なつかしきかほもみまほし過ぎし日に見てしおもかげおぼろなるゆゑ 野のつたの軒の網戸に伸びたるが窓を開くればほとけ落ちたり 夏の間にかび覆ひたる皮バンド針のめぐりは狂はざれども くちぶえのうそぶかれけりほほづゑをつきてつくゑにむかひゐたれば ひとのめにいかにうつりてあるわれぞわれひとりのみあらじとおもふに