議席確保に奔走盡瘁致しましたことは長く青史に傳えて両國の為に友邦齊しく感銘する所であります

然るに近年國際情勢は激變し國連総會に於る中國代表権問題の議決北京政府承認國の續出 ニクソン大統領の北京訪問等北京政府との関係改善を謀るに世を擧げて滔々たる者が有ります 我が國は此等と亦自ら撰を異にし 古来中國と斯文の交深く且久しく國民大衆が中國大陸との社稷蒼生を敬愛するの情尋常ならぬものが有り 従って即今の時勢に鑑み日中國交正常化の時機已に熟すとして政府の決断を仰望すること誠に止むを得ぬ情勢となっております 我が國は言うまでもなく議會制民主主義を國政の基本原則とし 政府は國民多數の意思と願望を政治の上に具現すべき責任を有します 是れ我々が慎思熟慮して北京政府と新に建交する所以で徒に勢の為に迫られ 利の為に誘われて所謂親媚北京短視政策を採るものではありません

但本政策を實行に移すに當っては固より 貴國との間に痛切なる矛盾抵觸を免れず 時に又粗略有るを免れぬことと存じますが 自靖自獻の至誠を盡して善處し

閣下至仁至公の高誼を敬請する次第であります

閣下萬壽無疆を謹祝申上げます

一九七二年九月十三日

日本國内閣總理大臣

田中角榮(署名)謹白

毛沢東も

偉大的導師、偉大的領袖、偉大的統帥、偉大的舵手毛主席萬歳!
敬祝我們心中最紅、最紅的紅太陽毛主席萬壽無疆!
偉大領袖毛主席萬歳!萬歳!萬萬歳!

などと言われていたらしい。

田中久三

tanaka0903のtanakaは別に本名というわけでもなく0903は文字通り2009年3月という意味だが、これを田中久三と書こうかと思う。非常に自然な名前だ。ところがgoogleで検索しても田中久三さんという言う人はあまりいらっしゃらない(皆無ではない)。これまた都合が良い。

きんきんに冷えた日本酒

これは実は「おせん」ネタなのだが、前回のおせんで真鱈の造りを食べるには「きいんと冷えた日本酒じゃねえとでやんす」というせりふがある。そこがわからん。ビールじゃないんですから、しかも夏場ならともかく、今の時期にきんきんに冷えた日本酒という意味がわからん。

思うに少し昔の日本人は甘くて酸っぱい日本酒が「濃くてうまい」と思っていたはず。それを燗して飲むのがうまいと、そういう価値観だったはず。戦後増産量産された甘ったるい酒というのは純米じゃないからとかアルコール添加だからという理由で甘かったのではなく、そういう酒が好まれたからああいう味だったのだと思う。事実お燗すると酸っぱくて甘い酒が嘘のようにうまくなる。たぶん肉体労働者などは特に、酸っぱくて甘くてお燗した酒を好むのではないか。

しかるにビールやワインやカクテルなどが普及するにつれてみんな日本酒も冷やで飲むようになった。そうすると比較的淡麗な、薄味の酒の方がうまく感じ、これまでの酒がまるでダメなような言われ方がされるようになる。ましてきんきんに冷やしてしまうと、日本酒の味などほとんどしなくなる。まあ、どれを飲んでも同じ。酸っぱみだけがひりひり感じたり甘さがどくどくしく感じたりするからじゃまになる。冷たくてもよくわかるのは香りだが、これは最近、酵母を適当に見繕えばどんなフルーツ香でも付けられるようになった。ようするに純米大吟醸とか良くわからんが味のあまりしない原料に酵母で適当に香り付けした酒がもてはやされるようになってきた。これはね、ある意味日本酒の危機的状況ですよ。いろいろ飲み比べているうちにだんだんだまされた気分になりすぐに飽きが来てしまう。

日本酒というのはほんとに難しい酒だ。なにしろ日本中に何百何千という酒造があってそれぞれ何種類も酒を作っていて、銘柄ごとに違う味がする。たとえば久保田だと千寿までは淡麗辛口だが万寿は逆にこてこての甘口で酸っぱい。こういう酒はお燗した方がうまいに違いない。しかしたいていの場合万寿をお燗するなんてもったいないときんきんに冷やして冷酒みたいにして飲んでしまう。