新選組異聞、他

子母沢寛「新選組異聞」を読み始めるが、「新選組始末記」とほとんど重複。
「始末記」が異様に長くて読みにくいので、抄出して、加筆も多少はあったのだろうけど、
「始末記」をよんでおけば特に見るべきものはない。
異聞は始末記の翌年に出ているのだが、どういう事情でこうなったのか。
言い方は悪いが、子母沢寛には二番煎じものがけっこう多いような気がする。
いつも同じことばかり書いてる感じ。

同「味覚極楽」。まあ、ちょっと面白い。

「父子鷹」。子母沢寛らしい、長くて難渋な文章。少しずつ拾い読みしていると、
しかし、人間関係がわかってきて、筋も見えてくる。
だんだんそれなりに楽しめるようになる。
[wikipedia](http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%88%B6%E5%AD%90%E9%B7%B9)に加筆しておいた。

なるほど、岡野孫一郎はただの隣人ではなく借家の大家なんだな。
もう少しちゃんと読んで書き換えなくては。

> わからぬやつだ、今はそういう世の中だと言っているではないか。
何事も賄賂次第、利口な人間は巧みにそれを利用してそれによって自分の地位を築いて、
その時はじめて将軍家のために真のご奉公を申すのだ。
舞台へ上がらんで芝居が出来るか。

> お前さん、ずいぶん怒りっぽいようだね、さっきの目つきがそれだった。え、腹を立ててはいけねえよ。
いいか、え、風が右から吹いたら左へなびく、左から吹いたら右へなびく、
唯根だけはぴったり大地に据えて、ぴくりとも動かねえことだよ。
いいかえ、相手に何か言われて腹を立てることはそれでもう相手に負けたことだよ。

最初から最後までこんな具合にうっとうしい処世訓に満ちている。

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