アミオダロンというのはアンカロンという薬のジェネリックで、 そのアミオダロンを以前は1日2錠飲んでいたが、 甲状腺ホルモンが異常になったので、 つまりアミオダロンにはヨードが含まれていてヨードを過剰摂取すると甲状腺がやられて、 甲状腺炎になってしまう(バセドー病みたいなものらしい)らしいんで、 1日1錠に減らした。 アミオダロンは心室細動や心房細動を抑える薬で、 以前は1錠飲んでいたこともあったが2錠にすると BNP(心臓に負担がかかると出てくるホルモン) の値がとても小さく(つまり正常に)なり、心房細動もほとんど出なくなる。 でアミオダロンを減らしたので BNP はまた増えて、ほぼ常時心房細動が出るようになった。 心房細動は30歳頃の健康診断でも出てたことがあるので、 たぶん出たり出なかったり、ずっと昔からそういう調子で、 年をとるほど出る、そんな体なのだろう。 だから私は(戦争になって供給が絶えて) アミオダロンを飲まないと心室細動を再発して死んでしまうのだろう。 心房細動は命に別状はない。ただ血の流れがよどんで血栓ができやすくなるので(血栓が脳の血管に詰まると脳梗塞になる)、 血を固まりにくくする薬を飲まなきゃならない。 ワーファリンとかがそれだ。しかしワーファリンは納豆が食えなくなる(納豆に多く含まれるビタミンKがワーファリンを効かなくする)ので、イグザレルドという新薬に替… 続きを読む »
月別アーカイブ: 2016年4月
フローニの墓
訳者は著者ではないので作品をずけずけと批評できる立場にいる一人であるはずだが、私の場合「フローニ」を「ハイディ」の謎解きのために無理やり訳し、それでもまだ謎が解けきれないから続く数編も訳して読んでみたので、純粋に「フローニ」という作品を読んだとは言えないかもしれない。 「ハイディ」をある程度知ってはいるが深くは知らない普通の人に「フローニ」を読んでもらうと、だいたい同じような印象を持つようだ。つまり、ストーリーは別に面白くはない、しかし、文章にある独特の雰囲気があって、なぜか最後まで読んでしまう、と(ストーリーは面白くなく独特の雰囲気はあるが最後まで読む気にならないものは、ありがちだが、単につまらないということよね)。 その独特の雰囲気というのは明らかに訳者である私の文体のせいではない。逆に私がそのヨハンナの独特の言い回しの影響をうけた、のは確かだ。もちろん私もそれに気付いてはいたが、うまく表現できない。しかし周りの人も同じようなことに気付いているとすれば、やはりそこが「フローニ」のおもしろさであって、もしかすると私は宝石の原石を見つけたのじゃないか、という気にもなる。その雰囲気というのは当然「ハイディ」にもあるんだが、アニメにも表れてはいるが、残念ながら十分に表現されているとは言えないと思う。その雰囲気というのはアルムおじさんやデーテのあたりに濃厚にただよっていて、つまりそれらの… 続きを読む »
世の中にはチェックとストライプのシャツが溢れかえっており、 それ以外の柄の襟付きのシャツというのはほとんどないか、あっても高い。 とにかくもう絶対チェックとストライプのシャツは着ないぞと思えば、 6千円とか7千円とか、或いはうん万円のシャツを買うしかない。 あるいは、古着であろうか。 なんでこんなことになってしまっているのだろうか。 まともかく年齢的にも立場的にもTシャツばかり着るわけにはいかないので、 襟付きのシャツが必要だな、チェックみたいにださくなく、 ストライプみたいにありきたりじゃないやつが着たい、と思うがそれには金がかかる。 それで実家に眠っていた父の服をサルベージしたのだが、 そのほとんどがチェックでもなくストライプでもなく、 今時どこにも売ってないような柄の服ばかりであり、 一生かかっても着つぶせないくらい大量に出て来た。 時代が違うというのもあるのだろうが、いったいどこでこんな服を買ったのだろう、 どこでこんな服が売られていたのだろう。 そしてなぜ現代ではこれらの服はまったく作られなくなったのだろう。 非常に不思議だ。 ともかくこれだけのシャツを今買うとしたら数十万円はする。 シャツだけでなくズボンにも金がかかる。 ズボンはジーパンはいとけば安くで済むが、 ズボンも実家から送ってもらうことにした。 金がかからないのは良いことだ。 ズボンのほうが消耗が速いからいくら… 続きを読む »
国を救った数学少女
まあまあ面白い。 特に出だしのノンベコの話は面白いが、 突然スウェーデン人の話に切り替わり、 交互にストーリーが進展していく。 まあそれも最初のうちは我慢して読んでいたが、 だんだんに話が拡散して行く。 鄧小平やブレジネフやカーターが出てくるあたりで飽きる。 なんだ何でもアリのどたばたものかと。 それが面白いと思える人には良いのかしれんが。 私としては南アフリカ共和国の話で完結しててネルソン・マンデラが大統領になるあたりで終わってれば(そしてそういう歴史的経緯がきちんと描かれていれば)良かった。 いろんなことつまみ食いなんかしたくなかった。 著者はスウェーデン人のようだがスウェーデンの話が特につまらない。 中国人とかその他もろもろの話も一応最後で伏線回収されるのだが、 いろんなことを書きすぎて、だんだんにネタバレしてきて、 西洋人視点の支離滅裂なごたくが並べてあるだけに見えてくる。 西洋人は帝国主義やら植民地支配やら人種差別を今は反省していると必死に言いつくろっているようで、逆にそれが嫌みに感じる。 まあともかく悪い本ではない。 世の中の本がどれもこれくらい面白ければ退屈しのぎに困ることはないのにと思う。 「火星の人」もそれなりに楽しめたし。 こういうエンタメ系の小説で面白いのが、 日本の作品にはまるでない。 まるで思いつかない。 カーリルで検索してみても、所蔵館の多さにしても何に… 続きを読む »
e-rara Johanna Spyri 文献
初版の年ではなくて実際に出版された年の順 ## Bremen : C. Ed. Müller’s Verlagsbuchhandlung * [Ihrer Keines vergessen / von der Verfasserin von: «Ein Blatt auf Vrony’s Grab»](http://dx.doi.org/10.3931/e-rara-17066) 1873 彼らの誰も忘れない* [Verirrt und gefunden / von der Verfasserin von “Ein Blatt auf Vrony’s Grab”](http://dx.doi.org/10.3931/e-rara-16661) Zweite Auflage, 1882 迷い出て、そして見出されて* [Ein Blatt auf Vrony’s Grab : Erzählung](http://dx.doi.org/10.3931/e-rara-16597) Vierte Auflage, 1883 フローニの墓に一言 ## Gotha: Friedrich Andreas Perthes * [Heimathlos : Zwei Geschichten für Kinder und auch f… 続きを読む »
Heidi, translated by Louise Brooks 1885
「ハイディ」だが、Heidi’s Lehr- und Wanderjahre が出たのが 1880 年。続編のHeidi kann brauchen, was es gelernt hat が出たのが 1881年だった。 [初フランス語訳](http://www.e-rara.ch/sikjm/content/titleinfo/5337916)は 1882 年。原著の版元 Gotha: Perthes が出版していて、訳者は不明。Heidi’s Lehr- und Wanderjahre のみの内容。 [英訳は1885年](http://www.e-rara.ch/sikjm/content/titleinfo/5320749)。訳者は Louise Brooks。出版社は Couples, Upham, and Company,The Old Corner Bookstore, 283 Washington Street, Boston.巻末の広告の価格がドルで書かれているので、間違いなく、イギリスではなくてアメリカのボストンだ。こちらは前編と続編両方の合冊になっている。これがおそらく最初の英訳。そしてハイディを世界的に有名にした本なのだろう。 > From the pleasant village of Mayenfeld a path lead… 続きを読む »
ヨハンナ・シュピリ初期作品集
ヨハンナ・シュピリ初期作品集 * 価格 1800円(税別)* ISBN 978‐4‐7734-1000-6* 著者 ヨハンナ・シュピリ(訳・田中紀峰)* 発売日 2016/2/27* 四六判(130mm×188mm) ソフトカバー 292ページ* 発行 夏目書房新社* 販売 垣内出版 初版第一刷の誤記・誤り等 p. 4 (p. 49 も同様) > できるだけうまく話してみましよう → みましょう p. 55 (p. 232 も同様) > DAHEIM UND FREMDE → DAHEIM UND IN DER FREMDE p. 85 (p. 240 も同様) > AUS FUÜHEN TAGEN → AUS FRÜHEN TAGEN p. 210 > 直訳すれば「地上の小さな寝床に憩え(zur Ruh ein Bettlein in der Erd)」 Paul Gerhardt の[Nun ruhen alle Wälder](https://de.wikipedia.org/wiki/Nun_ruhen_alle_W%C3%A4lder)に見える句だが、 > Nun geht, ihr matten Glieder,geht hin und legt euch nieder,der Betten ihr begehrt.Es kommen St… 続きを読む »
神鹿、死刑
昔、神鹿を殺すと死刑になった、といわれているのだが、ちょっと信じられない。 常識的に考えて、あり得ないことだ。 信長が神鹿を殺した者を密告させて、処刑したという記録があるそうだ。 しかしこれはおそらく、奈良の鹿を組織的に密猟した者がいて、処罰したという意味であろう。 たまたま過失で鹿を殺してしまって、それでただちに死刑になるはずがない。 だいたい誰が死刑を執行するのだろうか。 春日大社の宮司? そんなはずはない。 東大寺か興福寺の僧兵?まさか。 江戸時代の奈良奉行や京都所司代、あるいは寺社奉行ならば幕臣だが、 幕府の役人が鹿を殺した程度で人民を処刑するはずがない。 鎌倉時代の北条氏、室町幕府ですらそんなことをするとはとうてい思えない。 鹿の密猟というのは寺社領でなくともよくあったことだろう。 その首謀者は、場合によっては死刑になることもあっただろう。
最近体調が悪いのは、 心臓の具合が悪いとか、 年をとったからということもあるかもしれんが、 たぶんアーチストという薬を飲んでいるせいだ。 [服用を忘れたときに、2回分をいちどに服用すると血圧が下がりすぎて、めまい、転倒をおこすこともあります。飲み忘れたときは、その分は抜いて、次回から正しく飲んでください。](http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/kusuri/1428/m0u/) アーチストは血管を広げて血圧を下げ、これによって心臓の負担を軽くしている。 しかしながら、よく立ちくらみするようになった。 しばらくすると体が慣れたのか立ちくらみすることはほとんどなくなった。 しかし電車に長く立っていると気分が悪くなってきて、冷や汗が出てくるようになった。 たぶんアーチストのせいだと思う。 座っていれば特に問題ない。 短い時間なら問題ない。 歩いてるのは全然平気。しばらく山歩きしても、息が切れるとかそんなことはない。 でまあ、電車やバスではできるだけ座るようにしているのだが、 本来は私のような人間が優先席に座ってよいはずだが、見た目は健常者なので、席を譲ってもらうのは難しい。 アーチストの量を減らしてもらいたいとも思うが、それで心臓に問題が出ても困る。 でも減らしても全然平気なのかもしれない。 血圧というのは多少高いくらいが体調は良いものだ。 がんがん遊びたく… 続きを読む »
「虚構の歌人」に載せた自詠の歌の一つに致命的な文法上のミスを発見してしまった。 恥ずかしい。しかし印刷したものは直せない。 まあ、人間は過つものだよな。 > しぬばかり 酒飲むことも ありけむや いまはおぼえぬ わかかりし日に > 世の中の 人とたはぶれ 酔ひしれて 歩くはおそろし 老いにける身は 年取ったせいでなんとなく昔より文章が書けるような気がしたのと、 これ以上年取ると頭ぼけてくるから急がないとってのと、 死に損なったので、 慌てていろいろ書いたりしたのだが、 まそれも一段落して、 すでにこれまでに書いたものをかき集めただけでも、 後世の人は私がどんな人だったかってことはわかるはずで、 これからさらになんか書いたからって世の中に何かをよけいに残せるわけではない気がする。 小室直樹も「ソビエト帝国の崩壊」より後は書いても書かなくてもよかった。 50歳前に死んでいても小室直樹は小室直樹だったはずだ。 むろん一時期テレビに出てたことや、その後の著作活動なんかも、 彼を有名にし、世の中に彼の評価が定着する役にはたったわけだけども、 本質的な部分は、「ソビエト帝国の崩壊」と、そのあとの「アメリカの逆襲」あたりまで読めば十分なわけだ。 そうしてみれば、私がこれから多少頑張ったところで、 或いは本の部数が多少増えたところで、大したことはなくて、 むしろいかに何もせず、自分が楽に生きるかっ… 続きを読む »