王道の狗
ふと思った.漫画家というのは必ずしも絵がうまくなくてもよいわけで,個性的な絵が描ければよろしい.さらに言えば,原作は他に居てもよいわけで,ストーリーを考える能力はなくてもよろしい. シナリオもネタ集めも,絵のアシスタントも,良い漫画がかければなんでも使えるものは使えばよいわけである. それはまあよいとして,では一番絵のうまい漫画家というのは誰かというと,それは池上遼一か安彦良和だろうと思う.いや,もしかしたら黒鉄ひろしとかもうまいのかもしれない.そういうこと言い出すとバカボンドとか北斗の拳の作者もうまいうちに入るかもしれない.まああまり追求するのはやめておこう. で私がなにを言いたいかと言えば,それは安彦良和の「王道の狗」 (ミスターマガジン) である.これはすごい.作・画ともに安彦良和.安彦良和といえば「ガンダム」のキャラクターデザインである.ここまでは誰でも知っている.そして「アリオン」.これもわりと有名.「クルドの星」.うーむ,これも私は読んだけど,あまり有名じゃないかな.「アリオン」を描いた理由はなんとなくわかるような気がする.ギリシャ神話ってなんとなく描いてみたいよね.「アリオン」と「クルドの星」はわりと連続性があると言える.ギリシャとトルコはエーゲ海を挟む隣国だから.取材か何かでギリシャに行けばトルコにも足を延ばすでしょう.ちなみに「クルドの星」というのは,トルコとイラ… 続きを読む »