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新撰和歌 巻第三 賀・哀 荓二十首

05.17.2016 · Posted in 新撰和歌

161 わが君は 千代にましませ さざれ石の いはほとなりて こけのむすまで

162 なくなみだ 雨とふらなむ わたり川 みづまさりなば かへりくるがに

163 わたつ海の はまのまさごを かぞへつつ 君がいのちの ありかずにせむ

164 ちのなみだ おちてぞたぎつ しら川は 君が代までの 名にこそありけれ

165 しほのやま さしでのいそに すむ千鳥 君が御代をば や千代とぞなく

166 うつせみの からを見つつも なぐさめつ ふかくさのやま けぶりだにたて

古今831 僧都勝延(ほりかはのおほきおほいまうち君身まかりにける時に、深草の山にをさめてけるのちによみける、空蝉はからを見つつもなぐさめつ深草の山煙だにたて)。

167 かめのをの 山のいはねを とめておつる たきのしらたま 世世のかずかも

168 ねても見ゆ ねでもみえけり おほかたは うつせみのよぞ ゆめにはありける

169 いにしへに ありきあらずは しらねども ちとせのためし きみにはじめむ

170 あすしらぬ わが身なれども くれぬまも けふは人こそ こひしかりけれ

171 ふしておもひ おきてかぞふる よろづ代を 神ぞしるらむ 我が君のため

172 花よりも 人こそあだに なりにけれ いづれをさきに こひむとか見し

173 わすれがたき よはひをのぶと きくの花 けさこそ露の おきてをりつれ

174 なき人の やどにかよはば 郭公 かくてねにのみ なくとつげなむ

175 かすが野に わかなつみつつ よろづ代を いはふ心を 神ぞしるらむ

176 かずかずに われをわすれぬ ものならば 山のかすみを あはれとは見よ

177 君がため おもふ心の 色にいでて 松のみどりを をりてけるかな

178 露をなど はかなきものとおもひけむ 我が身もくさに おかぬばかりを

179 見えわたる はるのまさごや あしたづの ちとせをのぶる かずとなるらむ

180 さきだたぬ くいのやちたび かなしきは ながるるみづの かへりこぬなり

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