カリオストロ、泥鰌庵

『カリオストロの城』の、フランス製のいかがわしいDVDを持っていて、リージョンフリーの sony のプレイヤーを買ったので観ているのだが、これは amazon.com などでは 88us$ くらいで売られているのに、amazon.co.jp だと並行輸入品で3万円くらいする。余りにもぼったくりである。リージョンフリーのプレイヤーがそのリージョンの数だけ割高になるならともかく、世界のどこかではリージョンフリーが単一リージョンのプレイヤーと同じ値段で売られているのだとするとそもそもリージョンとは何か、なんでそんなもの作るんだよという話になる。

それはまあ良いのだが、パチモンらしくて画質は全然よろしくない。かつ、タバコのふかすシーンやタバコの吸い殻が山盛りになったシーンなどがいたるところにでてきて、昔は別にこんなシーン見ても何も感じなかったのだけど、今ではもう見るに堪えない。まったく見る気が失せて止めてしまった。

また人から『泥鰌庵閑話傑作選』をもらったのだが、まあまあ面白いといえば面白いが、主人公が常にタバコを吸っててやはり読む気が失せる。

私の場合、姉がタバコを吸っていたので、私もはたちくらいから吸い始めたのだが、30才くらいで自然にやめてしまった。吸うにしても1日に3、4本程度だし、火の元の始末が面倒だし、煙草の吸い殻は汚いし、いちいちタバコやライターを買ってもしけらせてしまったり、長いこと使わずに溜めてしまい火が付かなくなったり、もらいタバコしたりして、いっそのことまったく吸わないほうがましだと思ってやめてそれきりになった。

亀戸は立ち飲み屋が多いと聞いて見にいったが、とにかく町のガラが悪い。いたるところに喫煙者がいて、町全体がタバコ臭い。北千住とよく似ている。健康増進法などできて、概ねどこの町もだんだんに清潔になりつつあるが、その皺寄せで、一部の町は逆にどんどんガラが悪くタバコ臭くなっていっているように思う。浅草にしろ、あの上野にしろ、また町田も、昔に比べてずいぶん喫煙者は減った。浅草はインバウンドの客が多いので禁煙に比較的理解があるのだろうと思う。

船橋は町全体がタバコ臭いというわけではないのだが、居酒屋で平気でみんなタバコを吸っている。海に近いので食べ物は安くてうまい。高円寺阿佐ヶ谷あたりと比べても町全体のレベルが違う。たぶん江戸時代からずっと船橋は食い物は旨いのだろうし、高円寺阿佐ヶ谷あたりは戦後になってやっと居酒屋のようなものが出てきたのに違いない。文化と歴史の違いだと思う。

船橋あたりだと浅草や町田なんかと同じように次第に禁煙が進んでいくのではなかろうかという期待はある。タバコの無い船橋というのは住んでみたい気もする。

錦糸町は亀戸と正反対にどんどんきれいな町になっていっているというから、町の二極化が進んでいるということであろう。ならますます私は亀戸や北千住には寄りつけなくなるということになる。

韃靼タイフーン

安彦良和の『韃靼タイフーン』を読んでみてまず考えたのは、これほど優れた作品が世に知られていないからには、 私のような弱小作家の小説がまったく売れなくても当たり前だな、ということだった。 『韃靼タイフーン』が彼の他の作品と比べてものすごく優れているといいたいわけではない。 出来としては『王道の狗』『虹色のトロツキー』くらいだろうか。 最近の作品で比べれば、『麗島夢譚』や『天の血脈』よりはましな気がする。

『麗島夢譚』もほとんど知られていないが、『韃靼タイフーン』と同じ理由で、連載されている雑誌がマイナーだからだ。 『天の血脈』はアフタヌーンなのでまだメジャーといえる。

安彦良和は恐れずマイナーな雑誌に書きたいものを書く人だ。 逆の言い方をすると、書きたいものを書こうとしても企画会議を通らないから、そういうネタはマイナーな雑誌に回さざるを得ず、それゆえに世間に知られないということになる。

『ナムジ』や『神武』は強烈につまらない。 たぶん『アリオン』の流れでギリシャ神話から日本神話に飛び火したのだと思うが、彼には神話(というより、ファンタジー全般)を書く才能は無いと思う。

『ヴイナス戦記』のつまらなさにはあきれた。アマゾンでまとめてポチったが1巻目の最初のところで挫折してほってある。 たぶん彼にはSFの原作を書く才能も無いと思う。 『Cコート』は非常に面白い。『ヴイナス戦記』を書かせるために『Cコート』の連載を中断させたのだというが、まったく馬鹿げたことだ。なるほど読者は『ガンダム』の作画監督・キャラクターデザイナーが書いた宇宙戦記物が読みたいのだ。『クラッシャー・ジョウ』の挿絵を描いた安彦良和のオリジナル作品が見たいのだ。そして出版社はそれをアニメ化して当てたい。しかし彼にそんな才能はない。彼には『Cコート』を書かせるべきだったのだ。『ヴイナス戦記』に費やした労力は大いなる損失だ。 『韃靼タイフーン』もまた『ガンダムオリジン』を出すために中途半端に終わらせたというのだが、まったくもったいない話である。

『三河物語』は非常に面白いのにほぼ同じ時代を描いた『麗島夢譚』がつまらないのは意外な感じもするのだが、このあたりに安彦良和という人の限界があると思う。 ある程度史実に基づいて脚色したものは面白いのだが、史実から逸脱してほとんど空想だけで書いたものはつまらない。そう思うのは私だけだろうか?鄭成功と宮本武蔵を絡ませた話が面白いだろうか?荒唐無稽というべきだろう。 『韃靼タイフーン』も破綻寸前なのだが、なんとか帳尻あわせてある。

『ジャンヌ』もつまらない。なんなのだあのフルカラー書き下ろしは。よくもこんなくだらない企画を思いついたものだ。 どうも、メジャーなメディアからの頼まれ仕事ほど本人のやる気がなくてつまらなく、 マイナーなメディアで出したものほど本人のこだわりが濃厚で面白くなるのだ。 しかし世間様の評価というものは、作品の出来とはまったく何の相関もなく、 ただメジャーな媒体に出したものほど評価が高く、 マイナーな媒体に出した作品はほとんど認知されない。

安彦良和ほどの人ですらこのようなありさまなのだから、私のようなひよっこが世の中に正当に評価されるはずもない。 そう思ってずいぶん気楽になったし、これからも周りにあわせず自分の書きたいものだけを書いて遺そうと思った。 同時に、世間に媚びず、マーケティングもせずに読者を獲得することは恐ろしく困難なのだと思った。

安彦良和の本質は「右翼作家」なので現代の出版界では決して正当に評価されることはない。笑うべし。

度胸星

第1巻が無料で面白かったので、第4巻まで買って読んだのだが(最近マンガを買うのは珍しい)、これはなあ。作者の意に反して打ち切りになったというより、これ以上話を続けられなかったのじゃないかなあ。

まあ、面白いんだよ。でも、地球では起きない超常現象が火星では起きることの説明が付かないよな。付けられれば傑作と言えるかもしれないが、たぶんできなかったんだろうと思うよ、これは。これじゃあ最後にどんな種明かしがくるかを知るためだけに金払った人は納得できないよ。

機動戦士ガンダム THE Origin

「機動戦士ガンダム THE Origin」なんだが、comic-walker などで無料の試し読みが見れるので、読んでみたのだけど、これはねえ。安彦良和の悪いところが出てしまっているというか。「王道の狗」「虹色のトロツキー」なんかは好きで読んだけど、それとおなじノリをガンダムでやられると、正直つらいところがある。「麗島夢譚」的なノリというか。

フラウボウとアムロ、ミライとブライトの関係なんかも見ててはがゆい。

本人が描きたかったということもあるんだろうけど、描けば必ず売れるという計算もあっただろうと思う。安彦良和のオリジナル漫画なんてマニアック過ぎて誰も読まないからね。

ディエンビエンフー

タイトルが『ディエンビエンフー』でなければこの漫画を読むことはなかったと思う。作中にも書いてあるが、ディエンビエンフーは厳密にいえばベトナム戦争ではない。しかし普通の人は(私も含めて)ディエンビエンフーと言えばベトナム戦争を連想するだろう。あるいは、ベトナム戦争の前史であるインドシナ戦争の話を期待するのではなかろうか。

ベトナム戦争を表層的ではなく扱っているという意味では悪くないアプローチだと思う。これよりも浅い戦争漫画ならいくらでもありそうだ。

美少女のヒロインが出てくるところが若干漫画だ。そこは既定路線だと納得できれば抵抗なく(いや、あるが)読めるのかもしれん。

ふと思ったのだが、戦記ものというのは、戦略的には比較的忠実に歴史をなぞり王道を行きつつも、戦術的部分、つまりディテイルはかなり脚色してラノベ化するのはアリなのかもしれん。cat shit oneもある意味そうだ。その逆はたぶん読むに堪えないのではないか。

なんて素敵にジャパネスク

氷室冴子はマンガやアニメの原作者としてはすでに知っててまあ好きなほうだから、小説も割といけるかと思ってためしに『なんて素敵にジャパネスク』を読み始めたのだが、いろんな意味で驚いている。

まず、こんな昔からラノベって1センテンスごとに改行してたのな。

第一印象としては人間関係がわかりにくい。官職名がいきなりぽんぽん出て、これ、読むひとほんとに理解して読んでるのかという感じ。権少将とか大納言とか出てくるんだが、官位が書かれてないからどっちが偉いのかもわからん。そんなこと考えなくていいんだろうけど、気になる。むしろ、そうやって、よく分からない単語であふれさせることによって、無理矢理平安時代の雰囲気を出しているのかもしれん。

だがまあこれは明らかにラノベだ。腐る前の時代のラノベ。ドタバタラブコメが主流だったころの、八時だよ全員集合時代のラノベ。あるいは、防腐剤として古典的教養らしきものがふんだんにまぶしてあるが、それらを取り去れば自然に腐って現在のラノベになるのだろう。今のラノベはこんな難しかったら読まれないんじゃないかと思う。

ヒロインの弟が融というのだが、この時代、融と言えば源融。だが、父親は藤原氏。だから、藤原融というのだろうが、これがものすごく気持ち悪い。漢字一字の名前というのはだいたい嵯峨源氏。藤原氏の名前はほぼ例外なく二字。まあそんなことどうでもいいわけだが。

高彬という名もなんとなく変な感じ。幕末ころの武士の名前だろうとか思う。島津斉彬とか。醍醐天皇の皇子のつもりかな。第十皇子に源高明というのがいるわな。

ざっとネットを検索しただけだがこの作品には次のような和歌が出てくるらしい。

瀬を早み 楫子のかじ絶え ゆく船の 泊まりはなどか 我しりぬべき

春立つと 風に聞けども 花の香を 聞かぬ限りは あらじとぞ思ふ

心ざし あらば見ゆらむ わが宿の 花の盛りの 春の宵夢

うーん。どれもダメだ。大人げないが全然ダメ。単なるパロディなら笑って許せるが、割と狙ってるところがダメ。つか、パロディ(蜀山人の江戸狂歌みたいな)作るにはそれなりにわかってなきゃだめだからな。百人一首のうろ覚えプラス歌謡曲レベルだわな。逆の言い方をすれば、普通の人には和歌なんてものはこの程度で良いということだろう。

cat shit one vol. 1

cat shit one を読み終えた。シリーズ化第一巻だけあって非常に読み応えがある。そのへんの凡百のベトナム戦記ものよりためになるだろう。

インドシナ史の入門書として読むのもありかもしれない。

cat shit one の前に dog shit one という劇画調の漫画があって、月刊コンバットマガジンという雑誌に連載され、それも収録されているのだが、正直大しておもしろくない。アメリカ兵がウサギでベトナム兵がネコという意外性がなければ、ミリオタではない私がこれを目にすることはなかったと思う。

喰いしん坊!

「極道めし」の方は紙の本で6巻くらいまで買ったが、そのへんで飽きてやめてしまった。
「喰いしん坊」は要するに大食いの話なのだが、「極道めし」のほうが明らかに脚本がよくできていると思う。ま、しかしこういう紙の本にはどんだけ経費がかかっているのかしれぬ。99円は安い。ブックオフの中古とかならありえるわけだが。

銭ゲバ

なんか500ページくらいあって読んでも読んでも終わらないので驚いた。 前半はスピード感があって面白いが、 後半だんだんだれてくる。 最後の「恋」などはのちのジョージ秋山の連載ものにありがちな人情話になってしまっている。

人を殺し、兄を殺し、妻も子も殺してしまう、 そうなるともうどんなストーリー展開もありになってしまって、 リアリティを失ってしまい、しらけてしまうのだが。

子供の頃リアルタイムで読んでたのは「ゴミムシくん」かな。 1972年連載開始だから、まだ小学生になったばかりくらいだな(笑)。 そのイメージが強い。 「銭ゲバ」のほうが先なんだな。 あの頃はアニメもゲームも大したことなかったから漫画のインパクトはやっぱでかかったなと思う。

「ゴミムシくん」って中古ではものすごい値段ついてるけど、 大して人気はないからkindleで復刊しても元はとれんのだろうな。 難しいもんだなあ。

ハナのずぼら飯

しまった。ついぽちった。『だんどりくん』とかはすでに買って読んでるのだが、カスタマーレビューの否定的なコメントと、良いと悪いの評価が分かれていたのが面白そうなんで買ってみた。これから読む。

追記:悪くはない。買ってよかった。しかし完全に予想通りの内容だった。一般女子が買うと裏切られるのだろう。