架空勅撰和歌集

「近世和歌集」を読んでいてヒントをもらったのだが、
たとえば孝明天皇が存命中に宣旨を出したと言う仮定で、
応仁の乱の直前で途絶えた勅撰集の、その後の歌を集めて、
選者は孝明天皇の近習の誰かということにして、
実際には江戸時代の歌人たちの歌を集めた、
架空の勅撰和歌集というものを作ったら面白いのではないか。
知的遊戯として。

勅撰和歌集はだいたい歌の数としては1500首くらい。
歌人一人で多い人は50首くらいまで。
少ないひとは1首から。
そうすると100人くらいは歌人がいないといけない。自然と百人千首的な構成になる。

孝明天皇は在位中という仮定だから「御製」となる。
在位期間は思ったよりは長い。1846~1867と20年以上ある。
36才の死は早すぎたので、在位期間ももっと短いかと思っていた。
15才で即位したのだな。

奏覧を安政の大獄、桜田門外の変の後1859年くらいとすると、和宮や吉田松陰の歌も入れられる。
しかし幕末動乱の歌は取りたくない。
まして明治時代の歌は入れたくない。
江戸時代の、ぎりぎり古き良きところまでで留めるという意味で、孝明天皇による勅撰。

選者は難しい。
いったい孝明天皇の近習にどんな歌人が居たか。
まったくわからないけど調べるとわかるのかな。
ストーリー的には1853年黒船来襲以来の公武合体論の流れで公家や武家、庶民の和歌などを幅広く集めようというもので、
公家、武家、庶民代表でひとりずつくらい選者を選びたい。
しかし幕末には有名な歌人はほとんど死んでしまった。
生きてるのは橘曙覧くらいか。
その選者の一人に仮名序を書かせねばならないがこれまた難しい。
400年間途絶えていた勅撰集の序文をどう書くか。
まあしかしこれは一種のファンタジーであって、選者もその歌も適当に創作してもかまわんのかもしれん。

部立ては

* 仮名序
* 春歌
* 夏歌
* 秋歌
* 冬歌
* 賀歌
* 哀傷歌
* 離別歌
* 述懐歌
* 羇旅歌
* 恋歌
* 雑歌
* 神祇歌
* 釈教歌
* 雑体
* 狂歌
* 俳諧歌
* 学問歌

と、江戸時代らしく狂歌や俳諧歌を入れてみるのはどうか。
その方が歌人を集めやすいだろう。
「述懐」と「学問」は自分の趣味。
こうして和歌集を編纂してみれば、江戸時代が必ずしも和歌にとって不毛な時代ではなかったことがわかるに違いない。
歌集の名前は「近葉」を考えたのだが先行する「金葉」と音がかぶるのがあまりよろしくない。
まあぼちぼち考える。

こういう架空の二十二代目の勅撰和歌集を作ってみようという試みが、もし今まで一度もなかったとしたら、
それこそアララギ派の呪縛、呪いだろう。

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