莎木

莎木を二度もやるほどひまでなし.おや.五七五になってるぞ ! いや,だらだらやっても良いのだが,やはりそんな暇はない.

なんだかんだいって莎木はすごい.

本家掲示板
の書き込み量もものすごい.このように繁盛した掲示板というのは,テレビドラマやコンサートの掲示板くらいではないかなあ.

莎木は 1998 年 10 月くらいに最初にアナウンスがあったそうだから,約一年で発売されたということだ.私が最初に知ったのは後楽園駅のポスターだが,読売系のテレビアニメかなにかのキャラかと思った.野球とか読売とか嫌いだから,悪い印象しか持たなかった.美少女CGとかも好きではないしね.が,今から思えば,後楽園というところがガキンチョが集まるところだから,たまたま張ってあったのだろう.ゲームというものは小学生や中学生が買って遊ばなくてはだめなのだ.うちらとうのたった連中があれこれ述べても流行るとか流行らないとかはないのだ.小中学生に受け入れられるかどうかはこれから様子を見んとわからない.

掲示板読んでていろんな用語を学んだ.RPG がロールプレイングゲーム FF がファイナルファンタジーくらいは知ってたが,AVG または ADV がアドベンチャーゲーム,DC がドリームキャスト,DQ がドラゴンクエスト….あらしというのは掲示板荒らしのこととか.あとギャルゲーとか箱庭ゲーとか.AVG は最初 average のことかと思った.FREE というのはセガの造語で,full reactive eyes entertainment という意味で,ようするに見たものはすべてなんらかの反応をするということらしい.あまりこなれた英語だとは思えんのだが.

莎木プロローグの「その者,東の遠つ国より海を渡りて現われり.若者,秘めし力,いまだ知らず.…」というのはどうも擬古文としておもしろくない.もっとちゃんと古文や漢文の素養が要るではないか.本居宣長風の擬古文や,明治になってからの漢文混じりか,新体詩風だとか,聖書文語訳調だとか,どれともいえない気持ちの悪さがある.「遠つ国」という言い方は間違ってはいない (遠江という言い方もあるし) が,ここはすなおに「遠き国」というべきだ.また,莎花の発音では「とつくに」に聞こえ,これでは「外国」という意味になってしまう.言うならば「とほつくに」とはっきり発音しなくては.助動詞「り」はサ変または四段の已然形に付くのだが,「現わる」は「れれるるるるれれよ」だから,下二段だし,「現わるれり」とは言うはずないから,「現われり」とは言わないだろ.
「り」は助動詞の中では一番難しいんだよね.言うとすれば「現われたり」「現われぬ」だね.「渡る」は川のような狭いところを通ることを言うのではないか.山や海のような広いところは「越ゆ」ではないか.川も越ゆとは言うが.「幾山川越えさりゆかば」とか「川越」とか (笑).まあ渡るでもいいけどね.あとできれば七五調や五七調をそれとなく使うべきだ.少なくとも声に出したときになめらかに,不自然でないようなリズムを使うべき.添削すれば,「東なる遠き国より若者海を越えて訪れ来たり.秘めたる力,いまだ知る者なし.…」かなあ.あるいは「昔男ありけり.東海の沖つ国よりぞ来たる.…」とか (笑).まあなんにしろやりようはあったということサ.

追記: 「あらはれり」はやはり何かおかしい。下二段活用には「り」ではなく「たり」がついて「あらはれたり」とするのが正しい。あるいは「あらはれぬ」とか「あらはれつ」「あらはれけり」などとするか。

莎木

莎木は CD 4 枚組だが,そのうちの 3 枚までがゲームなので,
もうじき終わりのはずだが,3 枚目が一番難しい.
しかもヨコスカの港で毎日毎日毎日フォークリフトのバイトをやらされる.
これがめちゃめちゃきつい !!
なんとかしてくれ~.
….この港湾の描写とかは作者の実体験をもとにしたのだろうか….
ある意味すげーリアルだ.

莎木横須賀編でなぜ主人公芭月がなぜ港でフォークリフトを乗り回すか,
というのはそういう設定でゲームが作りやすいからだろう.
たとえば何かアルバイトをやらせるにしても,
車に乗るバイトをやらせた方がよく,
閉ざされた領域の方が都合が良く,
またごちゃごちゃと迷路のように入り組んでいる方がおもしろい.
セガはそのへんは得意とするところだろうし.

莎木も,たぶんファイナルファンタジーとか,
あるいはもっと古くは rogue とか nethack とかの,
経験値をあげたりだの,アイテムを集めるだの,
貯金を増やすだのの,
ロールプレイングゲームの常套路線を引きずっているようだ.
いろんなアイテムを次々に身につけるのだが,
いったいどこのポケットにそんなもんを持ち歩いているのだろう ?
大黒様か四次元ポケットでもあれば別だが.
いままでのアイコンというのかストライプというのか,
ああいう絵のキャラのゲームならば違和感は生じなかったのだ.
フル 3D CG アニメーションゲームを作る以上,
リアリティを追求するのであれば,
そのような旧習を切り捨てるくらいの覚悟は要ったのではないか.

さっそくドリキャスでアカウントを作成した.
使ってみると異様に使いにくい.
まず接続が遅い.
家庭用テレビに映すので文字がにじんでよみにくい.
キーボード接続してないので,文字がうちにくい.
CD-ROM と memory だけでやりくりしてるので,
使い勝手が悪い.
やはりパソコンは便利だ.

ドリキャスアカウントはパソコンのメイラーからならば,
非常に快適に使えるらしいことがわかった.

しろうとの私でさえ七日でクリアしてしまうのはちょっと短いかも。
しかも一番時間くったのはフォークリフトのバイトだったし。
難易度は丁度いいから、
もうすこし長くして欲しかったなァ。

莎木

莎木 (シェンムー) にはまる.
莎木おもしろいっす.
海男 (シーマン) がはやってたので,
即日ドリームキャストとシーマンとついでに莎木を買う.
シーマンなかなかおもしろいが,まだ子供.
毎日空気とヒーターで世話をやく.
しかし,ふつうの生物だと水温を急激に 10 度以上上げると死ぬと思う.
つまり,適正温度を保つことも重要だが,
温度変化を小さくすることも重要なはず.
そもそも空気と温度を手作業で調節するというのは,
まったく非現実的だ.
7月に出たゲームだけあって,
ネットを探すとほとんどすべてネタばれしている.
もはや枯れたゲーム ?

それに比べると莎木は旬.
12/29 発売のはずなのだが,
インターネットで 12/2 から買えたらしく,
すでにクリアーしてるやつもいるようだ.
CD 4 枚組のうち,私は今 3 枚目.
私はいままでバーチャファイターもアドベンチャーゲームも
ロールプレイングゲームもまったく未経験なので,
莎木がすごいのかどうかまったく見当付かないのだが,
どうやらこの莎木というのはセガの一連のゲームの集大成という位置づけになるようだ.

莎木は画質はそれほどよくないし,
人体の動きもそれほどリアルではないが,
virtual reality という意味ではかなり良い線行っている.
リアルなために逆にどうでもよい不自然さが目立つほどだ.
たとえば,主人公の芭月涼のうちにはトイレはあるが風呂はない.
夜は寝るが,飯は食わない.などなど.
virtual reality というのは日常のディテールを描いていけばきりがないわけで,
あやうい妥協の上で成立しているといえる.
ストーリーのもって行き方も放任と強引の微妙なバランスが要るんだろう.
後生に大きな影響を残す一作になるだろうと思う.
確かに映画と並んでゲームは立派な「総合芸術」だ.

ドリームキャストもそのゲームソフトも,
定価販売しか許されていないのかな ??
莎木
とドリームキャストについていろいろと言われていること.
莎木は開発費 70 億円
(という CM を知らずに私は買ったのたが,けっこう有名らしい).
莎木一つ 6800 円.
利益が一つでまあだいたい 700 円とすれば,
7,000,000,000 / 700 = 10,000,000
となり,一千万部となる.
現在ドリームキャストは百万台あるそうだ.
莎木はこれから 5 章だか 10 章まで続き,
ゲーム以外にも小説や映画や,
web 頁の広告収入や (笑),
私のようにわざわざドリキャス本体買っちゃうやつもでたりして,
それで全体で利益を出そうというのだろうか.
まあすごい背水の陣だわな.
ていうか私のような素人客をとりこまないようじゃ戦略的には負けだわな.
ドリキャスが一千万台売れれば簡単に黒字になるんだから (笑).

ところでドリキャス買うともれなくメイルアカウントがついてくるそうだが (笑),
まあぼちぼちやろか.

「王道の狗」第五巻をブックオフで買った.
新刊ということもあるのだろうが,すでに五冊も古本が売られているなんて !

西太后

西太后の辞世の言葉,「以後,再び女性に国政を担当させてはならない.それは本朝の家法に背くことで,厳に慎むべきである.」げしょっ.

西太后死後しばらくの間の,つまり同時代の中国人の彼女に対する評価は,現在の毛沢東に対する評価に良く似ている.現在の中国人は西太后を非常に憎んでいるように思う.が,毛沢東は必ずしも憎んでいるわけではない.西太后が頤和園で放蕩せずその金を北洋艦隊の強化に使っていれば,中国は日本に負けたりしなかったのだが,という話を以前私は北京郊外の頤和園で聞いた.

王道の狗

ふと思った.漫画家というのは必ずしも絵がうまくなくてもよいわけで,個性的な絵が描ければよろしい.さらに言えば,原作は他に居てもよいわけで,ストーリーを考える能力はなくてもよろしい.

シナリオもネタ集めも,絵のアシスタントも,良い漫画がかければなんでも使えるものは使えばよいわけである.

それはまあよいとして,では一番絵のうまい漫画家というのは誰かというと,それは池上遼一か安彦良和だろうと思う.いや,もしかしたら黒鉄ひろしとかもうまいのかもしれない.そういうこと言い出すとバカボンドとか北斗の拳の作者もうまいうちに入るかもしれない.まああまり追求するのはやめておこう.

で私がなにを言いたいかと言えば,それは安彦良和の「王道の狗」 (ミスターマガジン) である.これはすごい.作・画ともに安彦良和.安彦良和といえば「ガンダム」のキャラクターデザインである.ここまでは誰でも知っている.そして「アリオン」.これもわりと有名.「クルドの星」.うーむ,これも私は読んだけど,あまり有名じゃないかな.「アリオン」を描いた理由はなんとなくわかるような気がする.ギリシャ神話ってなんとなく描いてみたいよね.「アリオン」と「クルドの星」はわりと連続性があると言える.ギリシャとトルコはエーゲ海を挟む隣国だから.取材か何かでギリシャに行けばトルコにも足を延ばすでしょう.ちなみに「クルドの星」というのは,トルコとイラクの国境辺りに居るクルド人のゲリラの話である.で,そこから「王道の狗」に来るのはちょっと飛躍があるようにも思えるが,しかし,トルコから日本の明治維新へ来るというのは,なんとなくわかるような気がするのである.

今度の「王道の狗」はすごい.そしてほとんど誰も注目してるふうがないところがまたよい.売れる漫画ではなく,描きたい漫画を描いているのだろう.読者にこびるようなところがまったくないのがよい.最初はすげー地味で難解な展開だったが,これから派手になるので,どんどん注目されるようになるのではないか.

風俗・時代考証がものすごく正確 (だと少なくとも私の目には思える).陸奥宗光がでてる,それだけでもすごいが,李鴻章やら孫文やら大院君やら袁世凱やら閔妃やら勝海舟やらどんどんでてくる.ものすごくすごい.陸奥宗光の描写がすごくよい.その他の公人,民間人,武道家などの日本人の描写がうっとりするくらい良い.清や朝鮮の宮廷や市街の描写がまたよい.弁髪の支那人と総髪の朝鮮人がみごとに描き分けられている.今回,金玉均が漢江河畔に晒された.この描写がまた凄絶だ.また,上海のジャンクを蹴散らして進む清の砲艦.このガンボートの描写がまたすごい.

砲艦!!
李! きさまっ (手書き)
そこまでやるか!! (手書き大)

安彦良和の手書き文字はとても色気があるっ.

安彦良和はたぶん北海道の出身だったが,主人公が政治犯でアイヌの格好で身を隠す.その習俗の描写がまたすごい.なにからなにまですごい.そのうち日清戦争だとか安重根の伊藤博文暗殺だとか日露戦争だとか日韓併合だとか辛亥革命とかもやるのだろうか.すごいなあ.

柳沢教授を読んでいて思ったのだが, Have you been living here? の独訳は Wohnst du hier? なのか ?
なぜドイツ語では現在形で,英語ではわざわざ現在完了進行形なのか ?
英語はむしろ Do you live here? の方がましではないか.
いやこれは些細なことにすぎない.
ドイツ語の口語は現在形を多用するのかもしれん.
しかし,いくら子供とはいえ,また,柳沢教授の性格から言って,
見ず知らずの外国人に Wohnst du hier? というのはなれなれしすぎではないか.
Wohnen Sie hier? というべきではないか.
柳沢教授はフランス語でも尋ねたのだが,私はフランス語は知らないので,フランス語については省略する.
もちろんもっとおかしいところはある.
モンゴルのウランバートルの浮浪児にいきなり英語,ドイツ語,フランス語で質問するのは大学教授だからっていくらなんでもバカすぎないか.
まずモンゴル語,つぎに漢語,さらにロシア語か英語の順で質問するのが筋というものだろう.

パパはニューギニア

パンダ密猟は死刑。アブラハムはイサクを殺した。バイトをオクテットと言うとかっこいい(笑)。

相原コージが「例に出して悪いけど、…「パパはニューギニア」の連載と共に「ギャグマンガは死んだ」のだ」などとほざいている。そんなことより、最近の吉田戦車がつまらないことの方が重大問題だ。「いじめて君」のころは面白かったのに。

中島敦@南洋庁パラオ支庁

割合ひまだったので中島敦をまとまった分量読むことができた。

彼は南洋庁パラオ支庁に居た。第一次大戦でドイツから取った領土だ。そこへ行ったのは、喘息の療養を兼ねてのことだったようだ。小説の評判が良いので帰国したら、横浜で早速風邪をこじらせた。スティブンソンはロンドンで死にかけて、南洋に引き返して命をながらえたが、中島敦はそのまま日本で死んでしまった。日本に帰らなくとも、すぐに戦争が始まって大変な思いをしたことだろう。ただ中島は、

いや、そうではない。お前が南方に期待していたものは、こんな無為と倦怠ではなかったはずだ。それは、新しい未知の環境の中に己を投げ出して、己の中にあってまだ己の知らないでいる力を存分に試みることだったのではないか。さらにまた、近く来るべき戦争に当然戦場として選ばれるだろうことを予想しての冒険だったのではないか。

という恐るべき覚悟を記している。

山月記、名人伝などはもちろん高校生の頃読んでいたのだが、その異常な世界は、中島敦が熱烈な西遊記ファンであるところからきているようだ。彼が生きていた時代が精神主義全盛期だったことも関係あるかもしれんが。文字禍、悟浄出世、悟浄歎異、など、寓意の体裁であるがあからさまに彼自身が投影されていて、私小説よりもむしろ直接的だと思えた。

サダト

僕は今までサダト大統領というのは良く知らなかったのだが,今回映画を見てよーく,わかった.アラブとイスラエルの戦争の歴史もついでにかなり把握できた.僕が今まで知ってたことといえば,六日間戦争くらい.イスラエルのいわゆる電撃戦で,アラブ連合軍に対して圧倒的な勝利を収めたということ,イスラエルは少数だが強く,アラブは多数だが弱い,という見方が定着した戦争のことだ.

ついでだから中東戦争のおさらい.第一次の発端は,1948 年のイスラエル共和国宣言.24時間以内に,エジプト,シリア,ヨルダン,レバノン,イラクの,アラブ連盟諸国がパレスティナに進軍.1949 年に停戦協定成立.このとき,Judea と Samaria (ヨルダン川西岸)がヨルダンの支配下になり,Gaza (地中海沿岸エジプト寄り)がエジプトの支配下に入り,エルサレムは分割され,旧市街を含む東半分がヨルダンの支配下に入った.

第二次は,いわゆる 1952 年のスエズ動乱で,エジプトのナセル大統領がスエズ運河を国有化したことに始まる.ナセル大統領は,ユダヤ人にスエズ運河を使わせないつもりだったので,イスラエルがシナイ半島に進軍,続いてイギリスとフランスが介入.アメリカの仲介で停戦.

第三次は,1967 年のいわゆる六日間戦争.

第四次は,1973 年で,これはエジプトの失地回復のための報復戦のようなもので,サダト大統領が総司令官だった.贖罪の日を選んだ奇襲攻撃,大敗はしなかったものの,アラブ側が相変わらず劣勢だった.サダト大統領はこれ以後単独でイスラエルと和平交渉を始め,1978 年のキャンプ・デービット合意を経て,イスラエルと平和条約締結.シナイ半島がエジプトに返還された.イスラエルのベギン首相と一緒にノーベル平和賞をもらったりしている.しかし,単独講和を認めないアラブ過激派によって,サダト大統領は 1981 年に暗殺される.

僕が見た映画は 1983 年にアメリカで作られている.シナイ半島がエジプトに返還された直後に制作されたということで,歴史映画というよりドキュメンタリーのような性格のもの.アメリカ映画とは思えない(笑),スピルバーグとキャメロンに毒されたハリウッド映画とはまったく違う,とてもきっちりときまじめに作られた,感動的な映画だ(スピルバーグも歴史物は作るけどね…).

誰がなんのために作ったのか気になるが,アメリカにはユダヤ人勢力強いからユダヤ人の援助もあったかもしれないし,キャンプ・デービット合意はカーター大統領が唯一成功した政治劇だったから,カーターや民主党も手を貸してくれたかもしれないし,そもそもノーベル平和賞をもらったくらいだから,どこかの慈善家がお金を出したのかもしれないね.でも「聖戦」のことを crusade と言ってたのは変だったなあ.アラブ人が crusade って言うわけないじゃん.アラブ人が赤十字なんて言わないのと同じ理屈だよ.やっぱアメリカの砂漠でロケして,アメリカ人を役者に使って,アメリカ人の脚本家が書いたシナリオで作った映画なんだろな.妙に親米的だったり,共産党やソビエトを嫌ってたり,サダトがアメリカのマスコミをほめるシーンがあったり,やっぱどこかアメリカ的な脚色が入ってるんだよね.あと,アラブ語はほとんど出てこない(インシャラーくらい)のに,ヘブライ語の会話はたくさん出てきた.これも,ユダヤ人が映画制作に深く関わってることを意味してるような.そもそも,サダトという題材を選ぶこと自体,ユダヤ寄りなんだよね.サダトの妻はイギリス人だったりして,ものの考え方があまりアラブ的じゃない.
それにアメリカ人やユダヤ人が,サダムやカダフィやアラファトやホメイニを主人公に,
わざわざ映画作ったりはしないだろう.

タルコフスキー

タルコフスキーという映画監督がおもしろいというので,いくつか借りてみた.「惑星ソラリス」はずいぶん前に見たので今回は借りなかった.話せば長いことながら,富田勲の「宇宙幻想」というアルバムを中学一年生の頃聞いた.その最後に富田勲が編曲した「惑星ソラリス」があった.で,スタニスラフ・レムの原作「ソラリスの陽の下に」(のハヤカワの和訳)を読んだり,ビデオを借りて見たりした.原作の方を先に読んだから,というのは,僕が高校生の頃までビデオレンタルというのはほとんどなかったからだが,映画がそれほど優れたものだとは思わなかった.だけど,その映画の監督だと言えば多少は期待がもてるというもの.

さて,「僕たちの村は戦場だった」と言うのをまず見たのだが,これはずいぶんダークな映画だ.12才の少年斥候兵が戦後ドイツ軍に絞首刑になったことがわかるというオチ,少年とその妹が無邪気にみずべで遊ぶラストシーン.みなきゃよかったと思った.それから,「アンドレイ・ルブリョフ」という二本組の長編だが,これは途中であまりにも退屈なのでみるのをやめた.

ポーランドの森を思い出した.僕は1994年くらいにポーランドに国際会議で出かけたのだが,会場が森の真ん中の少年自然の家みたいなところだった.お金がかからないようにと気をきかせてくれたのだが,僕たち日本人ならワルシャワの一番高いホテルに泊まってもぜんぜん平気だっただろう.その方が観光もできてよかったのに,森の中じゃ退屈きわまりなかった.ポーランドの子供たちが屋内プールで泳いでいるところを眺めてもおもしろくない.楽しみは夜パブでビールを飲むくらいだった.毎日,食べたこともないようないろんな種類の雑穀を食べさせられた.森と言っても日本の雑木林のようなウラジロやヨモギやそういった下草がほとんどなくて,白樺みたいな木の幹がすっとのびていて,どこまでもどこまでも歩いていける恐ろしい空間だ.迷い込んだら出られなくなるだろうな.

 防衛庁第4研究所見学

淵野辺に行って, フライトシミュレータを戦車のシミュレータに改造したやつに乗ったり, 9眼のベースラインステレオ(ほぼ実時間で奥行きマップを計測する)やつをみたりした. なんかの写真で見たフライトシミュレータに初めて乗れたのがうれしかった. 戦車で山の上に駆け上り,急な斜面を降りようとしたら, 一瞬宙に浮いて地面に叩き付けられたのが楽しかった(笑). 富士の裾野を模してあるのだが, 富士山がなかなか絶景だったね.

防衛庁の技官の世界というのも初めて見聞した. 要するに,想像通りの世界だね. 地雷にさわったりもした. 火薬は入ってないとわかってても,万一入ってたら!と思うと怖いもんがある. 地雷を100%検出する方法というのはないそうで, 確実に除去するには, 戦車の先にローラをつけて,鎖をたくさんぶらさげて, 地面をばしばしたたきながら爆発させるしかないそうである. ところが,対戦車用の地雷は, 爆発すると半径8mくらいのクレータができてしまうくらい強力なもんだそうで, 爆発するたびにローラを交換しなくちゃならないそうだ.

なんでも,探知機というのは,地雷と周りの土の誘電率の境界面を検出するんだそうだが, 土の具合や湿り具合などで,境界面がまったく検出できないこともあるんだそうだ. 地面がでこぼこしてたり,草が生えてても深刻な影響を受けるという. 対戦車地雷は人が踏んだくらいじゃ爆発しないが, その周りに対人地雷が埋めてあったり, 取り除こうとすると爆発するような仕掛けがしてあったりするという. で,地雷除去の研究をしてる技官も,実際に地雷除去の作業をしたことはないそうで. まー,なんとも危なっかしい話だね.

自動走行車なども見た. 防衛庁の研究所というのは,けっこうすごいことやってるのだが, メディアへの露出はきわめて消極的だ. もっと情報公開すればいいのにね. その点民間企業は,見せるとこと見せないとこをうまくやってるのかなあ.