亦不知其所終 田中久三 aka 田中紀峰のサイト。

04.05.2018 · Posted in 読書

カズオ・イシグロの作品はたいていの場合、主人公が過去を追想するモノローグという形で進展していく。記憶の断片が拾い上げられる順番は、時系列とか、重要さの順番とか、特に決まってなく、ほとんどランダムな順番に取り上げられる。 もちろん小説なので、読者に理解できない順番にはなっていない。一応最初から順番に読んでいけば理解できるのだが、わりといらいらさせられる。そうではなく、途中から読み始めてはなおさらわからないから、しかたなく書かれた順番に読むしかない。 確かに他の作家にはあまりみられない独特のスタイルではあると思う。

カズオ・イシグロ作品というのはつまりモザイク画のようなもので、モノローグが延々と続く過程でタイルが一枚ずつ、ほとんどランダムに貼られていき、最後に全体が見えて落ちがつくというものだ。彼の作品を続けて読む人というのはつまりこのスタイルが気に入って読むのだろうが、私の場合、もうすでに飽きてきている。

「日の名残り」をDVDで見ているが、たぶんこんな具合に延々と老執事の話が続くのだろうと思うと、見る気が失せる。要するにハイディに出てくるセバスチャンとロッテンマイヤー女史がどうしたこうしたという話であって、こういう映像を好きな人はいるかもしれんが、正直私には興味がもてない。

ざっとネットを調べてみると、カズオ・イシグロの妻はごく普通の女性のようだ。 彼が若くして出世していく過程で、サラ・ヘミングスのような女に絡まれるようになり、そういう女性たちをモデルにしたのだろうと思われる。

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