ネタのかぶり
『墨西綺譚』を今読み返すと失敗したなと思うよ。 とにかく、登場人物が多すぎる。 書く方は最初から頭の中に登場人物もストーリーもできあがってから書くわけじゃないですか。 だから、書き残しても自分は脳内補間できちゃう。 自分ではどこが説明不足か気づかない。 必要十分に書いていても、 読者はたいてい一度しか読まないから、 もっと冗長に書いてあげないといけない。 くどいくらいに。 何十回も読めばたぶんわかるんだが、そんなことふつう読者はしない。 一度さらっと読んで残った印象で判断する。 しかし、くどく書きすぎたらストーリー展開がだらけるんじゃないかと心配で、 つい話をはしょりすぎてしまう。 逆に自分では気づかないところでくどくど書いてしまう。 私の場合愛読書が『日本外史』だったから登場人物が多すぎるのはむしろ当たり前なんだが、ああいうのは小説にはあり得ないわけだよね。 『墨西綺譚』だけでなくて他の私の書いたやつも読むと、 部分的にキャラかぶってたりネタかぶってたりするから、 なんとなしにどんな人がモデルだったのかとか、 どんな体験に基づくのかとか見えてくると思うが、 そこまで読んでくれる人も滅多にいない。 私自身はできるだけネタかぶらないようにしているが、 どうしてもかぶる。 以前はここかぶってるねと指摘されるのが怖かったが、 実はそこまで読んでくれるひとはめったにいないってことがわかって… 続きを読む »