芸術と科学

昔、政祭一致とか言って、宗教と政治は未分化だったとかいうわけです。
また、宗教と哲学も昔分かれて、哲学からさらに科学が枝分かれしたとか。
あるいは昔は芸術と科学は同じモノだったが近世になって分かれたとか。
あるいは古代は原始共産制で身分や差別はなくて万人が平等だったとか。
どこまで本当なのだろうか。

人間の脳の仕組みはたぶん何万年も前から変わってないはず。
芸術と科学の違いはおそらく脳の仕組みに由来すると思う。
理系と文系の違いもおそらくはそう。
文系理系とか芸術科学とか言う言葉の上での区別が生まれるずっと以前から、
人間はこの両者を異なる概念として認識してたのではないか。

レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの時代から、
技術者と芸術家の違いはかなりはっきりしてた。
前にも書いた気がするが、ダ・ヴィンチを万能人とか言って偶像化したのは、
フロイトなどを中心とする19世紀末のヨーロッパ人なのであって、
彼らはそういう芸術科学の融合的理想型としての聖人を祭り上げる必要があったのだ。
日本仏教徒が聖徳太子や弘法大師を必要としたように。
そういう存在がいたことにした方がわかりやすくて良いだけのこと。

本質的な違いというものは脳の中に最初から存在しているのでないか。
脳の中で区別できないものは永久に区別できないし、
区別できるものは最初から脳の中に存在しているのではないか。

脳を直接楽しませ喜ばせ驚かせるものが芸術だと思う。
そのためには視覚やインタラクションや音や動きが有効なのにすぎない。
そして新しく強烈な芸術はしばしば脳を攪乱しめまいをおこさせる。

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