亦不知其所終 田中久三 aka 田中紀峰のサイト。

ワインの謎。特にフランスワイン。

09.17.2014 · Posted in 呑み

フランスのワインってやっぱなんか変だと思うんだよね。 長期間熟成させたワインを好むじゃん、フランスって。 古けりゃ古いほどありがたがって値段も高くなる傾向があるじゃん。 そうすると長期熟成した方がうまい葡萄の品種ばかりがもてはやされると。 もはや骨董品扱いなんだよね。 何年ものはよくて何年ものはできが悪いとか。

しかし、私にしてみるとそういう熟成させた、濃くてくどいワインは嫌いなんだよね。 かといって甘いジュースみたいなワインも嫌い。 両極端にふれきっていてその中間が希薄。

たぶんその中間くらいのワインが私は好きで、 たまたまランブルスコは葡萄の品種的にも醸造方法的にも私に向いていたのだと思う。

みんながみんなフランス風のワインを飲む必要はない。 イタリア人もそう考えてるだろう。 イタリアにはイタリアのワインの歴史があって、自分がそれに合ってると思えばそういう飲み方をすればいい。 軽くて飲みやすいワインが良い。

長期熟成をありがたがるのはもともとはウィスキーなんかの蒸留酒だったと思うんだよね。 ところがフランスではそれを醸造酒のワインでやった。

日本にも梅酒や古酒をありがたがる文化がないわけではない。 しかし梅酒はリキュールだし、古酒はそれほどまで好まれない。 もし古酒の方が良いという話になり、五年物、十年物、五十年物などがありがたがられるようになったら、 日本の清酒というものは全然違った酒になっていただろう。 それはたぶん紹興酒みたいなものになってしまったはずだ。

フランス料理もやたらと時間をかけて秘伝のソースみたいなの作ってステーキにかけたりする。 フォアグラなんかもかなり異常な食材。 とにかく脂と肉。 イタリア料理ではそんなことしない。 素材の新鮮さを活かした素朴な料理を作る。 せいぜい保存食としてハム作るくらいだろう。

北王子魯山人も言ってたことだが、フランス料理というのは、過大に評価されている。 魯山人がイタリア料理を知っていたらきっと意気投合したのに違いない。

イタリアはフランスよりも長い歴史と古い文化を持ってるから、 フランス料理やフランスワインが異常な進化を遂げてもまったく気にしなかった。 たぶんフランスをここまで持ち上げたのはアメリカだ。 イギリスには大した食文化がなくドイツやイタリアは敵国だから、フランスに憧れるしかなかった。 フランス人だって毎日あんなくどい料理を食べくどいワインを飲むはずもない。 アメリカ人がわけもわからず変に持ち上げたせいじゃないのか。 オーストラリアもアメリカと同じ。 オーストラリアワインのサイトを調べて気づいたことだが、 このワインにはこんな香りと味わいがあってこういう料理に合う、などという解説がくどいほど書いてある。 しかしイタリアワインのサイトにはそんなくどい説明はない。 そんなことにこだわるのはフランスと、フランスに影響を受けたアメリカと、 アメリカ商業主義に毒された多くの国々なのだ。

オーストラリアワインはフランス原産の葡萄の品種を節操なく栽培し、時にブレンドしている。 ようは、フランス風のワインを作ろうとしているのだ。 従ってフランスの基準と価値観でワインを評価する。

イタリアはそんなことにはたぶん無関心だ。 イタリアがなければ私はワインを飲みたいとは思わなかったはずだ。

この Wolf BlassCavicchioliMedici Ermete などのサイトを見比べただけでわかるはずだ。

Comments are closed