青空文庫的有料キンドル本

青空文庫とは限らず、
著作権切れの本を、無料でキンドルで読むにはという話は割とみるが、
有料でも良いからキンドル本で買いたい、という話はあまりまだないようだ。

与謝野晶子訳の源氏物語は買った。
青空文庫だと「桐壺」「箒木」みんなばらばらなのを一冊にまとめて100円。
まあ買っても良いかな。
昔電話帳みたいなの高い金出して買ったが家が狭いので捨てたくちなんで、まあいいかな。

レ・ミゼラブル。まあこれもちまちま青空文庫で読んでもいいんだが、
キンドル本で一冊にまとまって47円。
まあ買ってもいいんじゃないのかという気がする。

赤と黒とかパルムの僧院とか。スタンダールは好きだから、100円なら買っても良いと思うが、
まだ著作権切れてなさそうだな。

永井荷風全集とか菊池寛全集が100円なら買ってもよい。

50円とか100円なら買って良いというものは割とある。

頼山陽全集なら1000円以上でも買うんだがなあ。
まあどこもださないだろうなあ。
当分。
『司書夢譚』でも書いたんだが、『儒林外史』とか『紅楼夢』とかあの辺の中国の長編小説の和訳が出てくれると助かるのだが。
何しろかさばるし重いし。
そうだなあ。1000円でも買ってもいいかもしれんね。
まあどこも出さないだろうなあ。

勅撰21代集全集とかあれば、まあ、2000円出してもいい。
絶対出ないがね。

今回の『古今和歌集の真相』だが、ダウンロード数では今までで一番になった。
落としている人はおそらくいつもの無料キャンペーンで取り合えず落としとく人だと思うが、
それ以外に、どうも一般の教育者が読んでるのではないかという気配がある。小中高の教員とか。
アマゾンのおすすめリストとか見てると。
でまあ断言できるが、小中高校の教員は私の小説をおもしろいとは絶対思わないだろうと思う。
古今和歌集の評論なので仕事のネタとして一応読んでみようかと思ったのだろう。

古今和歌集の研究者はキンドルの無料キャンペーンなどそもそも読んでないと思うし、
そんな研究者は日本に数人しかいないだろう。
大学生はたくさんいるかもしれんがやはりそういう国文系の学生はキンドルは読んでないと思う
(いや中にはいてもおかしくはないんだけど一般的傾向として)。

どうもキンドルはストライクゾーンが狭くて困る。
未だに紙の本しか読まない人が多すぎる。
時代が変わるのにもう少し待たないといけない。
[紙の本は死ぬ](http://cpplover.blogspot.jp/2013/10/blog-post_24.html)
とか言われているうちはまだ死んでない。
死ぬのはおそらく十年くらい先だ。
今の紙の教科書もいずれはタブレットに置き換わる。
小学校では、そろばんや書道をやるように、古典的メソッドをなぞるという意味で、紙の教科書を使い続けるだろうが、
それ以外はもういちいち紙とかやってらんなくなる。

大学では未だに黒板にチョーク、ホワイトボードにマーカーという授業をする人がいる。
昔はOHPシートでやってた。
ダメとは言わない。徒手空拳でも授業ができるというフェイルセーフな意味では良いのかもしれん。
むしろ階段教室で黒板とチョークだけで授業ができるというスキルは、大学教員としてもってなきゃいけないのかもしれん。
eラーニング(笑)とか言ってるやつはろくなのいないしなあ。
私も小学生の頃「機器室」というところで授業を受けたが、今も機械に振り回されて本質を見失ってる授業もおおいし。
それよか階段教室黒板チョーク授業のほうがまだましなことが多いのかもしれん。

私が狙っているところと、キンドルのストライクゾーンは、
残念ながら重なってない。
だから、キンドルのストライクゾーンを基準にすると外れたボール球を投げることになる。
ものすごい暴投でキャッチャーが取れないくらいの。
潜在的読者がなんかの機会に目に触れるかもしれないから投げている。今のところは。仕方なく。
自分と同じ趣味の人、同好の士を探したいだけなんだよね、結局は。
アマゾンもマーケティングやってるわけで、ストライクゾーンは広げたいと考えているのに違いないが、
とにかく今年2013年には、このストライクゾーンしか用意できなかったわけよな。
将来どうなるかはまだわからんわけ。
まだ日本でkdp始まって1年弱なわけで。

私は高校生の頃から丸谷才一の愛読者だった。『日本語のために』とか読んでた。
歴史的仮名遣いにあこがれがあったりもした。
丸谷才一は最初小説書いてて、それから評論とかやり始めて、エッセイとかずっと書いてて、
去年87歳でとうとう死んだのだが、
思うに、
87歳まで長生きしてエッセイのようなものは書けるのかもしれんが、
心血注いだ作品というのはやはり60歳くらいまでに書き終えてないといけない気がする。
司馬遼太郎も年取ってから雑文と講演ばかりやるようになったが、あまりよろしくない。
自分の中では子供の頃読んだ『項羽と劉邦』あたりが好きだったなあ。
今読むと大したことないんだが、そりゃある意味仕方ないこと。
『燃えよ剣』の前半部分は評価するんだが。

私がいま小説を書きたいと思い書いているのは40過ぎてやっと書ける気がしてきたからだが、
しかし小説を書くのに適した年齢というのはそんなに残ってない、後10年くらいしかないと思う。
とすると、余計な雑文を書いているヒマはない。
専業で書くわけにはいかんから、どんなに多くても20冊くらいだろうと思う。
そんなに多くない。

メモ

President Online

* [藤井太洋「電子書籍」のつくり方 デジタル時代の重要人物に訊く「実践マーケティング戦略」第1回 ](http://president.jp/articles/-/10758)
* [藤井太洋「電子書籍」のフェアな売り方 デジタル時代の重要人物に訊く「実践マーケティング戦略」第2回 ](http://president.jp/articles/-/10761)
* [藤井太洋「電子書籍」の広め方 デジタル時代の重要人物に訊く「実践マーケティング戦略」第3回 ](http://president.jp/articles/-/10763)

* [ダイレクト文藝マガジン 002号「藤井太洋インタビュー / KDPノウハウ本メッタ斬り!」](http://www.amazon.co.jp/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E6%96%87%E8%97%9D%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3-002%E5%8F%B7%E3%80%8C%E8%97%A4%E4%BA%95%E5%A4%AA%E6%B4%8B%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC-KDP%E3%83%8E%E3%82%A6%E3%83%8F%E3%82%A6%E6%9C%AC%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BF%E6%96%AC%E3%82%8A%EF%BC%81%E3%80%8D-%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8-%E5%A4%A7%E8%BC%94-ebook/dp/B00B62NV66/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1382667039&sr=1-3&keywords=%E8%97%A4%E4%BA%95%E5%A4%AA%E6%B4%8B)

うーん。
だいたい普通のこと言ってるだけかな。

班田収受

班田収受というのが基経の時代、元慶3年(879年)に行われた。
実に50年ぶりだったという。
これは明らかに基経主導だっただろう。
[元慶官田](http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E6%85%B6%E5%AE%98%E7%94%B0)など。

元慶2年(878年)出羽国蝦夷俘囚の反乱というのは班田収受を強行しようとしたことに対する反発で、
それを鎮圧したということだろう。

高子が元慶寺を元慶元年に建立しているのだが、その出費がかさんだためではなかろうか、
などと考えてしまう。
[藤原高子の発願により建立。僧正遍昭を開基](http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E6%85%B6%E5%AF%BA)
とある。

高子は元慶2年にも[山城国愛宕郡(京都市左京区岡崎東天王町)に東光寺を建立](http://kotobank.jp/word/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E9%AB%98%E5%AD%90)
とあって、後に高子は東光寺僧(座主?)善祐と密通したとして皇太后位を剥奪される。

ともかくこの時期高子ちゃんは自分の子供の陽成天皇が即位して、国母となれてものすごくうれしくて、
たくさん寺を建立しちゃったんですよ。
夫の清和天皇は外に女を作りまくるしね。
お兄ちゃんの基経は一生懸命税金を集めまくるんです。
で、たぶん、高子ちゃんは善祐や遍昭のパトロンだった。
もっと親密な関係であったでしょう。
業平との関係もなかったとはいいきれない。

そんで、京では天使様が代替わりしたかしらないがその母親が夫を追放して遊蕩しまくって、
そのため税金とりにくるとなれば、
陸奥で反乱が起きるのは当たり前だわな。

最後の班田収受は延喜2年に行われたのだが、
これは菅原道真が失脚し、藤原時平が実権を握った直後であるから、
父基経にならって時平が強行したのではなかろうかと思われるのだが、
よく分からん。
もし道真が計画していたとすると、話は全然違ってくるのだが、情報が少なすぎる。

堀辰雄

『[風立ちぬ](http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/4803_14204.html)』
を読んで、
なんだこりゃと思ったから
『[菜穗子](http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/4805_14353.html)』
『[あひびき](http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/55418_49022.html)』
『[ルウベンスの僞畫](http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/55426_49029.html)』
などをざっと読んでみたのだが、

特に『あひびき』という題は二葉亭四迷を思わせるが、ごく短編なので、すぐに読むことができるだろうから、
読んでみると良いと思う。ちょうど、『風立ちぬ』の「序曲」くらいの長さで、
彼はまあ、詩のように短い特徴的な文体の短編、もしくはそれに日記のようなものを付加した私小説のごときもの、
を書く人だったことがわかる。
いずれも軽井沢の避暑地で女の子とどうしたこうしたというような話であって、なんともたわいない。
大正の金持ちの文学少年の書くものだ。

> 「やあ、薔薇が咲いてゐらあ……」と、いくぶん上ずつた聲で云つた。

> 「あら、あれは薔薇ぢやありませんわ」少女の聲はまだいくらか少年よりも落着いてゐる。「あれは蛇苺よ。あなたは花さへ見れば何でも薔薇だと思ふ人ね……」

> 「さうかなあ……」

少女の台詞は明らかに美化されているように思われる。

三島由紀夫が堀辰雄を好きだったらしいのも、
三島由紀夫が伊東静雄を好きだったのと一緒に考え合わせると、
こういう西洋趣味、大正趣味なところが好きだったというわけだと考えればだいたいあたっていると思う。

悪くはないが、一生懸命読むようなものかな。
今更こんな文体を参考にしても仕方ないし。
ずいぶん気取ってる。

99円

で、KDPセレクトの90日中に5日間の無料キャンペーンなんだが、
新刊でちょろっと配布されて、
二回目からはほとんど意味がない。
私としては99円で売ろうが250円で売ろうが、買う人はあんま気にしてないだろうし、
250円だと印税70%だが、99円だと35%になるんで、
99円にすると250円にするよか6倍売らないと同じもうけにならんということになる。

だけどなんか、99円とか100円とかのが主流な気がするし、
有料で何部売れたかというのは割と重要な気もするんで、
一度全部99円にしてみようと思う。
それにはKDPセレクトが切れるのを待つ必要がある。

※追記 KDPセレクトが切れるのを待つ必要はない。

ともかく1000部とか2000部とかコンスタントに売れんことには意味ない。
35%で99円で1000部だと3万円くらいしか儲からないんだが、まあいいや。
儲けがーとか言ってる段階じゃないしな。

99円に設定しておいて、細く長く売れ続けるのも一つの戦略かもしれんと思う。
いろいろ試してみるのはいずれにしてもよいこと。
250円+KDPセレクトでまず無料キャンペーンやったらしばらくして99円にすりゃいいのかもしれん。

自分で買おうというときも250円だと何か心理的抵抗があるように思える。
じゃあ、99円なら気楽に買うかというとそれも違う気がするが、
日常生活では、大した額ではないのに不思議なものだ。