定家の禅

藤原定家について書いている。
タイトルは仮に「定家の禅」。受け狙いでもあり、わりと本気でもある。

さくっと書き終えたと思ったが、調べているうちに知識が増えていき、
最初は推測で「かもしれない」などと言っていたところが、
確かな証拠を発見したりして、「なのだ」などと断言したり。
全体をまんべんなく加筆するのではなく一部がどんどんふくらんでいくので、バランスが崩れていき、
全体のテーマ自体が変わっていく。

先に古今集をやったから、次は百人一首の真相みたいなのを書こうかと思ったのだが、
定家個人が面白くなってきて、ある意味百人一首なんて、どうでもよくなってきた。
だれが読むのだろうか。
いずれにしても今回は紙の本で出す予定なので売れないわけにはいかない。
こむつかしい本ではなく、ある程度娯楽性のある本を書かねばならぬ。
基本的には、定家の時代の歌論書である。

定家は以前は嫌いだった。
今は割と好きになった。
定家は以前は勉強家の秀才だと思っていた。
今はある意味天才だと思っている。
少なくとも、若いころに「天命」に目覚めた人である。
癇癪を起して、発作的にやってるのではない。すべて確信的にやっている。
オタクとか、マニアとか、マッドなわけでも必ずしもない。
のめりこむ性格ではあったかもしれないが、必要に迫られて勉学に励んだのだと思う。

編集の人と相談して意外だったのは、
私のような門外漢でもネタしだいでは定家の本を書いて出版してもよいということだった。
ただ、筆名を田中久三以外にできないかと言われてやや戸惑った。
編集の考えることはよくわからん。

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