オリューゾファゴイ

ギリシャ語にどんぐり食い βαλανηφάγος、魚食い ιχθυοφάγος、米食い ὀρυζοφάγος などの言葉がある。このうち古くからありかつ最も一般的なのはイクトゥオファゴイ。ギリシャ人も魚食いであるはずだが、自分のことを言っているわけではない。紅海沿岸に住むエチオピア人やバビロニア人やインド人などのことを言っている。単に魚を食うだけでなく、主食であるはずの穀物の代わりに魚を食っている、もしくは魚しか食わない種族、というようなニュアンス。

バラネーファゴイはアルカディア人の異称。低地のスパルタ人たちが穀物を食べていたのに対して山の中に住むアルカディア人は昔ながらにドングリを食べていたかららしい。

オリューゾファゴイ、米食いという言葉はあるにはあるようだが、ほとんど使われていない。ギリシャ人も米は食うのだが、主食はあくまでも小麦であるということだと思う。日本人はオリューゾファゴイと言っていいよなあ。

歌道普及会

大正の頃に歌道普及会というところから新派なんだか旧派なんだかよくわからない立ち位置から和歌の本がいくつか出ている。著者や編者が書かれていないので誰が書いたのか不明だが、かなりものを書き慣れた人だろう。明治以前の和歌については漠然とした知識しかない。つまり平安時代から江戸時代までは単なる教養として和歌を詠んでいた、というような雑なイメージしか持っていない。出版社は東盛堂。ここから本を出している人で、黒法師とか匿名とかで本を書いている人がいてこの人があやしい。渡辺霞亭という人のようだ。

かちかちの 山のたぬきは 焼け死にぬ 悪事をなせる 報いなりけり

こんなものを和歌だと言っていたり、和歌は平安朝以来明治初年まで娯楽の文芸として取り扱っていたため、などと書いていたり、どうも歌というものがよくわかっているとは思えない。『和歌の作りやう』という本に「同人」とか「読人知らず」で出ているのがこのひとの歌かもしれない。