レオナルド・ダ・ヴィンチという神話

レオナルド・ダ・ヴィンチなんだけど、
代表作は「モナリザ」と「最後の晩餐」くらいで、
あとは膨大な手稿と素描。
「モナリザ」「最後の晩餐」はすごいのかしれんが、
過大評価されすぎな気がする。
片桐頼継著「レオナルド・ダ・ヴィンチという神話」という比較的最近出た本では、
レオナルドの周りには技師や医者や建築家などのさまざまな科学者が居て、
レオナルドは彼らのアイディアを挿絵に描いてやる
「テクニカルイラストレーター」だったのではないかと言っている。
レオナルドがもし科学者であるとすればオリジナリティがなくてはならないが、
レオナルドの場合はたまたま良く描けた手稿と素描がまとまった形で後世に伝わったというだけで、
もっとオリジナルな発明や研究はレオナルドの先人たちによってなされていたという証拠がどんどん出てきているそうだ。
そうなってくると
「万能の天才」とか「芸術と科学の融合」
などという話はそもそもルネサンスにもなかったということになる。

ある人が死んでしまうと後には文書や作品などしか残らない。
百年も経つとそういう文献だけが「事実」となり、
それら断片的に残された古文書を「補完」することによって、
同時代の人たちには想像もできない形で神格化されていくというのは、
良くあることかもしれない。
現代でも一部の有力者が勝手に流行や権威を作り出すということがありがちなように。

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