薬物蔓延

※ bing image creator でアイキャッチ画像を生成してみた。

医者のユーチューバーが、砂糖や小麦や旨味調味料なんかは精製されていて純度が高いから体に吸収されるのが早く効き目がすぐに効きやすいから覚醒剤に近いなどと言っていて、あー医者の蘊蓄はうざいななどと思うのだけど、今のメディアとかSNSとか漫画とかみんな本質的にそうなわけで、小説だととにかく冒頭三行からシュッと効き目がなくちゃ読者は読み続けてくれないから、純粋なグルタミン酸ナトリウムみたいな書き出しにしなきゃならない。

動画投稿にしても、tiktok なんかの刺激が強いショート動画ばかり目立つ。

農産物、畜産物にしてもどんどん品種改良が進んで、食えばすぐに旨い、糖度が高くて甘いみたいな野菜や穀物ばかりになっていく。

ラーメンもあれは炭水化物と油と脂と塩だろ。あれを旨いというのは単に薬物中毒になってるだけだよな。

ニュースにしてもコロナや地震、みんなそう。メディアもSNSもひたすら脊髄反射的な配信しかしない。キモすぎる。

別に食い物の話がしたいわけではなく、小説の書き方の問題なんだよ。世の中にこんな薬物中毒みたいな漫画やアニメやラノベばかり氾濫しててどうやってまともな薬中じゃない作品を書いて認めてもらえっていうんだろうね。007にしても何にしても、最初はどぎつく、途中からやっとストーリーの説明が始まって、そこで一旦もう見るのやめようかなって気になる。だから昔から売る目的のコンテンツというのはそういう作りだったということだよね。

本所・桜屋敷

鬼平の第1話は「唖の十蔵」でこの回はまだ火付盗賊改方長官の長谷川平蔵と妻の久栄、与力筆頭の佐嶋忠介、そしてのちに密偵となる粂八くらいしかでてこない。ほかにはこの話にしか出て来ない同心の小野十蔵が出るくらい。初回らしく非常にシンプルな話である。

第2話の「本所・桜屋敷」では彦十と岸井左馬之助が出てくる。ほかには酒井祐助、竹内孫四郎、小柳安五郎という同心が出てくるが竹内は後の話では自然消滅してしまう。

ところが新しいテレビドラマの「本所・桜屋敷」ではいきなり主要登場人物が勢揃いでそのうえゲスト出演で松平健まで出てきて、平蔵と松平健の対決まで盛り込んでいるから、これだけ誰も彼も出演させて、ゲストのメンツも立てて、その上昔と今と二人一役やらせて、そういう条件付きで一話に全部盛り込めと言われた脚本家はさぞかし苦労しただろうと思う。これを見させられるほうも迷惑で、少なくとも私にとっては大迷惑だった。ストーリーは二の次で制限時間内に俳優を並べるだけで精一杯だっただろう。最初は少ないキャストで、だんだんに増やしていけばもっと話も作りやすかっただろうと思う。私も歴史小説など書いていて思うが、こういう説明的、前振り的、紹介的な書き出しは決してやってはならぬと思っている。いつの間にか自然と話の世界に入り込んでいたというような導入が最善だと思うが、テレビドラマではそうもいかないんだろう。

年をとったせいか左腕の筋肉が弱くなってきて、手桶でお湯を汲んだりするだけで筋肉が痛む。鍛えれば痛くなくなるのかと思ってできるだけ使うようにしているのだが、いっこう治らない。右腕は痛くないのだから、右腕程度に頻繁に左腕を使えば鍛えられるのではないかと思うのだが、どうなのだろう。

歯はどんどん弱くなっていく。世の中には柔らかくて水っぽい沢庵もあるが良く干されたものすごく難い沢庵もある。この固い沢庵を食うのにも用心しなきゃならない。一度奥歯が割れてからというもの、固いものを無理して噛むのが怖くなった。

年寄りはこのまま体力が衰えて柔らかいものばかり食べて適度な運動して体をいたわらなくてはならんのだろう。

カリオストロ、泥鰌庵

『カリオストロの城』の、フランス製のいかがわしいDVDを持っていて、リージョンフリーの sony のプレイヤーを買ったので観ているのだが、これは amazon.com などでは 88us$ くらいで売られているのに、amazon.co.jp だと並行輸入品で3万円くらいする。余りにもぼったくりである。リージョンフリーのプレイヤーがそのリージョンの数だけ割高になるならともかく、世界のどこかではリージョンフリーが単一リージョンのプレイヤーと同じ値段で売られているのだとするとそもそもリージョンとは何か、なんでそんなもの作るんだよという話になる。

それはまあ良いのだが、パチモンらしくて画質は全然よろしくない。かつ、タバコのふかすシーンやタバコの吸い殻が山盛りになったシーンなどがいたるところにでてきて、昔は別にこんなシーン見ても何も感じなかったのだけど、今ではもう見るに堪えない。まったく見る気が失せて止めてしまった。

また人から『泥鰌庵閑話傑作選』をもらったのだが、まあまあ面白いといえば面白いが、主人公が常にタバコを吸っててやはり読む気が失せる。

私の場合、姉がタバコを吸っていたので、私もはたちくらいから吸い始めたのだが、30才くらいで自然にやめてしまった。吸うにしても1日に3、4本程度だし、火の元の始末が面倒だし、煙草の吸い殻は汚いし、いちいちタバコやライターを買ってもしけらせてしまったり、長いこと使わずに溜めてしまい火が付かなくなったり、もらいタバコしたりして、いっそのことまったく吸わないほうがましだと思ってやめてそれきりになった。

亀戸は立ち飲み屋が多いと聞いて見にいったが、とにかく町のガラが悪い。いたるところに喫煙者がいて、町全体がタバコ臭い。北千住とよく似ている。健康増進法などできて、概ねどこの町もだんだんに清潔になりつつあるが、その皺寄せで、一部の町は逆にどんどんガラが悪くタバコ臭くなっていっているように思う。浅草にしろ、あの上野にしろ、また町田も、昔に比べてずいぶん喫煙者は減った。浅草はインバウンドの客が多いので禁煙に比較的理解があるのだろうと思う。

船橋は町全体がタバコ臭いというわけではないのだが、居酒屋で平気でみんなタバコを吸っている。海に近いので食べ物は安くてうまい。高円寺阿佐ヶ谷あたりと比べても町全体のレベルが違う。たぶん江戸時代からずっと船橋は食い物は旨いのだろうし、高円寺阿佐ヶ谷あたりは戦後になってやっと居酒屋のようなものが出てきたのに違いない。文化と歴史の違いだと思う。

船橋あたりだと浅草や町田なんかと同じように次第に禁煙が進んでいくのではなかろうかという期待はある。タバコの無い船橋というのは住んでみたい気もする。

錦糸町は亀戸と正反対にどんどんきれいな町になっていっているというから、町の二極化が進んでいるということであろう。ならますます私は亀戸や北千住には寄りつけなくなるということになる。

銭形平次と池田大助

銭形平次の朗読をyoutubeかaudibleでいくつも聴いているうちにだんだん飽きてくる。トリックも展開も先に読めるようになってしまい、ああまたこの仕掛けかとか、まあおそらくこんな感じにオチを付けるのだろうと思いながらいい加減に聴くから途中で筋が追えなくなって聴くのをやめてしまったりする。

銭形平次は全部で383編あるそうだが、ネタのパターンとしてはせいぜい20か30くらいで、それをいろんな脚色をして書き分けているだけであろう。池田大助も登場人物が少し違うだけでパターンは同じだから同じように飽きてしまう。20話くらいの傑作選を編んでそれを読むので十分だと思う。