雑体歌

しらゆき
良寛

> 白雪は 幾重も積もれ 積もらねばとて たまぼこの 道踏み分けて 君が来なくに

はちのこ
良寛

> 鉢の子を 我が忘るれども とる人はなし とる人はなし 鉢の子あはれ

蘆庵

> 道遠し 吉野の桜 まだ咲かぬ間に とく行きて 今年は花の 散るまでも見む

田中久三

> 目は老いて 文読みがたく
歯も弱り もの食ひがたく
足は萎え 腕力無く
身は病んで いつか倒れむ
我が体 我に死ねといふ
我が命 絶えむと欲す
心のみ 強からむやは
心のみ 直からむやは
体ごと 心も弱く
なれるこの頃

反歌

> いまさらに ながらへわたる かひもなし ただ後の世に 歌の残らば

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