月別アーカイブ: 2006年6月

脳と視覚

乾敏郎「脳と視覚」という本を読んでいたのだが、眼球運動は固視と視点移動(サッケード)を繰り返していて、固視のうちの0.1秒くらいしかモノを見ていない。 それに続く0.2秒くらいはモノを見てないで、視点移動したりキャリブレーションしたり画像処理したりしている。 つまり人間の脳内実時間画像処理というのはせいぜい3fpsくらいしかない。 もしグラボと脳が完全に同期とれれば60fpsとか120fpsとか必要ない。 3fpsで描画しても認識には問題ないということになる。 盲点は見えない。 網膜上の血管も見えない。 サッケード中の動きボケ画像も見えない。 焦点を合わせている途中のピンボケ画像も見えない。 すべては無意識のうちにキャンセルされている。 最終的にできあがった画像だけを我々の「意識」は見ている。 しかし明らかに「無意識」はそれらの画像を見ているし、認識もしている。 「無意識」がどのくらい「没入感」や「臨場感」に影響を与えているだろうか。 「無意識」が距離や動きなどを認識しているのは明らかだ。 無意識がキャリブレーションできないで意識がソレを見ると3D酔いなどの現象になる。 無意識を欺けば錯視になる。 無意識を欺き続けると意識が混乱し脳は壊れるかもしれない。 このように視覚というものは非常に離散的なものなのだが、聴覚も同じらしい。 音は連続に聞こえているように思えるが、短期記憶に音声が… 続きを読む »

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久しぶりにエヴァを見る。

さすがTV放映だけあってセルがほとんど動かない。が、静止画を多用しているわりにはきちんと動かしているように見える。これが日本式セルアニメの極意なんだろうな。ハイジなんかも実はあまり動いてない。しかしあまりストレスを感じない。 日本人の動画だけ使って、毎週TV放映して、 3DCGやAfterEffectsなどソフトの力を借りず、極力静止画を使うことで労働力を省く、それでいてきちんと動いているように見える、そんな最後の究極のセルアニメがエヴァだったのかもしれない。そんな気がする。 思うにイノセンスはエヴァに嫉妬したのだろう。エヴァみたいに静止画を多用してパンと口パクだけでごまかして、それでも躍動して見える、エヴァやハイジを超える日本セルアニメの最高傑作を作ろうとしたのかもしれんが、見事に失敗した、という例なのではないか。バトウの口パク論語読みにはぶち切れそうになりました、私は。 ジブリにはそんな気負いはない。ともかく動かすものはなんでも動かす。だからエヴァとは対立しない。ディズニーみたいに何でもかんでもぐにゃぐにゃ誇張して動かすわけでもない。だからディズニーとも対立しない。 最初にエヴァを見たときそんなこと考えもしなかったのになんで今はそう思うか。破裏拳ポリマーを昔見ていた時には動きが悪いなんて思わなかったのに、今見ればストレス感じまくるのはなぜなのだろうか。

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