江戸時代の法律

やはり半七捕物帳を読んでいて思ったのだが、
江戸時代の法律とか罰則というのは、江戸初期に作られたもので、
戦国の世に合わせた非常に厳しいものだったが、
世の中が太平になってくるとだんだん実情に合わず、過酷すぎるようになってきた。

部下が処罰されればその上司もみな罰せられる。
家族の中に一人罪人が出ると家族全部が罰せられる。
必要とされる以上に刑罰が厳しいと、
社会全体が隠蔽体質になり、事なかれ主義になり、社会ぐるみで真実を隠すようになって、真相が判明しにくくなり、
事件解決の妨げになる。
或いは犯罪が余計に巧妙になり、やはり真相を見えにくくしてしまう。

ほんとはいろんな犯罪や疑獄が起きているのだが、
それが表面化しない。
法律が法律として機能しなくなり、
何事も情実で裁かれるようになり、
裏社会が発達し、表社会が腐っていく。

つまりまあ、重すぎる罰則は社会のためにも、犯罪抑止のためにもならん、ということですわな。

アメリカの禁酒法みたいなもんだな。

訂正

物語を時系列に書いてないもんだから、
後から読み直してみると、
前後がつじつまあわないことが発覚したりする。

石油ストーブの側で綿入れ半纏を着て着ぶくれした子供、
つまりこれは冬の寒い頃の光景なのだが、
話の流れ的にはどうしても梅雨時か初夏でなくてはならない。
こっそり書き直した。

「完成度は高いはず」などといっときながら、ちょこちょこ書きかえる。
なんかこんな作業を永遠に続けなくちゃならない気がしてきた。

設定資料なんかをまず書いてから書き始めるべきなんだけどね。

心臓検査

心臓の超音波エコーの結果が出たのだが、収縮率が63.5%で、
正常値が 60-80 なので、もうすでに正常値になった。
前回は 52%くらい。
その前は 35%くらいだったから、順調に回復している。
心電図も血液検査の結果も正常。
血圧も、その他もろもろ全部正常。
病気になる前に戻った、というかたぶん、病気になる前よりも回復していると思う。

そうすると心房細動のために飲んでいたワーファリンは次回の検診の後飲まなくて済むようになると思う。
納豆が食えるようになる。
ほぼ常人と同じ生活に戻れる。
たぶん利尿剤も飲まなくなると思う。

他の薬は飲み続けねばならないし定期的に検査は受けなきゃならないけど。
アーチスト(心臓を休ませる薬)と、アンカロン(不整脈止める薬)。
アーチストは飲み続けなくてはならんのかしれんが、
アンカロンはもういいんじゃないかと思うが、
まあお医者さんの言うとおりにする。

ミステリー

ネットぐるぐるしてたら[「将軍家の仲人」のレビュー](http://book.akahoshitakuya.com/b/B00BAE2OZE)
を見付けた。
すごくちゃんと読んでくれていて嬉しい。

一応、補足しておくけど、新井白石が家継の仲人になったという史実は確認されてない。
少なくとも私が調べた範囲ではない。
でも白石が仲人役をやった可能性は高い。
白石でなければ京都所司代がやったかもしれないし、
近衛基煕が自ら霊元院に働きかけた可能性もある。
そんな史実が残っていればそれを利用するが、
undefined ならそこをフィクションで都合の良いようにおぎなって小説に仕立てる。
近衛基煕の日記とかにすでに記載されているおそれもある。
私はそこまで一次資料に当たって書いているわけではない。

白石と喜世が懇意だったという証拠もない。
ここもフィクション。
間部詮房が代々甲斐の地侍の家柄だったという設定も、フィクション。
私の歴史小説の書き方はだいたいいつもそんな感じ。
宮将軍説にしてもこれは私独自の解釈なんだけど、
他の歴史小説にも独自解釈を必ず盛り込んでいる。
それをフィクションというか論説とみるかはともかく。
どこがフィクションでどこか史実かを見分けるくらい深読みしてくれると作者としては非常に嬉しい。

小説には書かれてないけど、史実では、家継と皇女八十宮の婚姻は家継が死んで実現しなかった。
息子夫婦と京都見物できなくて喜世も悲しんだだろう。
でもそこまで書くと野暮だから書いてない。
ていうかむしろわざと書かない。
「エウメネス」もスーサの合同結婚式やアレクサンドロス大王がバビロンで即位するとか、
エウメネスがディアドコイ戦争の将軍の一人になるとかアパマがセレウコスと結婚するとか、
などということはわざと書かない。
写真の一部を切り抜くようにして作品密度を高めるという手法。
一種のモンタージュ手法?
印象的な部分だけ残してつないで後は捨てる。

「紫峰軒」も無料配布数があまり伸びずにやきもきしていたが、
だいたいいつもどおりくらい読まれているようなので安心した。
目立つことはやはり必要だ。

自分で挿絵や表紙を書かず知り合いに頼んで共著で出すことを考えている。
表紙の絵で引きつけるのは重要だと思う。

今は、半七捕物帳をヒントにした推理小説を書こうかと考えている。
今の時代、一番売れるのはやはりミステリーか推理小説。
さもなくばファンタジー。
歴史物は、一部にファンが居るとしても数は出ない。
岡本綺堂は西洋のミステリーものを輸入しながら、
それを明治、大正ではなく一つ前の江戸時代に応用した。
歴史物語として読んでも面白い。
私の主な守備範囲は、たぶん、道長から義政くらいまでの日本史、
もしくはイタリアから東ローマかペルシャとかなんで、
そのへんをネタにミステリーを書いてみたい。

たとえば「源平捕物帖」みたいな(笑)。
知識がなくても楽しめて、知識があればなお面白いみたいなのにしたい。
ミステリーとは言ってないが「紫峰軒」「将軍家の仲人」「安藤レイ」「超ヒモ理論」なんかは一種の推理小説なんで、
書けないことはない気がしてきた。
どういう結末になるか読者に推理させる小説って、広い意味で推理小説だよね。
そこに事件とか探偵とか警部とか岡っ引きとか同心とかが出てくるといわゆるシャーロックホームズ由来の定石踏んだミステリーになるわけだが、
武士にも検非違使とか兵衛とか北面の武士とか京都勤番とかいるわけだから、
そこらで適当にミステリー仕立てにできると思う。
たぶんまだほとんどやられてないと思う。
前例あるんかな。

つか、まずミステリー小説新人賞とかに応募してみるとか。

両国

[半七捕物帳02 石灯籠](http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card4641.html)
を読んでいて気がついたのだが、
今両国国技館があり両国駅があるところは江戸時代には「向こう両国」と言っていた。
普通両国とか両国広小路などというのは、
神田川が隅田川に合流するあたり、
柳橋と両国橋に挟まれたあたりをいうのである。