月別アーカイブ: 2014年5月

これでも国家と呼べるのか

小室直樹は預言者である。 彼の預言で最も有名なのは「ソビエト帝国の崩壊」だが、 他にもいろんな重大な預言を遺している。 「これでも国家と呼べるのか」は平成八年、つまり、 今から18年前、 1996年に出た本だが、恐るべき預言をしている。 > 日本人はまだ「土下座外交」の本当の恐ろしさを理解していない。 国際法上、みずから謝罪するとは責任を取ることである。 責任を取るとは補償に応ずるということである。 このとき、挙証責任はこっちに押し付けられてしまうのだから、 相手の言いなり以外にどうしようもない。 挙証責任とは何か。 分かりやすい例を挙げておこうか。 > あなたがある日突然、見ず知らずの他人から「借金を返せ」と訴えられたとしよう。 挙証責任がこちらにあるということは、 裁判でその見ず知らずの他人から金銭を借りた事実が存在しないことを、 あなたが挙証・立証しなければならないということである。 もしあなたが大金持ちで、 次から次へと見ず知らずの他人から裁判を起こされたらどうしますか。 > 国際法上、講和条約またはそれに該当する条約(例、日中共同声明、日韓基本条約など)を結べば、 それ以前のことは一切なかったことになる。 もはや賠償の義務はない。 それなのに、日本の方から謝罪したので、 一切が蒸し返されてしまった。 佐藤内閣の日韓基本条約や田中角栄が周恩来に賠償を放棄させた日中共同声明な… 続きを読む »

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ほととぎす

ついさっき、うちの近所でホトトギスの鳴き声を聞いた。 キョッ、キョッ、キョキョキョ、つまり、ホットットギス、みたいな鳴き方。 わりとゆっくり。 ユーチューブでも確認したから間違いない。 のどから血を吐くような声、というわけではない。わりと澄んでいる。 かなりでかい声だが。 時期もぴったりだ。旧暦で言うとさつき。夕暮れ時。 すげえこんな町中にもいるんだな。 竹藪みたいなところだった。 急に親しみがわいてきた。 ここで一つ和歌でも詠まねばならぬところだが、 ホトトギスを詠んだことないので、すぐには出てこない。 > 鳴く声におどろかれけりほととぎす奥山にこそすむとききしか 何かに似てる。そう、「人知れずこそ思ひそめしか」だ(笑)。 > 鳴く声におどろかれけりほととぎす奥山にこそすめと聞けども のほうがいいかな。 係り結び的に。 うーん。 いや、前ので良い気がしてきた。

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酒を適量飲んだ翌朝はやはり体調が安定しているような気がする。 アルコールはエンプティカロリーと言われてて、 脂肪になって体に蓄積はされない。 筋肉を動かすエネルギー(グリコーゲン)にもならない(たぶん)。 しかし、少なくとも代謝されて体を温める役には立っているわけである。 だからアルコールも一応熱量のうちなのだ。 ということは、本来脂肪なり炭水化物を燃やして体温を調整しているところを、 酒を飲めばアルコールが補うわけである。 酒を飲まなければ脂肪なり炭水化物を燃やしたはずだから、 その分体重が減るのは道理だ。 つまり酒のカロリーは基礎代謝に回されているはずだ。 いやむしろ、酒は、短期的に基礎代謝を維持するカロリーとしては最適なのではないか。 体としては楽ができる。 だから、酒を二日に一度くらい、あるいは週に休肝日を一日か二日くらいもうけつつ、 適度に飲めば体の負担は減り体調は良くなるのかもしれん。 酒を飲めば飲むだけ体に悪いのなら酒飲みから先に死んでいき淘汰されるだろう。 人類はしかしそうはなってない。 禁酒して血圧が維持できないよりずっとましな気がしてきた。

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無料キャンペーン

kdpの販売データ一覧ってのがグラフィカルになったからよけいわかりやすいのだが、 無料キャンペーンのダウンロード数というのは、減ってきている。 私の書いたものがだんだんにつまらなくなってきている、とも解釈できるわけだが、 おそらくはkdpの注目度が下がってきているのと、 私の場合、すでに数を出しているから、読まないひとは最初からダウンロードしなくなってきているのだと思う。 kdpはもはやお祭り騒ぎの場ではない。 日常の一部なのだ。 派手なことをやれば目立つという時期は終わった。 新しいことはみんな興味をもつし取材もされるだろう。 新しくなくなるとだいたい人は離れていくし、 新しさもないのに作家活動を続けて生き残れる人はほとんどいない。 だからこそ生き残ることに価値があるともいえる。 小説なんてのは日本でもすでに竹取物語のころからあった。 和歌なんてそれよりずっと前からあった。 今更めずらしいもんでもない。 私は似たような業界にいるのである程度わかるが、 派手さも新鮮さもなくなったネタにいつまでもしがみつく人はいる。 わかりやすい例でいえばHTML (cssやjavascriptを含む)なんかがそうだ。 1995年くらいはほんとに新しかった。 新しさがなくなった後、HTMLは日常になった。 いまや世界中の、名もない子供から年寄りまで何億人という人がHTMLが書ける。 HTMLなんてテ… 続きを読む »

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もっとライトに

酒でたとえると、若者はやはり、アルコール低めの甘いカクテルのようなものが好きなわけです。 自分も最初はカクテルなどから酒の味を覚えはじめ、 だんだん飽き足らなくなって、強い酒や苦い酒、臭い酒を飲むようになる。 微妙な味わいの違いをたしなむようになる。 そっから先は日本では違法だが、 なら自分で自分の好きな酒は造ろうなどと考えるようになるだろう。 私が書いている小説というのはたぶんそういうものだ。 だから重い。 難しいというより、重い。 中年オヤジ特有の重さだ。 泥炭臭い、木香の強い、シングルモルトみたいな味。 嵐が丘で農夫が自分で適当に樽でエールを醸してジョッキに酌んで飲んでる。 もちろん常温だ。ぬるくて苦い。 たぶんまずいだろう。 だがそんなものも一度は飲んでみたいと思うのがオヤジだ。 まずくても自分で作ったものが飲みたい。 工業製品ではない、当たりはずれのある、自然と偶然の産物が飲みたい。 近代以前の、家内制手工業みたいな状態に立ち返ってみたい。 現代社会に生きているある種の反動なのだろう。 自分でもしかし普段は軽い酒を飲むし、 飲みすぎれば限りなくウーロン茶に近いウーロン割りを飲んだりする。 体の調子が良くないというか不安定なのでノンアルコールビールやホッピーの外なんか飲んだりする。 軽い酒はそういう飲み方もできる。 BGM代わりにテレビをつけっぱなしにしているようなもの。 … 続きを読む »

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自衛隊機の夜間飛行差し止め

[自衛隊機の夜間飛行差し止め 厚木基地の第4次騒音訴訟で初判断 横浜地裁](http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140521/trl14052114480002-n1.htm) 近隣住民の一人として言わせてもらえば、 まったくなんの意味もない判決だ。 22:00から6:00まで戦闘機は今現在ほとんど飛んでいない。 少なくともうちの近所では。 自衛隊機だけで米軍機を差し止めないのでは意味がない。 二重の意味で意味がない。 P3Cみたいな静かな飛行機は別に飛んでも良い、と思う。 偵察機や対潜哨戒機なんてのはもともと静かなんだよな。 プロペラの音はのんきだし、ジェットエンジンでもすごいしずか。 輸送機は図体はでかいがプロペラで割と静か。 新聞社のヘリコプターのほうがずっと迷惑。 ファントムもまあ許す。 しかし、最近になって飛び始めたスーパーホーネット。 あれはキチガイだ。 次から次にうるさい戦闘機が開発されて、 どんどん騒音がエスカレートしていくのであれば、 そりゃだまされたと思うわな。 今でさえ引っ越したいのにもっとうるさい戦闘機が配備されたらどうしようって思うわ。 だから、戦闘機は飛ばしてもいいから、 ある一定の騒音の基準をきめて、それを越えないでほしい。 スーパーホーネットF18とか論外。 どんくらいうるさいかというのはなかなか比較できないん… 続きを読む »

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海賊王ロジェールその2

続編の話ではなくて昨日書いたことの続き。 いつものことながら書いているうちに歴史を調べ地理を調べしてどんどんプロットが変わる。 日本人がほんわかと思っている西洋とかキリスト教に関するイメージをたたき壊すようなそんな作品になってしまった。 そういう意味ではハイジのイメージをぶちこわしにするデーテとかフローニと同じたぐいの作品になった。 なんか怒られそうで今から怖い。 ワンピースみたいな海賊冒険ものを想像して読んだ人も、唖然とするだろうと思う。 たぶん私の中には日本アニメに反逆してやろうという気持ちがあるね。 書いていてそう気づく。 ただまあ、ほんとに西洋やキリスト教を知っている人には、 逆に支持してもらえると、信じてるよ? 高校生の頃からしばらく完全に小室直樹の影響下にあったからな。 やっぱこういうふうになるわな。 宮崎市定とかもだな。 だいたいアルメニア人とかクルド人とかグルジア人とかアゼルバイジャン人とか良くわからんのだよね。 そういう意味では安彦良和はあんなに昔によく「クルドの星」を書いたと思うよ。 ユダヤ教とアルメニア教会は良く似ていると思った。 メジャーな一神教はキリスト教やイスラム教のようになるが、 マイナーな一神教はユダヤ教やアルメニア教会のようになるんだなあと思う。 そしてメジャーなようにみえて一神教の内部も宗派によってこまかく対立しているのだ。 その理由は主に、宗教… 続きを読む »

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海賊王ロジェール

今書いている海賊王ロジェールは、 割と計算尽くで書いたものである。 いくつもキンドルで本出しているとだいたい傾向はわかってくる。 私の書いたものの中では、日本史ものよりも世界史ものの方が読まれる。 エウメネスだけでなくエウドキアもわりと読まれている。 これらに比べると日本史ものは全然読まれてないと言っても良い。 洋物でも、フローニとかデーテはあまり読まれてない。 世界史、特にギリシャ関係の話は、受けるらしいのである。 といってめちゃくちゃ売れているわけではないが、 どうも私はしばらくの間はギリシャものだけ書いて、 こつこつ読者を獲得していればいいんじゃないか、とすら思う。 世界史は複雑だ。 情報量が圧倒的に多い。 できるだけたくさん集めておいて、 ストーリーに直接絡まない部分を大胆に捨てる。 教科書的、ウィキペディア的な記述にならないように。 かといってディテイルを落とさないように。 正直難しいが、その分やりがいがある。 今回かなり作って書いている。ある程度技を覚えたともいえる。 も少し若い頃から書き始めていればよかったとも思える。 「紫峰軒」や「スース」「超ヒモ理論」「安藤レイ」なんかはわりとさらっと書いている。 普通の現代小説(でも、あまり読まれてない?)。 我ながら同じ作家の作品ではないなこりゃと思う。 言っちゃ悪いが新人賞に応募してもほとんどなんの反応もない。 パブーに公開… 続きを読む »

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て居り

喜田貞吉[サンカ者名義考](http://www.aozora.gr.jp/cards/001344/files/49822_44667.html) を読んでいると、平安朝末期の散木奇歌集に > うからめは うかれて宿も 定めぬか くぐつまはしは 廻り来て居り という連歌があるという。 散木奇歌集とは何かというと、源俊頼の家集であるという。 どうみてもこれは連歌というよりは、一種の和歌だが、 私がびっくりしたのは「てをり」で、こんな現代短歌みたいな言い方が平安時代からあったのか。 慌てて検索してみるが、[和歌データベース](http://tois.nichibun.ac.jp/database/html2/waka/waka_kigo_search.html)にはこの一首のみらしい。 他にも変な歌がいくつかある。 > くひほそく いほししりして たちなほれ いなごまろびて みぞにおちるな > たかうなと たかしはいはで もてまゐれ きしにおひたる たてきしたてて > くろをとこ くろとのほとに おとすなり ひこのしろぬし ゆきたかかるい 源俊頼はごくまっとうな歌人である。 それが「傀儡回しは廻り来て居り」とか「イナゴまろびて溝に落ちるな」とか「もてまゐれ」などと歌に詠むだろうか。 信じられない。 これらは明らかに俗謡であろう。 俊頼が戯れに詠んだか。あるいは、民間の歌を収録したのか… 続きを読む »

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なみより出ででなみにこそ入れ

武蔵野の広漠とした風景をうまく表した歌 > むさしのは 月の入るべき 山もなし 草より出でて 草にこそ入れ これは江戸時代の俗謡で元は、藤原通方という人の歌 > むさしのは 月の入るべき 峰もなし 尾花が末に かかる白雲 であるという。採られているのは続古今集。 しかし、土佐日記に出てくる歌 > 都にてやまのはに見し月なれどなみより出ででなみにこそ入れ にも似ている。 合わせ技なのだろう。 藤原通方という人はよくわからんが、定家と同じ時代の人だったようだ。 通方の歌を指摘した人はいるようだが、 土佐日記に言及した人はいないように思う。

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