[日本外史全巻](http://8.health-life.net/~susa26/zakkityo/nihongaisi/)
読み下し文pdfで公開されている。
これはすごい。
ところで徳川正記徳川氏を読み始めた。
他の箇所はだいたい読んでしまったので、気分転換。
長い。
しかも必ずしもおもしろくない。
分量としては日本外史全体の四分の一を占める。
しかしまあ、江戸時代の武士にはこれが必修科目だったのだろう。
かつこれを付けることによって、全体の印象として、
かなりマイルドな感じになる。
幕府にとって危険思想な感じが薄れる。
徳川家康の呼び名が嗣君から始まってどんどん変わっていく。
これまた他の箇所とは違って特別扱い。
八幡太郎や鎮西八郎の時代の話というのはずいぶん伝説っぽく、
後から作られたり補完されたりしたのであろう。
人間関係や話の流れがかなりはっきりすっきりしているのは、
そもそも史実に乏しいからだろう。
義経の話などは義家よりもかなり具体性がましてきたが、まだまだ伝説っぽさが残っている。
やはり後世とくらべて圧倒的に史実が伝わってないからだろう。
太平記の時代になると伝説的説話的な話も残っているが、
ドキュメンタリー的なリアリティがずっと増してくる。
応仁の乱までくると今度は史実が多すぎて話にまとまりがない。
実際、ほんとうの戦争というのはこのようにとりとめのないものかもしれん。
徳川氏の話などはもはやくどくて長くてたいくつとしか言いようがない。
このように日本外史を通して読んでみると、
同じ武家の歴史でも、伝説の時代から史実の時代まで、
連続なグラデーションではあるが、
そうとう異なるソースからできていることがわかる。
それらを無理矢理ひとつの話にまとめようというのだからかなりな無理がある。
と、いうことはやはり通して読んでみないとわからんことなのだよな。