月別アーカイブ: 2014年2月

ポントスとボスポロス

[へレースポントス](/?p=14070)にポントスは固有名詞なんじゃないかと書いたのだが、 昔黒海にはポントス王国というものがあったようだ。 またアゾフ海からクリミア半島あたりにボスポロス王国があった。 イスタンブルの海峡をボスポラスというのだが、どういうつながりがあるのだろうか。 wikipedia > ボスポラスとは「牝牛の渡渉」という意味で、ギリシャ神話の中で、ゼウスが妻ヘラを欺くため、不倫相手のイオを牝牛の姿へ変えるが、ヘラはそれを見破り、恐ろしいアブ(虻)を放った。そのためイオは世界中を逃げ回ることになり、牛の姿のままこの海峡を泳いで渡ったとされる。 > bous βοῦς ‘ox’ + poros πόρος ‘means of passing a river, ford, ferry’, thus meaning ‘ox-ford’, よくわかんねえ。 英語の ox-ford と同じとか言ってる。 また、ポントスというギリシャ神話の海の神がいるようだ。 クリミアという地名はロシア語で、ギリシャ語ではタウリカというようだ。 またケルソネソスという言い方もある。 c.f. パンティカパイオン、スキュタイ。

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貫之と定家

知り合いに[大塚英志](/?p=13903)についてこないだブログに書いたでしょとか言われて、 最近たくさん書き散らしているのですっかり忘れていたが、 たしかにそんな人の話を書いた。 その知り合いというのは私の話の中にもちょくちょくモデルとして出てくる。 直接そのまんまではなくて、 彼のパーソナリティの一部がある人物のパーソナリティの一部として使われていたりする。 そんで彼といろいろ話をしたのだが、 私はkindleで旧作を含めて割とたくさん数を出している方だと思う。 また、ジャンルも割とあれこれ試しに書いてみて、1年経ってみて、 彼の話など聞きながら客観的に分析してみたのだが、 やはり、小説というのは売れるのはラノベである。 中学卒業高校受験くらいの知識で読めるものがストライクゾーンである。 大学受験だと難しすぎる(源氏物語を原文で読めるやつなんていないし、 今年のセンター試験の問題とかあり得ない(笑))。 蘊蓄本や解説本、歴史小説を書くのはよい、 本を読むことで中学か高校で昔習ったなというような曖昧な知識を掘り返して知識欲を満たしてくれるような本は売れるが、それより難しい本は、要するに売れないと。 そこでまあ聞いてみたのだが、 では、 紀貫之と藤原定家はどちらが有名か、 というと、紀貫之の方がずっと有名らしい。 でも定家は小倉百人一首とか作ったよね、とかいうとそれはそうだが、 … 続きを読む »

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1185か1192か

1185年は平氏が滅んだ年である。奥州藤原氏はまだ滅んでいない。 義経もまだ討たれてない。 諸国惣追捕使とか守護とか地頭とかいうのは必ずしも1185年に始まって、また、 この年に確立したとも言えない。 どちらかと言えば緊急時の臨時措置とみられていた。 そして鎌倉幕府の軍事力や警察力が確定するのは明らかに承久の乱においてである。 実質的な幕府の成立というのであれば、1221年の承久の乱であるべきであり、 平氏が滅んだ年では結局、説得力としては、源平合戦の域を出ていないのだが、 そもそも源平合戦という言葉が嫌いで、治承・寿永の乱と言い換えたがる学者の方々は、 そんなことで良いんですかと言いたくなる。 [徳川慶喜と勝海舟](/?p=3111) で書いたのだが、 少なくとも勝海舟は、武家政権というのは、源頼朝が征夷大将軍に任ぜられて、 徳川慶喜が大政奉還したときまでだという認識であった。 頼朝三代とその後の宮将軍、室町将軍、徳川将軍というものがつまりは幕府なのである。 武家の棟梁が天皇に征夷大将軍に叙任されることで、オーソライズされている状態、それが幕府。 武士が実質的に政権を掌握している状態を幕府であったとは考えていなかったと思う。 1192という年はただ頼朝が征夷大将軍になったというだけの年ではない。 武士の共通認識、日本人の伝統的な歴史観、 象徴的な意味での鎌倉幕府の始まりはやはり1… 続きを読む »

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フィクション

でまた小林秀雄ネタなんだが、彼がどこかで、将棋の手を次にどこに打つかというのを、 プロの棋士は時間をかけて考えるのだが、 あれはどこに打とうかと考えているのではない。 どこに打つかというのは最初に直感的にわかっていて、その手が正しいかどうかを、 じっくり時間をかけて考えているのである、 本居宣長の連載が11年半かかったのも、 本居宣長という人がどんなひとかというのは最初から直感的にわかっていたが、 それが正しいかどうかを検証するのに時間を要したからだ、などと言っている。 なんだ結論ありきでつじつまあわせようとしてるだけじゃん、と思われかねない話ではある。 将棋のことはよくわからない。 たぶんそうなんだろう。 フィクションというのは、直感による飛躍があるため、 論文にできない場合に使う手法だと思っている。 たとえばマックス・ウェーバーは、プロテスタンティズムと資本主義は似てるな、 なんか関係があるのに違いないと着想したが、そのままだと単なる思いつきなんで、 プロテスタンティズムと資本主義の因果関係を立証するために長い長い論文を書いた。 そんなもんかと思う。 でまあ私も小室直樹がマックス・ウェーバーは偉いとか、 社会学上の定説だなどというから、なるほどそうだなと思っていたが、 しかし、所詮は定説、学説であって、真実と言えるほど確かかと言われれば怪しい気がしてきた。 小室直樹もこの年にな… 続きを読む »

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smart tv boxその後

1TBの外付けHDDだとやっぱりあっという間に録画一杯になっちゃいますよ、お客さん。 そんで3TBのHDDを買って来たが、なぜか認識しない。 あれっと思ってもとの1TBのに付け替えてたが、認識しない。 答えは、挿す場所を間違えた。 USBポートは何箇所かあるんだが、その一つしかつながらない。 なんでこんな仕様になってるのかと問い詰めたい。 説明書には1TBから2TBまでのセルフパワーのHDDしか使えませんよと書いてあり、 じゃあ3TB買ってきた私の立場はと思ったがなぜかちゃんと2.7TB認識している。 じゃあ3TBでもふつうに動くんじゃね。 しばらく使ってみる。 あとUSB3.0のセルフパワーのハブは必須。 4台まで同時につなげるので5ポートのハブ買ってくれば良いわね。 そんでまあ、これまではインターネットはbflets使ってたわけだが、 これはインターネット専用線で固定IPだっただけあって安定してた。 smart tv box はテレビと電話とインターネット兼用である。 全部パケット通信なわけだから、インターネット専用線と違わないように思うのだが、 たまにおかしくなる。 テレビの回線もごくたまにおかしくなることがあるがあれの巻き添えなのか。 今年も去年も正月にいきなりCATVが見えなくなることがあった (正月くらいしかテレビ漬けにならないからでもあるが。ふだんはほとんどテレビ見な… 続きを読む »

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コレステロール

二ヶ月に一回くらい血液検査を受けているのだが、 ずっとコレステロール値が高いままで、 結構歩いてみたのだが、全然効き目がない。 運動して筋肉つけても、食事でも、体重でもないとすると、 体内で勝手にコレステロールが合成されている状態なわけで、 コレステロールの合成を阻害する薬を飲むしかないんじゃないかと思うのだが、 腹にまだ取れない肉ポーチがついているのは事実なんで、 まずはあと5kg体重を落としてみて、それでダメならもう薬飲ませてもらう。 一日三食規則正しく食事を摂るというのもやってみようかと思う。 とりあえずやれることは全部試してみないとな。

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民葉和歌集

またまたタイトルを変えてしまった。 [民葉和歌集](/?page_id=4504)。 なんか民謡みたいで変な感じではあるが、 逆に変に作った感じはなく、誰もまだ使ってないみたいなので、 これでしばらくいくことにする。 [民葉和歌集仮名序](/?page_id=4505)を改めて読んでみても、 タイトルとそんな違和感ない。 「くにたみのよろづのことのは」みたいな。 そもそも「くにたみ」なんてのは古語にはなかったと思う。 幕末になって「国民」という概念が輸入されて、 それを大和言葉に翻訳したものだ。 だから時代精神的には適合している。 これ書いたのはおよそ四年前なんだが、 このころのブログを読み返してみると、 丸谷才一の何かを読んだ後孝明天皇御製集を借りてきて読んだようだ。 そんで孝明天皇が勅撰した御製集があったらどうかということを思いついたようだ。 [架空勅撰和歌集](/?p=4494)。 この頃はすでに小説も書き始めていた(将軍放浪記とか)がまだ主に歌を詠んでいたころ。 ていうか幕末から明治初めに活躍した歌人、 というのは、探せばけっこういる。 八田知則とか井上文雄とか橘曙覧とか。 探すのはそれなりに大変だが。 勅撰集を作るわけだから、 それまでの21代の勅撰集に漏れた古い歌をいれるのはいっこうかまわないわけであり、 それこそ柿本人麻呂とか藤原定家の歌を混ぜてみるのもおもしろい。 … 続きを読む »

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一手間かけた

ルネサンス期にイタリアで描かれたヴィーナス像 (ボッティチェッリ作「ヴィーナスの誕生」)では、 アフロディーテーの髪は腰まである長い金髪、瞳は褐色、 ということになっているが、 古代、ギリシャやシリア、フェニキア人の髪の色は褐色か黒、 目の色も黒かったと思う。 大理石の彫像しか残ってないから色はわからんわけだが、 着色されていたらそうなっていたはずだ。 私はエウドキアは黒髪、黒い瞳が似合うと思うんだがどうよ。 なんかインドかペルシャの女王(アラビアンナイトに出てきそうな)みたいだよな。 まそれで合ってるんだが。 或いはこの図像には後光がさしてるから観音様にもみえなくもない。 ふつうの日本人がただこれを見ただけだと何に見えるのか知りたい。 ゴッドファーザーに出てくるアポロニアという女性もほとんど黒髪黒瞳だわな。 [Apollonia Vitelli](http://godfather.wikia.com/wiki/Apollonia_Vitelli)。 シチリアか。名前はギリシャ人っぽいよね。 シチリアだからギリシャ系でも全然おかしくない。 単なるフォトレタッチではなくてほんとは3DCGで挿絵描きたいんだが、 手間がかかりすぎて実現不可能だと思う。 もとのモザイク画は実はゾーエーという別の女帝なんだけどね。

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れ+ぬべし

小林秀雄の『西行』を読み返しながらふと気になった。 西行はそこまで一気に清盛に語った。 「おまえはつまり、たった一人の女のために家を捨て、世を捨てた、そういうのか。」 「悪いか。」 「いや、悪くはない。だが、未練はなかったのか。」 「未練か。 惜しむとて 惜しまれぬべき この世かは 身を捨ててこそ 身をも助けめ (未練だと。この世に未練のないはずもない。だから、出家して、未練を断ち切ろうとしたのだ。) だが、俺ほど未練な男もあるまいよ、たった一人の女にな。おまえは、病を得て気弱になったから出家したといった。俺もまた不治の病に罹ったのだ。十分出家する理由になろう。」 『西行秘伝』の中でわざわざ和歌を現代語訳したのはこの箇所だけなのだが、 つまりはほかの歌はある程度素養があれば現代語訳しなくても意味はわかるがこの歌は難しい。 一番難しいのは「惜しまれぬべき」の解釈である。 この歌は「山家集」には見えず、したがって西行の真作ではない可能性が高い。 「鳥羽院御時、出家のいとま申すとてよみ侍りける」または「鳥羽院に出家のいとま申し侍るとて詠める」 などの詞書がついているので、鳥羽院のもとへ西行がいとまごいに来て、院から「惜しくないのか」 と尋ねられ、「そのように惜しまれるような私の人生でしょうか」と返事をした、 と解釈するのが正しいらしい。 西行と鳥羽院ならこんなやりとりがあったであろうと後… 続きを読む »

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日神論争

[日の神論争](/?p=14161)、[日の神論争2](/?p=14179)の続き。 「日の神論争」と書くのがうざいので、 比較的ましな「日神論争」と書くことにする。 宣長、秋成双方が「日神」という語を用いていることを確認した。 [上田秋成の神霊感](https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&ved=0CCkQFjAA&url=http%3A%2F%2Frepository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp%2Fdspace%2Fbitstream%2F2261%2F25975%2F1%2Frel02405.pdf&ei=19UKU7yBFYnZkAWD-4D4Aw&usg=AFQjCNGwyxSZHlud86bjE6-FVagYzcuGEg&sig2=TtiUTnhRRyH5ujXDAYClFw&bvm=bv.61725948,d.dGI)を読んで思ったのだが、 宣長と秋成の本質的な違いは、 宣長が一神教的な信仰のことを言っているのに対して、 秋成は一神教は間違いであって多神教的態度が正しい、と言っているところだと思う。 世界的には宣長みたいな人のほ… 続きを読む »

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