「既読KENP」以外の指標

アマゾンはキンドル本がどのように読まれているかという膨大な、生のデータを持っているわけである。
その一部を著者は「既読KENP」という形で見せてもらえるのだが、
アマゾンはもっと詳細にこの「読まれ方」のデータを分析しているはずだ。

ある本は、200ページあっても3分くらいで読み飛ばされているかもしれない。
それらのキンドル本にはある種の特徴があるだろう。
みなの関心は高いが、読んでみたらつまらない写真集、つまらないコミック、
だったのではないか。
それは読者にも容易に推測できることだった。
ただ単に既読KENPを稼ぐ本を作ることは簡単だ。
エロ、エロ、エロ。猫、猫、猫。デジカメがあれば誰でも撮れるようなくだらない写真の羅列。
改行、空行、改行、空行。
「え。」とか「あ。」とかばかりの短い行の羅列。
或いは、単なる素人に書かせた短編集、マンガ雑誌のたぐい。

こうしたことは当然アマゾンにはバレバレだし、それはレビューにもすぐに現れる。

「既読KENP」以外の指標をアマゾンは持っている。
最小の労力で最大の「既読KENP」を獲得するような小手先の技が流行ることをアマゾンが許容するはずがない。
しかも写真集や漫画はキンドル本のデータ量も大きく、アマゾンにしてみると余計な負担になる。

もちろんほとんど読まれない本に関していちいちアマゾンが問題視することはあるまい。
ものすごく売れているが実質的には読まれていない、
それを理由にアマゾンが Kindle Unlimited から除外するのは当然だろう。
そのことをアマゾンはある程度出版社に伝えたに違いない。
しかし出版社は、著書を Kindle Unlimited に加える旨、作家やカメラマン、グラビアの女優らに許可を得ているはずで、
アマゾンから、君の本はつまらないから Kindle Unlimited から除外するね、と言われた、
ということをそのまま伝えると、そりゃ激怒するわね。
だから一応出版社は拳を振り上げてみせなきゃならん、著者の側に立って著者を守るふりをしなきゃならんのだが、
つまらないってことは、編集者や、著者本人を含めて誰にもわかってることであり、
アマゾンがデータを出してくれば誰もが納得するだろう。

そもそも何を Unlimited にするかってことはアマゾンが勝手に決めて良いことになってるはずだし、
一旦 Unlimited にしてそれを外したからといって怒ってもしょうがないことじゃないか。

そんでいろんなことを勘案してみるに、アマゾンは外圧であり黒船であるから、
読者の反発を煽ってアマゾンに譲歩させようという、あまり賢くない戦術に出ているのだろうと考えられるが、
正当な理由があるアマゾンがいずれ勝つだろうと思う。
いろんなメディア、特に今回は、アフィリエイトブログやニコ動辺りがこすく煽っているのだが、
いろんな憶測や伝聞をそれらしくまとめているだけで事実ではあるまい。

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