俊成2

> 山桜散りに光を和らげてこの世に咲ける花にやあるらむ

いいねえ。「この世に咲ける花にやあるらむ」。しびれる。

> つくづくと濡れそふ袖におどろけば降るとも見えで春雨ぞ降る

いいねいいね。「降るとも見えで春雨ぞ降る」。すごく良い。
同語反復がうまく効いている。
これも初句不要。七五七七のほうがしまりがあるだろう。

> 花の散る山川堰ける苗代に賤が心も満つべかりけり

普通?

> すみれ咲く浅茅が原は踏み分けて問ふ人無きもさもあらばあれ

「問ふ人無きもさもあらばあれ」。いいなあ、こういうすっとぽけた言い方する人だったのだなあ。

> 志賀の山松にかかれる藤の花浦のさざ波越すかとぞ見る

叙景のようだが、しかしあり得ん誇張された光景だわな。

> 藤の花雲にまがひて散る下に雨そぼ降れる夕暮れの空

> いにしへをしのぶ心をそふるかな御祖の杜ににほふたちばな

> 我が魂もあくがれぬべし夏虫の御手洗川にすだく夕暮れ

> あはれさを人見よとても立てざらむけぶり寂しき賤が蚊遣り火

> 野辺に置く同じ露とも見えぬかなはすの浮き葉に宿る白玉

> 思ふこと今はみな尽き果てぬらむ御手洗川にみそぎしつれば

> 眺むれば心さへこそあくがるれしぐるる頃のむらくもの空

> なぞやかく眺むる方も霧こむる深山の里に心澄むらむ

> ふもとにはまた時雨とや思ふらむ深山の里はあられふるなり

> 奥山の岩根の苔ぞあはれなるつひには人の衣と思へば

> 夢とのみ過ぎにし方は思ほえて覚めてもさめぬここちこそすれ

普通?
ましかし、レベルが一様に高い。

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