新撰和歌

紀貫之は割とアバウトな人だった。『土佐日記』に

> 世の中に 絶えて桜の 咲かざらば 春の心は のどけからまし

> 青海原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

などと記しているが『古今集』では「咲かざらば」は「なかりせば」だし、
「青海原」は「天の原」である。

「新撰和歌」でも勅撰集とはかなりの異同がある。
もしかすると貫之が正しくて、勅撰集が間違っているのかもしれない。

「序」には『古今集』の中から良い歌を選抜せよと醍醐天皇の勅命があったことになっているが、歌はかならずしも『古今集』に限っていない。

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