通貨吹き替え

[新井白石](http://p.booklog.jp/book/55630)
をパブーに公開する。
某新人賞選考漏れ確定のため。
今更読み返すと確かに娯楽的要素が足りない気もする。
いろいろ書き換えたくなるのでいじる。
もともとは「将軍家の仲人」というタイトルだが、
ネットに公開するにあたって検索にひっかかりやすいようにタイトルを「新井白石」とし、
「将軍家の仲人」をサブタイトルにする。
いつもやっていること。

新井白石といえば生類憐れみの令を廃止したとか、
朝鮮通信使の扱いを変えたとか、
通貨改革をやったとか、子供の頃ガリ勉だったとか、
そういう話が多いかと思うのだが、
そういうのはさくっと省略した。
みんなが書いているようなことを書くのはつまらん。

大石慎三郎「徳川吉宗と江戸の改革」を読む。
新井白石の通貨吹替えによって世の中に流通する通貨が半減してしまい、
デフレになったのだという。
よくわからん。
インフレであれば通貨供給量を減らす。
デフレであれば通貨供給量を増やす。
金本位制であれば、通貨供給量を増やすには金の含有量を減らせばよく、
通貨供給量を減らしたければ金の含有量を増やせばよろしい。
わかるようなわからんような理由だ。

江戸初期には商業経済が発達していなかった。
しかし金は新しい金山がたくさん見つかって非常に増えた。
日本では金がとても豊富で安くなった。
逆に言えば米の値段などは非常に高くなってしまう。つまり物価上昇、インフレだ。
幕末だと、米の値段は非常に安い。逆に言えば金の値段がとても高くなった。
日本の経済が発達して、流通しなければならない金貨がたくさん必要な上に、
日本の金が海外の相場より安いからどんどん海外に流出する。
金が減ってしまう。
つまり通貨が減る。
凶作で無い限り農業技術の革新やら治水工事やらで米は増産。
米が多くて金が少ないから、米の値段は下がる。
そうするとデフレになる。

思うに、江戸時代の日本のように、金が非常に豊富で安価な社会において、
金貨の品質を維持しようとするのは、特に間違ってないと思う。
日本ですら金が足りないということならば、もっと金が少ない国ではどうするのか。
金は少なくてよくて、問題は通貨の供給ということだろう。
通貨をどんどん流通させる必要があるなら、
たとえば銀貨を主要通貨にするとか(ギリシャとか中国とかだけでなく大阪でもそうだったようだ)、
銅貨とか紙幣とかを流通させるとか。
或いは為替のような信用取引を発達させるとか。
いろいろやり方はあるんじゃないの。
金貨の品質を上げて金貨の流通量を少なくしたのがただちに良くないことだとは思えない。

デフレもインフレもどちらもよろしくない。
どうも、江戸時代には、そういう経済をコントロールする方法があまりにも未熟だった、
としか言いようがないのではなかろうか。
根本的な問題は、商品経済が発達しているのにそれをコントロールする方法論が未発達だったことであり、
金貨や銀貨の質の問題なのではないのではなかろうか。
まあ、経済の話はよくわからん。

赤穂浪士の討ち入りは元禄15年12月14日なのだが、西暦だと1703年1月30日。
年をまたいでしまっている。
元禄15年 (1702) とすべきか、元禄15年 (1703) とすべきか、非常に迷う。
私は 1702 の方がまだましだと思うが。

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