踊る大捜査線

踊る大捜査線、テーマは「警察から政治を排除して、命懸けで仕事している現場の人間に納得いく仕事ができるようにしよう」であっているでしょうか。危険思想なんだよな。危険思想に満ちあふれているよ。戦前の青年将校だって同じことを言うだろう。

警察は政治そのものなんだよ。世論が「たとえ警官が撃たれても警官は撃ってはいけない」と言うなら、たとえ現場の人間がそうではないと思っても、またドラマを見ている人間がそれに同意したとしても、主権者である国民の意思に背いてはいけないだろう。

同僚が撃たれたから普段よりも真剣に捜査するというのであれば、民間人が撃たれたときは相対的に不真面目に仕事していることになるだろう。現場の人間の心理によって仕事の質が変動するのは事実であろうが、それを肯定するのはどうであろうか。

「現場の警官にもっと権限を持たせて、現場の判断で拳銃を撃てるようにする」ということが正しいかどうか判断するのは主権者である国民だし、それこそまさに政治なのだが。

National Geographic はお説教臭いのと、アメリカ中心主義なのが鬱陶しいが、そこに目をつぶればまあまあだ。同じ番組を何度も流すのも、復習できてむしろよろしい。

9.11にしろ煎じ詰めればアメリカの国内問題なのに、「世界が変わった」みたいな言い方されると不愉快なんだよね。

CNNj はなんかもう。あの同時通訳みたいのが鬱陶しいだけ。BBC も bloomberg も似たりよったり。

ディスカバリーチャンネルも、アニマルプラネットもいまいちおもしろくない。この程度のドキュメンタリーなら、地上波垂れ流しでもまま見られるし。

地上波のドキュメンタリーも悪くないんだが、National Geographic スタイルにして1チャンネルまるごとドキュメンタリーみたいにすると、クオリティもさらに良くなるのでは。オンラインのビデオレンタルみたいになるのが理想型かな。

デンマーク

デンマークという国があります、人口約500万人。400人イラクに派兵していた。で、もう一ヶ月ほど前のことだけど、デンマーク人一人とイラク人二人が戦闘で死亡したわけです。マスコミ的にはあまり話題にならなかったけど、私は非常に興味深かった。アメリカやイギリスのような帝国主義国の人間が戦争で死ぬのはあたりまえだけど、デンマークですよ、むしろ歴史的には弱者。立場変わってもし日本が自衛隊を派遣して人死にが出たらどうなることか。日本人が死なないまでもイラク人を殺したらどうなるのか。非常に興味深い。海上保安庁が領海侵犯した不審船を沈没させて北朝鮮工作員らしき人たちを「殺した」ときもあれだけ騒いだのだから(ていうか勝手に自爆自沈したのだが)。

日本とアメリカは軍事同盟の関係にあって、アメリカが好きか嫌いかとか戦争が好きか嫌いかイラク戦争に賛成か反対かというのはともかくとして、同盟してるんなら兵隊は出さなくちゃならん。もし春秋戦国時代に同盟関係を結んでいるのに兵隊を出さんではすまされん。腹に一モツあると思われて攻撃されてもしかたない。同盟関係というのはそもそもそういうもの。春秋戦国時代も現代も国際関係という意味では大きな違いはない。だからデンマークのような小国でも兵隊を派遣している。

いっそのこと日本人がイラクで死ぬかイラク人を殺すか、そこまでしなければ日本人の平和ボケは直るまい。いったん現実を突きつけられれば、北朝鮮問題のように、(ある程度)現実に即した判断ができるようになる。北朝鮮や共産中国を理想の国のように礼賛してた連中がいたのだから。しかし戦争に関してはまだその呪縛から逃れられていない。

警官だって消防士だって殉職はある。自衛官が一人も死なない方がほんとうは異常なのだ、といえる。自衛隊派遣は殉職の可能性を含めてした方がよいと思う。ということを誰も正々堂々と言わない。まったく異常だ。

イラク戦争に関しては私が書いた通りに推移しているといえる。ていうかアメリカと戦争するならベトナム戦争を参考にするだろうし、総力戦は避けてゲリラ戦に持ち込もうと思うだろうし、となると正面から戦って犬死にするよりは、地下に潜ってアメリカ本国に厭戦気分が高まるまで辛抱強く抵抗を続けるだろう。

ベトナム人にとってかつてそうであったように、イラク人にとっても、またパレスチナ人にとっても、最大の味方はアメリカ本国の平和主義者たちなのだ。

ベトナム戦争ではベトナム人が200万人死に、アメリカ人は3万人死んだそうだ。それだけの覚悟があればアメリカには勝てるのである。日本やドイツのように国際法にのっとって総力戦を仕掛けては負けるだろうが、国際世論を背景に自らの国土を戦場としたレジスタンスを続ければ勝てる。アメリカ人を1万人殺せば間違いなくアラブ人はアメリカ人に勝てる。いや、アメリカが自分で勝手に負ける。問題は中東戦争であれほどあっけなく弱かったアラブ人にそれだけの覚悟があるのかどうかということだったのだ。

ロシア原潜沈没事故、生存者の望みなしとかいう記事を読むと、ああこれはたまたま原潜が原子炉積んだまま沈んだから記事になってるが、この程度のへまはあの国では日常茶飯事なんだろうなあ、人死にが出てもいちいち報道されないくらい頻繁に起きているんだろうなと思うのだった。