Basilis

この写真によれば、ローマノスは
ΡΩΜΑΝΟС ΒΑСΙΛΕҰС ΡΩΜΑΙΩΝ
と書かれていて、エウドキアは
ЕҮΔΟΚΙΑ ΒΑСΙΛΙС ΡΩΜΑΙΩΝ
と書かれている。
ローマ字表記すると、それぞれ、
ROMANOS BASILEUS ROMAION、
EUDOKIA BASILIS ROMAION
となる。
つまり、東ローマの皇帝はバシレウス、女帝はバシリス、というのが当時の正式な呼称であった。
また、すでにギリシャ文字が一部キリル文字化しつつあるのが見てとれる。
ΣではなくСが使われ、
また、ユプシロンに当たる文字がҰとҮの二つあるように見える。
オメガが、小文字の形をそのまま大きくして大文字として使っているが、
これも珍しい。というかそういう文字がユニコードにあるのだろうか。

エウドキアの表紙は再び描き換えることになると思う。

英語のウィキペディアにはAugustaとして戴冠されたと書かれているが、
実際にはBasilisだったわけで、
ギリシャ語のウィキペディア見ても、皇帝 (Autokratoras) とかしか書かれてなくて、
ほんとうはなんと呼ばれていたのか、当時の彫刻とかモザイク画くらいしか信用できない。
しかもこんな鮮明に文字が残されているのは珍しい。
他のはもっと読みにくい。

王冠の形だが、
こちらの[ゾーエーのモザイク画](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3f/Zoe_mosaic_Hagia_Sophia.jpg)
に似ているが微妙に違う気もする。

ところで女帝と皇后はほんとうに区別されていたのだろうか。
よくわからん。

こっちの[コンスタンティノス9世モノマコス](http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%8E%E3%82%B99%E4%B8%96%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%82%B3%E3%82%B9)では、
ゾーエーがΑҰΓΟҰСΤΑ (AUGOUSTA) と書かれていて、
コンスタンティノスは単に ΒΑСΙΛΕҰСΡΩΜΑΙΩΝ と書かれている。
もしかしてアウグスタというのは単に皇帝の后、皇后という意味だったかもしれん。
アウグストゥスの妻がアウグスタと呼ばれたように。
てことは、
おそらくエウドキアは皇后の頃からアウグスタと呼ばれていて、
その後バシリスとして即位したというのが正しいのではないか。

Visited 2 times, 1 visit(s) today

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA