ゴッドファーザー2

面白いんだが、よくまあこんな複雑な話を作ったものだと思う。しかも長い。

少し無理があるなと思うのは、マイケルがネヴァダからマイアミへロスに会いに行き、その後ニューヨークでフランクに面会したときに、マイケルを襲撃した黒幕がロスであることに気づいてたということだ。ネヴァダにいた頃から気づいていたのか。マイアミで直接ロスにあって直感したのか。それともフランクの反応を見て最終的に確信にいたったのか。語られていないことが多いのだが、いずれにせよ、あれだけのヒントでどうしてロスが黒幕と断定できるのか。そこにかなり無理を感じる。

ロスのモデルはマイヤー・ランスキーというユダヤ系ロシア人であろう。革命前のキューバでのしあがったマフィア。カストロが親米政権を倒すとラスヴェガスの賭博に目をつける。晩年イスラエル国籍を得ようとするが拒否される。映画の中の設定と同じだ。

ラスヴェガスのカジノ産業を創始したモー・グリーンというマフィアのモデルはベンジャミン・シーゲル という人らしい。モー・グリーンは一作目のゴッドファーザーでコルレオーネ一家の敵役として登場しているのだが、ロスはモー・グリーンと同じユダヤ系マフィアであって、それゆえにラスヴェガスに進出してこようとしているマイケルを敵視しているらしいのだが、これも本作だけを見ている限りではよくわからない。

でまあ、これらの実在したユダヤ系のマフィアと、イタリア系のマフィアが、ラスヴェガスのカジノの利権を巡って対立したという抗争はあったのだろうし、それがストーリーの下敷きになっているのだが、それをあの映画を見ただけでわかれというのはちと難しい。

最初、マイケルの息子のアンソニーの初聖体式を祝うパーティーが開かれていて、その場にネヴァダ州選出の上院議員パット・ギーリーという人が出てくる。ギーリーはマイケルにカジノを認可する代わりに賄賂を要求するが、マイケルは拒絶。ギーリーはイタリア系移民を嫌う生粋のアメリカ人(アングロ・サクソン?)として描かれている。次にロスの手下ジョニー・オラと会って、ロスの協力を得る。次にフランクとあって、ニューヨークでロスの一派のロサト兄弟と和解するよう告げる。その夜にマイケルはマシンガンで襲撃されるのだが、この時点で黒幕は、ギーリーなのか、ロスなのか、フランクなのか、それとも他に誰かいるのかわからない。

ギーリーは後にマイケルの兄フレドが経営する風俗店で女の死体と一緒に寝ていたところを発見されるのが、理由は語られないが、おそらくコルレオーネ一家にはめられたということだろう。以後弱みを握られたギーリーは公聴会に召喚されたマイケルを擁護する立場を演じる。

フランクは公聴会に証人で呼ばれるのだが、彼はマイケルに殺されかけたと疑っており、 マフィアのボスとしてのマイケルの実像を公聴会で話すはずだったが、フランクの兄が急遽イタリアからかけつけてきて、それを見たフランクは一転してマイケルの容疑を否認する。ここがまたよくわからない。兄がマイケルと一緒にいたからマイケルを恐れたのか。 或いはマイケルに対する信用を回復したのか。フランクはなぜFBIによってずっと拘留されているのか。なぜフランクは、ロスが殺されると同時に自殺しなくてはならなかったのか。ここらへんもきちんとは説明されていない。

その上、マイケルの父ヴィトーの前半生も同時に描かれているので、ややこしいことこの上ない。

追記20260927

マイケルを機関銃で襲撃させたのは誰ですか。

ネバダの自宅でマイケルとケイが寝室で襲撃された事件(銃撃事件)の手引きをした黒幕は、ハイマン・ロス(Hyman Roth)です。

ただし、「襲撃の実行」と「黒幕」の関係には、映画の中で重要な二つの要素が絡んでいます。

1. 黒幕(指示を出した人物):ハイマン・ロス

マイケルを排除し、キューバでの巨大なカジノ利権やビジネスを独占するために、陰で糸を引いていたのはハイマン・ロスでした。

マイケル自身も最初からロスを疑っていましたが、犯人を油断させて裏のネットワークを暴き、キューバでのビジネスを進めるために、あえて「ロスを信頼しているフリ(親交を保つフリ)」を続けていました。

2. 内通者(家の中に手引きした人物):フレド・コルレオーネ(マイケルの兄)

屋敷の敷地内や寝室のカーテンが開け放たれていたことなどから、屋敷の「内部人間」の手引きがあったことは明確でした。その内通者となっていたのがマイケルの実の兄であるフレドです。

フレドは「自分は家族の中でずっと軽視され、落ちこぼれ扱いされてきた」という強いコンプレックスを抱えていました。そこをロスの側近であるジョニー・オラにつけ込まれ、「お前にしかできない重要なビジネスだ」「マイケルにも利益になる」と唆されて情報を流してしまったのです。

※フレド自身は「マイケルを殺すつもりだった」とは知らず、単にマイケルを脅迫して交渉のテーブルに着かせるためのものだと騙されていた可能性が高いですが、結果的にマイケルを絶体絶命の危機に晒すことになりました。

まとめ

  • 黒幕(首謀者): ハイマン・ロス
  • 手引きした内通者: フレド・コルレオーネ(兄)
  • 実行犯: ロスが雇った刺客たち(襲撃直後に口封じのため殺害され、遺体で発見される)

この襲撃事件こそが、マイケルに「実の兄であるフレドを粛清する」という哀しい決断をさせる決定的な引き金となりました。

マイケルはロスとフレドの関係にいつ気付きましたか。

マイケルがフレドとロスのつながりを確信したのは、キューバ(ハバナ)のナイトクラブでショーを見ている最中です。

それまでの経緯と、決定的な瞬間の流れは以下の通りです。

1. 確信に至るまでの流れ

  • 襲撃直後:マイケルは「屋敷の内部に裏切り者がいる」ことを見抜いていましたが、それが実の兄であるフレドだとはまだ確信していませんでした。
  • ハバナでの接触:マイケルはビジネスの交渉のためにハバナに入り、後からやってきたフレドに「ハイマン・ロスやその側近(ジョニー・オラ)を知っているか?」と尋ねます。この時、フレドは「会ったこともない、名前くらいしか知らない」と嘘をつきました。

2. 決定的な瞬間(ナイトクラブのシーン)

マイケルは上流階級の要人やフレドを連れて、ハバナのナイトクラブ(アダルトショーの観覧)へ行きます。

そこで酒に酔ったフレドが、テンションが上がって周りの客にこう自慢げに話してしまいます。

「ジョニー・オラが俺をここに連れてきてくれたんだ。あいつは最高の場所を知ってるんだよ!」

この発言を聞いた瞬間、マイケルは固まります。

「会ったこともない」と言っていたはずのジョニー・オラと、フレドが以前から深く付き合っており、ハバナの街を案内されるほど密接な関係だったことが完全に露呈した瞬間でした。

3. その後の有名な「死のキス」

自分が裏切られていたこと、そして屋敷襲撃を手引きした内通者が実の兄だったことを悟ったマイケルは、カウントダウンの年越しパーティ(1959年のカウントダウン)の混乱の中、フレドを引き寄せて強烈なキス(シチリアのマフィアで「お前の裏切りを知っている」「死」を意味するキス)をし、こう言い放ちます。

「知っていたぞ、フレド。お前だと分かっていた。俺の心を折ったな……俺の心を!」

(I know it was you, Fredo. You broke my heart. You broke my heart!)

このハバナの夜に、マイケルの中で「兄フレドへの絶望」と「冷酷な粛清への決意」が完全に固まることになります。

マイケルは、ロスがハバナでケーキを切ってみなに食べさせていたときに、すでにロスが黒幕だと確信していたのでしょうか。

はい、ケーキのシーンの時点(それどころかハバナに行く前)で、マイケルはロスが黒幕であることを完全に確信していました。

あのケーキのシーンは、マイケルが「ロスが黒幕だと知りながら、それを隠して探りを入れ合っている」という極めて高度な化かし合い(心理戦)の象徴的な場面です。

時系列とマイケルの思考を整理すると、真相がよく分かります。

1. ハバナに行く前にすでに確信していた

自宅襲撃の直後、マイケルは信頼するトム・ヘイゲンに対してはっきりと「ロスが自分を殺そうとした」と明かしています。

マイケルは、自分とロス、そしてペンタンジェリ(ニューヨークのボス)の三角関係を冷徹に分析していました。ロスはペンタンジェリを排除しようとしており、マイケルが邪魔になったため殺そうとしたのだと即座に見抜いていたのです。

2. なぜ黒幕だと知りながらハバナへ行き、ケーキを食べたのか?

マイケルがロスをその場で殺さず、笑顔でハバナまで赴いてビジネスの交渉を続けた理由は2つあります。

  1. 屋敷の手引きをした「内部の内通者(裏切り者)」が誰かを見極めるため
  2. ロスの命を奪う前に、彼のビジネスや狙いの全貌を掴み、罠にハメ返すため

ハバナのホテルのテラスで、ロスが自分の誕生日を祝ってキューバの地図が描かれたケーキを切り分け、「みんなで分け合おう」と投資家たちに配る有名なシーンがあります。

あの時、マイケルはロスの「キューバをアメリカのビジネスマンたちで山分けしよう」という強欲な提案を静かに聞きながら、「こいつが俺を殺そうとした男だ」と完全に分かった上でケーキを受け取っています。

3. ケーキの後の「マイケルの反撃」

マイケルはこのケーキのシーンのすぐ後に、病床のロスを訪ねて「誰がペンタンジェリを殺そうとしたのか?」とあえて尋ねたり、病院でロスの暗殺を試みたりします。

つまり、ハバナでのマイケルの行動はすべて、「ロスが黒幕である」という絶対の確信の上に立った演技と復讐の準備だったのです。

そして、その化かし合いの最中に、思いもよらず「実の兄フレドがロスの手先(内通者)だった」という最悪の事実をナイトクラブで知ることになり、マイケルの絶望が頂点に達することになります。

ペンタンジェリとはつまりフランキーのことですね。

はい、その通りです!

劇中で「フランキー」または「フランク」と呼ばれている人物の本名(フルネーム)が、フランク・ペンタンジェリ(Frank Pentangeli)です。

作中での彼の立ち位置を整理すると、より分かりやすくなります。

  • 本名: フランク・ペンタンジェリ(Frank Pentangeli)
  • 愛称: フランキー(Frankie)、または「ペンタンジェリ」
  • 立場: かつてクレメンザ(1作目でヴィトーの右腕だった男)の部下で、クレメンザの死後にニューヨークの旧コルレオーネ縄張りを引き継いだ古参の幹部。

彼の存在が重要だった理由

フランキーは古き良きシチリアの伝統や「家族」の絆を大切にする熱血漢で、ビジネスライクに割り切るマイケルのやり方や、ハイマン・ロスとの提携にずっと不満を持っていました。

しかし、ロスらの罠によって「マイケルに裏切られて殺されかけた」と勘違いさせられ、公聴会でマイケルに不利な証言をする検察側の「決定的な証人」になってしまいます。

映画の後半、公聴会の場でシチリアから連れてこられた実の兄(ヴィンチェンツォ)の姿を見たフランキーが、マフィアの掟(沈黙の誓い=オメルタ)を思い出して証言を翻すシーンは、『PART II』の中でも屈指の名場面です。

ロスを枕で窒息させようとして兵士に射殺されたのは誰ですか。黒幕はマイケルですか。

その男はマイケルの側近(ボディガード/ヒットマン)であるブスセッタ(Bussetta)です(劇中では単にマイケルの「用心棒」や「ボディガード」として描かれています)。

そして、黒幕(指令を出した人物)は間違いなくマイケルです。

このハバナの病院での暗殺未遂シーンの経緯と意図は以下の通りです。

1. 事件の流れ

  • 指示: マイケルはハバナ滞在中、ロスの病状が悪化して病院に運び込まれたタイミングを見計らい、自らのボディガードに「ロスを抹殺しろ」と命じました。
  • 実行: ボディガードは夜間に病院のロスの部屋へ潜入し、ベッドで横たわるロスの顔に枕を押し当てて窒息死させようとします。
  • 結末: あと一歩のところで、バティスタ政権の警備兵(政府軍の兵士)が部屋に踏み込んできて、ボディガードはその場で射殺されてしまい、ロスの暗殺は失敗に終わりました。

2. なぜこのタイミングだったのか?

マイケルはハバナに入る前から「ロスが自分を襲撃させた黒幕である」と知っていました。

しかし、あえてキューバでビジネスの話を進めるフリをしていたのは、ロスの暗殺計画と同時にロスの手先(ジョニー・オラら)もまとめて排除し、自分の命を狙ったツケをハバナの地で一気に支払わせるためでした。

実際、この病院での襲撃とほぼ同じ時刻(大晦日の夜)に、マイケルの命を受けたブシェッタの仲間(別の刺客)がジョニー・オラを絞殺しています。

3. 直後に起きた「計算外の事態」

マイケルにとって誤算だったのは、この暗殺事件のまさにその夜にキューバ革命が完結してしまったことです。

ロスをあと一息で殺せるという瞬間にカストロの反乱軍がハバナに突入し、バティスタ大統領は亡命、街は大混乱に陥りました。警備兵が病院に押し寄せてボディガードが撃たれたのも、この革命勃発による混乱の最中でした。

結果として、ロスの暗殺はこの時点では失敗し、マイケルもハバナからの緊急脱出を余儀なくされることになります。

バティスタ政権の警備兵はなぜ来たのですか。革命が始まったのでロスを保護しにきたのでしょうか。

結論から言うと、「バティスタ大統領の退陣(亡命)が決まったため、重要人物であるロスを救出・護衛(あるいは政権崩壊を伝えるため)に兵士たちが駆けつけた」というのが主な理由です。

彼らは暗殺者(ブスセッタ)がいると分かって撃ち込んできたのではなく、「部屋に入ったらたまたま枕でロスを殺そうとしている男を見つけたので射殺した」というシチュエーションでした。

この展開には、映画の背景とファンの間での考察を含めていくつか重要なポイントがあります。

1. バティスタ政権とロスの「深い蜜月関係」

ハイマン・ロス(モデルは実在の大物マフィア、マイヤー・ランスキー)は、バティスタ大統領に巨額の賄賂を贈り、キューバのカジノやホテル利権を牛耳る「最大級のビジネスパートナー(VIP)」でした。

そのため、政権崩壊の土壇場においても、バティスタ側にとってロスは優先的に身の安全を確保し、国外へ逃がさなければならない最重要人物の一人だったのです。

2. 暗殺失敗の真相(運悪く重なった革命)

マイケルのボディガード(ブスセッタ)は、病院に潜入して枕でロスを窒息死させようとしました。あと数秒で完了するというまさにその時、兵士たちが部屋に踏み込んできました。

  • 革命軍がハバナに迫り、バティスタ大統領が正式に辞任を発表する直前、政権側は急いで要人の保護と避難の手配を進めていました。
  • 兵士たちは「ロスを緊急避難させるため」部屋に入ったところ、目の前で枕を押し当てているブスセッタを目撃し、反射的に射殺したのです。

3. もうひとつの裏考察(フレドが密告した説)

ファンの間や脚本の解釈として「フレドが通報したのではないか」という有名な説もあります。

マイケルはハバナのカフェでフレドに対し、「ロスは新年(カウントダウン)を迎えられない(=今夜殺す)」と告げていました。パニックになったフレドが、マイケルの企みを阻止しようと(あるいはロスの陣営に連絡して)警備を向かわせたという解釈です。

まとめ

演出上の最大の意味は、「マイケルの完璧な計算が、歴史の巨大なうねり(キューバ革命)によって狂わされた」という点にあります。

どれだけ冷酷で用意周到なマイケルでも、一国の政権崩壊とそれに伴う兵士たちの予期せぬ動きまではコントロールできず、あと一歩のところでロスの暗殺を取りこぼしてしまったのです。


いやはや。よくわからずに見ていたことがはっきりした。ネタバレは AI に聞くに限るな。これをネットであちこち検索していたらものすごい時間がかかるところだ。