なぜか安彦良和の「麗島夢譚」というマンガを読んだ。
麗島というのは台湾のことらしいが、
処刑された天草四郎は替え玉でオランダ人に台湾のゼーランディア城につれていかれる。
そこにはなぜか宮本武蔵がいる。
当時の台湾だから当然平戸から鄭成功がやってくる。
なんかもうすげえ。
しかし、「三河物語」とか「王道の狗」のような地味なストーリーの原作では良い味出す安彦良和ではあるが、
「ジャンヌ」とか「神武」とか「ナムジ」などの自由度が大きくて歴史上の英雄を主人公にした途端とんちんかんになってしまう。
「虹色のトロツキー」はけっこう危なかったがなんとかまとまった感じ。
彼が「麗島夢譚」のようなマンガを描きたい気持ちは良くわかる。
しかし、鄭成功と宮本武蔵と天草四郎をどうやって一つのストーリーにまとめるのか。
無茶だろ。
救いは、どうやら、主人公は平戸松浦党の名もない一青年だというところか。
月: 2009年1月
オネアミスの翼
久しぶりにオネアミスの翼を見た。
前見たときとは全然違うところに感動した。
絵がマクロス。
マクロスの作画ですよねこれ。
しかも、人物描いてるのはエヴァンゲリオンと同じ人らしいじゃないですか。
全然作風変わってるじゃん。
割と初めの辺りに機体の後ろにプロペラ付けた戦闘機出てくる。
好きだなあと。
まったくマクロスだなあと思う。
ヒロインの顔がまるでマクロス。
液体酸素をタンクに注入したときタンクの表面が徐々に白く凍っていくところなど芸が細かい。
それが打ち上げられるときに氷の破片になって落ちていくところ。
そこは昔感動したシーンだが今回はそうでもなかった。
記憶は常に現実よりもふくらんでいくのだな。
そうだな。
エヴァンゲリオンを見てから見るといろんなシーンがかぶってくるんだよな。
ま、しかし、ロケットは大陸間弾道ミサイルに使えるからあれだけ軍事予算つぎ込んだわけで、
まるで実用性のないやっかいもののように描かれているのはどうかと思う。
ストーリー設定的にあり得なくね。
ブリトニー
ヨドバシのたまったポイント消化でブリトニーのDVDを買ったのだが、
これがまた、
ハワイのワイキキ海岸でやったライブがほんの少しと、
同時にロケで収録したなんとも言えないテンション低い映像と、
そのほか過去の映像のつぎはぎで、
失敗したなと思ったのだが、
amazonのレビューを見るとみんなまあそこそこの高評価で、
ブリトニーファンとしてはこういうぬるーい映像も見ておきたかったのかしもれんなあ。
ブリトニーのDVDで、
グレイテスト・ヒッツ:マイ・プリロガティヴDVDというのがあるが、
これは私が音楽DVDを買い漁るきっかけとなったものすごく良くできたDVDなんだけど、
すべてがこれと同じクオリティで作られているわけじゃあないと痛感した。
ライブのDVDではラスベガス版があってこちらはもう少しライブ主体で構成されているようだ。
今度はこちらを買ってみるかな。
ていうかamazonのレビューみてから買えよと。
思いつきで買うなよと。
啓蒙挿画日本外史
儒林外史を借りてきた。
がまんして読むとなかなかおもしろい。
主人公は次々と入れ替わるのだが、
その一人で范進という人が書いた論文が、
一度読んでも二度読んでもつまらないが三度読むとたいへんな名文に思えたというくだりがあるのだが、
まさにそんな感じ。
辛抱して何度か読むと少しおもしろくなってくる。
それはそうと儒林外史を借りるとき検索して見つけた大槻東陽著「啓蒙挿画日本外史」
というもの。
明治35年発行(初版は明治20年)。
ネットで検索するとなかなかこれは珍本らしい。
大槻東陽という人は日本外史をいくつか出しているようだ。
「啓蒙日本外史」、「訓蒙日本外史」など。
啓蒙、訓蒙ともに啓蒙という意味で、
中等教育に用いられたらしい。
推測するに、「啓蒙日本外史」なるものがあり、それに挿絵を追加した版なのではないか。
平将門や源為朝らの挿絵がなかなか興味深い。
いわゆる漢文読み下し文、ふりがなと簡単な脚注付き。
外史とは天皇家ではなく武家の歴史だから外史というのかと漠然と理解していたのだが、
それでは儒林外史の外史の意味がわからなくなる。
外史というのは外伝というのと同じで、
正史に対する外史、正伝に対する外伝ということなのだろうけど、
意味合いとしては、本来歴史を編纂する立場にない人が勝手に書いた歴史、
とでもいうことか。
単に「別伝」とか本編から派生したエピソード集とか本編に入りきれない拡張版とか、
そんな使い方もあるようだが。
清朝初期に成立したというから、頼山陽も当然読んでいただろう。