バッドエンド
「パーフェクトストーム」はアメリカ映画には珍しいバッドエンドで,軽い衝撃を受けた. 普通のアメリカ娯楽映画なら,たとえば主人公のうちの一人くらいは大波を乗り切って救出される,などの救いが残されているものだが,この映画では乗組員全員が行方不明になるのだ…. ラストシーンはお葬式でみんなが泣いている…. ハリウッド特有のぐいぐい引き込む手法でバッドエンドに持って行かれるとなかなか辛いものがあるかも. ていうか,どうせハリウッド映画だから,ピンチでも助かるだろうと油断してたところで不意打ちをくらった,というべきか. 追記: パーフェクトストームは事実に基づいているので、ハッピーエンドにしようがなかったということだろう。 伏線がなかったとは言えない. 「オレたちゃ男だ!」とか時代錯誤的で無謀なことを言うやつは,アメリカ映画では死ぬことになっている. 特攻精神をちょっとでも賛美したら,パールハーバートラウマ的に罰せられるのだ. これはジャンヌダルクにもちと当てはまる. インディペンデンスデイでも特攻するやつがいるが,アメリカ人が特攻するには何重にも理由付けが必要なのである. 犠牲対効果が極めて大きい,機体が故障した,別に犯した罪をつぐないたい,冷静な自意識によって判断した結果,などなど. カミカゼとキリスト教的殉教は違うんだ,という冗長で神学的な説明付けが必要なのであり(大した差はないと思う… 続きを読む »