入院してた2

最初行った病院は自宅最寄り駅の駅前の病院で、かりにA病院とすると、ここは入院患者は老人ばかりで、それ以外は外来。
私はなんか利尿剤か何かを処方されて外来で通院するものとばかり思っていたので、とりあえずここへ来たのだが、
CTとったり心電図とったりしたら、とにかくもう心房細動が出まくっていて、心拍も速く、CTには水が一杯たまっていて、
今から紹介状書くからすぐ入院した方が良いといわれた。
明日の朝か来週からでも良いかと聞いてはみたが、
あなたはとても重症なので、すぐ入院すべきだ、ということを言われる。

そんで、タクシーで次の病院へ行き、B病院に入院する。
ここでは超音波エコー診断などしたのだが、やはり、心臓の収縮率がとても悪い、心臓がほとんど動いてない、などとおどされる。
あとやはり心房細動・心拍数がやばいといわれる。

尿道カテーテルを刺され、利尿薬を注射される。
水は一日に500mlまでしか飲んでいけないといわれる。
何かあったら言ってくださいと看護師に言われるが、言われると同時に異様な渇水感が高まってきて、
とにかく水が飲みたくて飲みたくてたまらなくなる。
何かとてつもなく純粋な、水に対する離脱症状のようなものが襲ってきて、気が狂いそうになって、まったく我慢できない。
きっと拷問に利用すれば効果的だろうと思う。
それで水を飲ませてもらうのだが、のどはからからに乾くし、うとうとしていると何か痰のようなものがのどにつまって息ができなくなるし、
水を飲みたいのも全然おさまらない。

どういう状況だったのかよくわからんが、仮に血中アルブミンが不足した状態で利尿薬を大量に注射すると、
腹水はそのままで、血中の水分が腎臓から尿として出てしまい、
急性の脱水状態になってしまうのではないか。

ただ、だんだん体が利尿薬になれてきたのか、次第に尿が出てものどが乾いたり水が飲みたくなることもなくなり、
腹水やらがびゅんびゅんカテーテルから出てくるようになる。
B病院では手作業で利尿薬を注射していたのだが、
B病院は2泊でC病院に転院。
B病院では循環器系の精密検査ができないという理由。
とにかく超音波の結果でも判明したけどあなたは特に重症だからという理由で転院を勧められる。

C病院ではシリンジポンプというものを使って時間当たり一定量を輸液する。
点滴というのは、重力を利用して輸液するのだが、シリンジポンプは注射器のピストンを一定の割合で動かすことによって、
薬を一定時間の間、一定のきまった量を体内に送り込めるのだ。
うーんと、普通の生理食塩水を普通のやり方で点滴して、それが本線で、
それに合流する形で一つないし二つくらいのシリンジポンプからの輸液がつながれる。

C病院では24時間連続で利尿薬を輸液された。
そうするともうものすごい勢いで尿が出る。
一日で6リットル、全部で10リットルは出たはず。
10リットルとは10kgですよ。体重も一気にそのくらい減った。入院前に82.4kgだったのが、退院時には70.2kgになった。

それだけたくさん水が出ても特にのどの渇きは感じなかった。たんたんと腹水や肺の水が抜けていったのだろう。
同時に足のむくみもなくなった。

ある程度抜け切ったのをレントゲンで確かめると、今度は利尿薬を錠剤で、一日一回、朝食後に飲むだけとなった。
たぶんこれはあまり効果はないし持続もしない。
すでに水は抜けていたのだから、これ以上水がたまらないようにという予防だろう。
また、血液の量が増えると心臓に負担がかかるので、脱水状態に近いくらいにしておいたほうが良いというのが医師の説明。
血液が濃くなるので、さらさらになるような薬を同時に飲む。

C病院でそうやって大量に利尿薬を輸液された、最初のとき、手足がつって痛くなった。
体液を急に抜いたためカリウムが足りなくなったせいだという。
そこでカリウムも輸液することになったのだが、これがまた、血管に非常に負担のかかる薬らしく、
点滴の針を刺したあたりが非常に痛む。
三時間たったら終わると言われたのだが、実に長い難行苦行であった。
基本的に薬物治療だけだから、入院したら安眠できると思ったが実はまったくそんなことはなかった。
とにかくいろんな薬を次々に打たれ非常に苦しんだ。

氷枕気持ちいいなとか思っていると、意識が無くなるように寝てしまって、はっと気付くとま夜中だったりする。
熟睡しているのか意識を失ったのかよくわからない眠り方がよくあった。

入院してた。

7月5日から17日まで入院していた。12泊13日。

心臓の超音波エコー、カテーテル検査、MRI、X線CTなどさまざまな検査を受けたのだが、
病名は「拡張型心筋症」「アルコール性心筋症」の二つに絞り込まれた。
この二つは、初期段階ではきわめて類似していて、いまどちらかと特定するのは難しい。

「拡張型心筋症」は心臓が肥大することなく、心室内部が拡張して、心筋が薄くなっていく病気であり、
原因不明の進行性で、治ることはない。薬物治療で延命するか、最悪心臓移植くらいしか治療法がない。

「アルコール性心筋症」の原因はずばり酒の飲みすぎ。10年以上にわたり、大量の酒を飲み続けると発症する。
断酒すると3ヶ月くらいでほぼ完治するそうだ。

医師の話を聞いたり、カテーテル検査などを見せてもらうと、私の心臓は肥大しているらしい。
肥大するということは、弱った心臓の力をおぎなうために心臓が大きくなる「代償」という現象で、
「拡張型心筋症」には見られない。なので、肥大があるということは「アルコール性心筋症」である可能性を大きくするが、
まだ初期段階なので、なんとも言えない。

ともかく数ヶ月以内に「拡張型」なのか「アルコール性」なのかは明らかになるわけだ。
状況的には「アルコール性」である可能性が高い。何しろ、だいたい20年間くらいは毎晩のように酒を飲んでいたし、
近頃はすべての小遣いを飲み歩きだけに使ってきたし、
それもほとんど一日も空けず、毎日、ビール中瓶換算で4、5本以上確実に飲み続けてきたのだから。
だが、「拡張型」ではないと現時点で断言することはできない。

「拡張型」だと今以上に良くなることはありえない。じわじわと悪化していくだけ。それを薬で抑えてなんとかしのぐしかない。
幸いにして、今のところ日常生活に困るほどではない。みんながすぐ死んじゃうような病気ではない。
だけど「アルコール性」なら完治するわけで、私としてはできるだけそちらであってほしい。

今回、肺だけでなく腹や胸などにも水がたまっており、とくに、肝臓の周りや下腹部などにも水があった。
足もむくんでいた。
ということは、私の場合、体全体で同時多発的に、水漏れが起きたということである。
これは、体全体で静脈内の圧力がある一定水準を超えたことを意味する。
動脈はもともと圧力が高いけれども、心臓のポンプとしての力が弱ると静脈の圧力も上がるらしい。
そうすると静脈の毛細血管から体液として水が漏れ始める。
というより、静脈内の圧力が高いために、体液が静脈に戻っていけなくなる。

ところで、腹水がたまる理由としては、肝臓の機能が低下して、アルブミンという血漿タンパクが生成されないこともありえる。
アルブミンは血液中にあって、血液の水分が不足すると、それを毛細血管を通じて体液から水分を補って、血中水分を増やそうとする。

利尿薬を飲むと、腎臓から血の中の水が尿となってどんどん出ていくので、アルブミンが作用して腹水や肺の水などを抜いて血管に戻してくれるというわけだ。

心臓の機能は短期間の療養では簡単に回復しないらしく、私が退院する時点でも、まだ静脈圧力は高いままだった。
私の心臓はかなり以前から弱っていて、静脈圧力も高い状態だったように思われる。
それが急に水漏れし始めたのは、別の、複合的な要因もあったのではないかと疑われる。

たとえば、酒の飲みすぎか何かで、肝臓の機能が落ち、アルブミンの生産が不足したとする。
静脈圧力が高いところにアルブミンが不足すると、一気に腹水がたまり始めるだろう。

そもそも「アルコール性」心筋症というのは、酒の飲みすぎで肝臓がへたった結果、心筋に何らかの、原因不明な、
悪影響を与えて発症するものではなかろうか(そういう学説があるらしい)。
アルコールが直接心筋を痩せさせるとは考えにくい。
アルコールによって疲れた肝臓が、心筋に必要な何かを不足させたり、心筋を弱める毒素か何かを分泌するのかもしれない。

と考えると、「アルコール性心筋症」を治すにはまず肝機能を回復させなくてはならないということになる。
飲酒習慣のある者がアルコールを断つと肝臓の機能は、少なくとも肝硬変よりずっと手前の初期の段階では、
かなりすみやかに回復する。
肝臓が元気になれば、心筋も元気を取り戻す。
「アルコール性心筋症」の回復に三ヶ月程度を要するという理屈をうまく説明できる。

まあ、私の場合、自他共に認める大酒飲みであったから、「アルコール性心筋症」である可能性がかなり高いが、
今はまだ予断を許さない状況だ。

肺に水がたまるという

例の症状だが、やっと、なんとか対処するコツを見つけた気がする。

水をがぶ飲みしてはいけないのだ。

水が飲みたくなったら、
肺の中にたぶん二、三リットル近く水がたまっている。まずこれを、
横になって腹を揉むなりして、気管支から食堂経由で胃へ送る。

一時的に水を出すのはこれでよい。しかし、水をがぶのみした状態だと、水はすぐに肺に戻る。
しかし、体が渇いた状態だと、肺には戻らない。肺が軽くなる。

ともかく水の摂取を控える。夏場は脱水症状が怖いのだが、しかし実際に肺には多量の水が入っているので、
これがなくなるまでは、脱水症状にまでなる可能性は低いのではないか。

六月に発症したのも、暑くなって、水やらビールをがぶ飲みし始めたからではないかと思えるのである。
デブは脂肪を燃やすために余計に水が要る、などという知識から、むやみと水を飲んだりした。
思えばあれもよろしくない。
それから、ビールのような低アルコールの大量に飲む酒とか。ビールには利尿効果があるようだが。

ともかく、息苦しいのも疲れるのもすべては肺に水が入っているからで、これを排出すればすべては解決するはずであり、
あとは、うまくつきあって行けばよいのではないか。

セルロース醸造

[スース](http://p.booklog.jp/book/29283)のPVが多いので、どこから読みに来ているのか謎だったのだが、
[セルロース醸造](http://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E9%86%B8%E9%80%A0&ie=utf-8&oe=utf-8)とかでググると結構上位にくる。これか。
うーむ。別に嘘は書いてないつもりだが、専門家ではないので、苦情とか来ると困るのよね。
大丈夫かな。

勝手に謝っときます。ごめんなさい。書いた人は素人ですのでお手柔らかに。

ま、いずれにしても、ホットな研究テーマなのだな。

ああごめん。ここに書いたことで go.jp より上位に検索結果が来てしまった。
狙ったわけじゃあ、決してありません(笑)。
ごめんなさい。