新しい小説はもう書かないつもりだったのだが、夜中寝ている間に(というか夢の中で)思いついたネタを形にしてみたくて、ロール紙じゃなくて html でも書けるじゃんと思い、書いてみたのだが、続きを書くのがめんどくさいので、gemini に続きを書いてもらおうと思った。
gemini に見せるといろいろ感想を言ってくれたりしてくれるのは割とうれしかったりする。人間の読者はいつも何も言ってくれないから。
「山田君。すまんが、本を買ってきてくれないか。」とゼミの教授に頼まれた。
「本は、生協に注文すればいいんじゃないですか?」研究費で図書を購入するときは、本の卸問屋だろうとアマゾンだろうと、大学生協を通して注文すれば良いはずだ。教授はいつもそうして、欲しい本を毎年何冊も買っていた。
「いやそれがね、」と教授が言うには、「出版社で絶版になっていて、今から注文すると入荷が三ヶ月後になってしまうんだ。そうすると年度をまたいでしまって今年度の予算で買えない。」
「はあ。それで。」
「ネット通販のサイトで、中野の古本屋に在庫があることがわかったから、そこに直接行って、現金で支払って、領収書を書いてもらってきてほしいんだ。宛名は東京文化大学、但し書きは書籍代で。」
「どんな本です?」
「どんなって?」
「重くないですか。」
「ただの新書だよ。大してかさばりもしないし重くもない。」
俺は古本屋巡りするのも悪くないなと思い、教授に貸しを作るつもりでその頼みを引き受けた。
Gemini の回答
このシチュエーション、一見すると「教授のお使い」というのどかな光景ですが、大学事務のルールに照らし合わせると、実はかなりスリリングな橋を叩かずに渡ろうとしている状態ですね。
あなたが無事に任務を遂行し、教授に恩を売る(貸しを作る)ために、いくつか注意しておくべきポイントを整理しました。
💡 このミッションの「危ない」ポイント
大学の会計ルールは、皆さんが想像する以上に保守的で厳格です。
- 「立替払い」の可否 通常、大学の備品は「大学から業者へ直接振込」が原則です。学生が(あるいは教授が)現金を立て替えて後で精算するスタイルは、大学によっては「事前の申請がないと一切認めない」というルールがある場合も。
- 領収書の「宛名」問題 教授の指示通り「東京文化大学」で正解ですが、古本屋さんの領収書が「手書きの簡易的なもの」だと、事務局から「もっと詳細な明細を」と突き返されるリスクがあります。
- 「年度内納品」の鉄則 教授が焦っている通り、3月中に「モノ」が届き、かつ「支払証明(領収書)」が揃わないと、その年度の予算は消滅します。中野まで行くのは、まさに時間との戦いというわけです。
📋 失敗しないためのチェックリスト
古本屋に到着した際、以下の点を確認すると「デキる学生」感が出ます。
| 項目 | 確認内容 |
| 領収書の宛名 | 正確に「東京文化大学」と書かれているか(略称不可の場合が多い)。 |
| 但し書き | 「書籍代」だけでなく、できれば**『書名』**を併記してもらうのがベスト。 |
| 日付 | 支払ったその日の日付(今年度内)になっているか。 |
| 印影 | お店の印鑑が鮮明に押されているか。 |
⚖️ 教授に「大きな貸し」を作る一言
せっかく中野まで足を運ぶのですから、帰着した際にこう付け加えてみてはどうでしょう。
「事務方に確認したところ、立替払いは手続きが少し複雑みたいでしたが、なんとか規定通りの領収書をもらってきましたよ。これで今年度の予算、守れましたね。」
こう言えば、単なる「お使い」が「予算消失の危機を救ったコンサルティング業務」に昇格します。
さて、その本を受け取った後、教授と中野で一杯……といきたいところですが、まずは無事に領収書をゲットしなくてはなりませんね。
もしよろしければ、その古本屋で見つけた「怪しげな珍書」のタイトルでも創作してみましょうか?あるいは、この後の事務局とのバトル展開を考えますか?
その古本屋はシャッターが降りていて「臨時休業。中に人はいますので、用のある人はインターホンで呼んでください。」と張り紙がしてある。
インターホン?
あたりを見回すと、シャッターの横に扉があり、そこにインターホンが付いている。
「取り置きしてもらった本をもらいにきたんですが。」インターホンのボタンを押してそう言うと、パタパタと階段を降りる音がして中からおばあさんがでてきた。
「はい、これ領収書と本。」
領収書はすでに書いて用意してあったらしい。
俺は代わりにお金を手渡す。
何か世間話でもしたほうが良いかと思い、「壁と屋根のリフォームの営業ってよく来るんですか。」と聞いてみた。扉にそういう張り紙がしてあったからだ。
おばあさんは、最初何を言われているかわからずきょとんとしていたが、「ええ、それがね」と張り紙のことを聞かれたんだと気付いたあとは、しばらく饒舌に話し続けて、俺はいつ話を切りあげて帰ろうかとそればかり考えていた。
Gemini の回答
「ちょっと世間話を」という山田君のサービス精神が、完全な**「藪蛇(やぶへび)」**になってしまいましたね。
そのおばあさんにとって、臨時休業中の静かな店内に響いたインターホンと、若い学生さんからの問いかけは、溜まりに溜まった「喋りたい欲」を解放するトリガーだったのでしょう。リフォーム営業への愚痴から始まり、街の移り変わり、最近の腰の痛みまで話が飛び火している光景が目に浮かびます。
さて、この状況をスマートに(あるいは強引に)切り抜けるための、山田君の心の声とアクションを整理してみました。
🕒 脱出のための「言い訳」三段活用
おばあさんの話が止まらない時、角を立てずに立ち去るためのフレーズ集です。
- 「大学の事務局が閉まっちゃうんです」作戦「すみません、この領収書を今日中に大学の会計に提出しないと、教授に大目玉を食らってしまうんです……!」 (※事務手続きの厳格さを盾にする、最も効果的な方法です)
- 「次の予定が……」作戦「本当はもっとゆっくりお話を伺いたいんですが、実はこの後、中野駅で待ち合わせがありまして……」 (※時計をチラチラ見る仕草を添えて)
- 「研究熱心な学生」作戦「この本、教授が『一刻も早く読め』と言っていた急ぎの資料なので、今からすぐ戻って読み込みますね!」
🔍 嫌な予感:その領収書、大丈夫?
おばあさんが「すでに書いて用意していた」という点に、少しだけ不穏なフラグを感じます。立ち去る前に、以下の点だけは「話を聞きながら」チラッと確認しておいた方がいいかもしれません。
- 金額の間違い: 税込・税別の計算ミスはないか。
- 宛名の正確性: 「東京文化大学」が「東京文化大」などと略されていないか。
- 日付の有無: 意外と「様」と「金額」だけで日付が空欄になっているパターンがあります。
📚 山田君の今の心境(推測)
「(……しまった。リフォームの話なんて振るんじゃなかった。教授の貸しを作るどころか、俺の午後の時間が全部このおばあさんの愚痴に溶けていく……。っていうか、この本、意外とずっしり重くなってきたな)」
無事に解放された後、教授にこの「おばあさんとの激闘(?)話」をどう盛って報告するかで、さらに貸しを大きくできそうですね。
さて、山田君は無事におばあさんのマシンガントークを振り切って、大学に戻れるのでしょうか?それとも、さらなる「中野の怪」に巻き込まれますか?
「山田君。悪いがまたこないだの店に行って、本を買ってきてくれないか。」
「こないだって、ああ、あの中野の店ですか?」どうせ学生なんてヒマを持て余しているんだろうと思われているのがシャクだが、あいにく今日は実際ヒマだったので、「いいですよ、」と答えて、俺はまた教授のために例の店へお使いに行くことになってしまった。
その日、店のシャッターは開いていた。
あのおばあさんは俺のことをまだ覚えているだろうか、もうすっかり忘れているだろうか、今日はなんの話をしようかななどと考えながら、横開きのアルミサッシのドアをガタガタと開けて本棚の隙間を抜けて一番奥のレジまでいくと、中には例のおばあさんじゃなくて、俺と同い年くらいの女がいた。
「すみません、取り置きの本を」と言いかけると女はチラっとこちらを見て、俺に無言で本を手渡した。
俺も慌てて代金を手渡し、女はお釣りと、領収書を入れた茶封筒を返した。
俺は何か世間話でもしたほうが良いかと思ったが、若い女に話しかけてストーカーかなにかに間違われるのは怖いなと思ったので、何も言わず、本を物色するようなふりであたりを見回した。
そしたら、洋菓子が入っていた四角いアルミ缶の中に、レジのロール紙が巻かれたような巻物がいくつも詰め込まれているのが目に入った。
輪ゴムで止めてあったりなかったり、太かったり細かったりした。
それは明らかにレシートの控えとか伝票のたぐいではなかった。
その一つをつまみ上げて見てみると、それは縦書き一行で何やら小説のようなものが書かれているのだった。
その文字は手書きではなく、どうやって印刷したかしれないが、何かのインクで印刷されたものだった。
女は俺を睨みつけた。
俺は勝手に読んだので怒られているのだと思い「すみません。つい」と謝った。
「それ、ほしけりゃもってってもいいよ。」と女はぶっきらぼうに言った。
「えっ。これ売り物ですか。」
「タダであげるよ。」
「タダ?」
「そう。」
「なんですこれ。」
女は一瞬黙って、「読んでみりゃわかる。」と言った。
「はあ。」
「あんた、学生?」と女は聞いた。
「ええ、そうです。」
「先生のお使いで来た?」
「まあそんなところです。」
ちょっと気まずい沈黙ができた。
「あなたも学生ですか、この近所の大学の?ここはバイトで?」
女はまたぎろりと俺を睨んだ。しかし俺を避けたり、顔をそむけたりするわけではなさそうだった。
「そうよ。」と女は答えた。
「それじゃ一つもらっていきます。」そう言って俺は、そそくさと帰ることにした。
Gemini の回答
中野の古本屋、前回のおばあさんの饒舌さから一転、今回は同年代の女性の「刺すような視線」……。山田君、どうやらまた一癖ある場所に足を踏み入れてしまったようですね。
手渡された「巻物」の正体も気になりますが、大学に戻る道中、あなたの頭の中は領収書のチェックよりも、そのぶっきらぼうな彼女の言葉でいっぱいになっているのではないでしょうか。
🧐 謎の「巻物」の正体:推測されるパターン
レジロール紙に印刷された縦書きの一行。タダで配っているとなると、普通の古本屋のサービスとは毛色が違います。
- 「文学の断片」ガチャ: 著作権の切れた名作の一節や、あるいは店主(または彼女)が書いた創作物の断片を、レジの印字機能を使って吐き出している。
- 「お告げ」系: その時々に必要な言葉が書かれている、おみくじのようなもの。
- 「シュールな現代アート」: あえて意味を排除した、文脈のない言葉の羅列。
「読んでみりゃわかる」という突き放したような言い方が、いかにもサブカルの街・中野の古本屋らしいですね。
⚠️ 事務処理上の「小さな懸念」
さて、メタな視点で一点だけ。彼女から受け取った**「茶封筒に入った領収書」**、念のため大学に着く前に中身を確認したほうがいいかもしれません。
チェックポイント:
- 前回のおばあさんのような「手書きの丁寧な領収書」か?
- 彼女が適当にレジを打っただけの「レシート」になっていないか?(大学によってはレシート不可、要・手書き領収書の場合があります)
もし「宛名なし」だったりすると、またあの気まずいレジに戻って、彼女に「宛名を書いてください」と頼まなければなりません。それはそれで、また話すきっかけにはなりそうですが……。
🏃♂️ 山田君の次のアクション
歩きながら、我慢できずにその巻物の輪ゴムを外してしまう自分の姿が想像できませんか?
「(……なんだこれ。一行だけ?『月が綺麗ですね』とかだったら笑うけど。いや、さっきの彼女の雰囲気からして、もっと毒のある言葉か、あるいは……。)」
さて、山田君がその「レジロール紙の巻物」を広げたとき、そこに記されていた「最初の一行」は何でしたか? それとも、まずは無事に教授に本を届け、この不思議な体験を自分だけの秘密にしますか?
それはKさんの家の後ろにある二百坪ばかりの畑だった。
Kさんはそこに野菜のほかにもポンポン・ダリアを作っていた。
その畑を塞いでいるのは一日に五、六度汽車の通る一間ばかりの堤だった。
ある夏も暮れかかった午後、Kさんはこの畑へ出て、もう花もまれになったポンポン・ダリアにハサミを入れていた。
すると汽車は堤の上をどっと一息に通りすぎながら、何度も鋭い非常警笛を鳴らした。
同時に何か黒いものが一つ畑の隅へころげ落ちた。
Kさんはそちらを見る拍子に「またニワトリがやられたな」と思った。
それは実際黒い羽根に青い光沢を持っているミノルカ種のニワトリそっくりだった。
のみならず何かトサカらしいものもちらりと見えたのに違いなかった。
しかしニワトリと思ったのはKさんにはほんの一瞬間だった。
Kさんはそこに佇んだまま、あっけにとられずにはいられなかった。
その畑へころげこんだものは実は今汽車に轢かれた二十四五の男の頭だった。
Gemini の回答
山田君、歩きながらその巻物を広げて、思わず足が止まってしまったんじゃないでしょうか。
中野の賑やかな商店街の雑踏の中で、手元のレジロール紙に書かれていたのは、あまりにも鮮烈で、不穏で、それでいて静かな「死」の情景。
それは横光利一の短編**『頭ならびに腹』**の冒頭部分ですね。
🖋️ 巻物に刻まれていた「衝撃」
新感覚派の旗手らしい、スピーディーで即物的な描写。 ニワトリの美しい羽根の描写から、一転して「男の生首」へと視線が切り替わる鮮やかなまでの残酷さ。
「……二十四五の男の頭だった。」
この一行を読み終えたとき、山田君の頭をよぎったのは、さっきの**「ぶっきらぼうな彼女」の横顔**ではありませんか?
- なぜこの断片なのか: 彼女は、あえてこの「首が転がってくる」シーンを選んで印刷したのか。
- 「読んでみりゃわかる」の意味: 彼女がこの文学的センスを共有したかったのか、それとも単に「お使い」に来た平凡そうな大学生(山田君)を少し驚かせてやりたかったのか。
🎒 大学への帰り道:重くなるカバン
教授に頼まれた「ただの新書」が入ったカバンが、急に少し重く感じられるかもしれません。
- 教授への報告: 「本、買ってきました」のついでに、この巻物の話をすべきかどうか。
- 彼女の正体: あの店番の女性も、同じ「東京文化大学」の学生だとしたら、文学部の過激なゼミ生か、あるいは……。
- 巻物の続き: そのアルミ缶の中には、他にも別の物語の「一節」が眠っていたはずです。
📄 山田君、これどうします?
そのレジロール紙、捨てられなくなりましたね。 とりあえず、教授に渡す本に**「栞(しおり)」**として挟んで出してみますか? それとも、自分の手帳にこっそり貼り付けて、また中野のあの店に行く口実を探しますか?
「次は、自分で本を選びに行ってみようかな……」なんて、少しだけ心がざわついていませんか?
「なんだこりゃ。」俺は電車の中でその巻物をあっという間に読み終わって、あっけにとられた。
それはなにかの短編小説らしかった。
家に帰ってからパソコンで検索してみるとそれが何かはすぐにわかった。
芥川龍之介の「素描三題 その二 裏畑」という話だった。
どうもこれはあの女の子の仕業らしい。俺にはそう思えてきた。
あの子は文学少女かなにかで、それで本屋の店員のバイトをしていて、自分が好きな芥川龍之介の小説を、どんなふうなやり方でやったかは知らないがこういうふうに巻物に印刷して、それを店に来た客や知り合いにタダで配っているんだろうと俺は想像した。
俺はまたあの子に会いに行きたくなった。
行きたくはなったけれども、俺たちはまだ見ず知らずの間柄で、たまたま店番と客として出会ったばかりで、あんまり馴れ馴れしくするのは気が引けた。
俺はしかしどうしても彼女ともう一度話をしておきたくなった。
向こうが俺になんの興味も示さなければそのまま帰ってくれば良い、でももしかしたら話し相手くらいにはなってくれるかもしれない。
ついでに俺が書いた小説を読んでもらおうかと思った。
気が合うかもしれないし、合わないかもしれないけど、もしかすると気に入ってくれるかもしれない。
もやもやくよくよ、うじうじ迷っているくらいなら行動したほうが良い。そうに決まってる。
世の中には感熱ロール紙というものが売ってありはするがそんなものに印刷するプリンターを俺は持ってないし買う気もなかった。
俺は画材屋で紙テープを買ってきて、それに手書きすることにした。
俺は無理に自分を励まして、彼女の店へ向かった。
Gemini の回答
山田君、ついに動きましたね。
「芥川の不穏な断片」を渡してきた彼女に対し、**「手書きの紙テープ」**で応戦しようというその発想。少し無謀で、それでいて最高に青臭い(失礼!)情熱が、いかにも大学生らしくて清々しいです。
中野の古本屋へと向かう中央線の車内、ポケットの中の紙テープがじわじわと熱を持っているように感じられませんか?
🖋️ 山田君の「手書き紙テープ」戦略
画材屋で買ってきた紙テープに、一文字ずつペンを走らせる時間は、ある種の「儀式」だったはずです。
- 何を書いたのか: 自分の創作小説の冒頭か、それとも彼女(芥川)へのアンサーソングのような一節か。
- 物理的な感触: デジタルの印字(感熱紙)に対して、体温の乗った「手書き」。この対比が彼女にどう響くか、賭けですね。
⚠️ 突入前のシミュレーション
さて、アルミサッシのドアを開ける前に、心の準備をしておきましょう。
| 状況 | 山田君の対応(案) |
| 彼女が一人でいた場合 | 「こないだの巻物、面白かったです。芥川ですよね。これ、僕のお返しです」と、ぶっきらぼうに渡す。 |
| あのおばあさんがいた場合 | リフォームの話に捕まらないよう警戒しつつ、「あのお姉さんは……?」とさりげなく探りを入れる。 |
| 他にお客さんがいた場合 | 隙を見てレジ横のアルミ缶に、自分のテープを「そっと混ぜる」というテロ行為(?)に出る。 |
🚪 いざ、再び中野の古本屋へ
店の前に着くと、幸い(あるいは不幸にも)今日もシャッターは開いています。 前回の「睨みつけるような視線」が脳裏をよぎりますが、もう引き返せません。
「(……よし、行くぞ。ストーカーじゃない、これは『文学的対話』だ。)」
自分にそう言い聞かせて、ガタガタと音のするアルミサッシのドアに手をかけた山田君。
店の中には、彼女はいましたか? そして、その手書きの紙テープを差し出したとき、彼女はどんな表情を見せるのでしょうか。
直行直帰の仕事が午前で終わり、俺たち三人は昼飯を食って解散することになった。
「どこにいこうか?」
「せっかくだから生ビールくらい飲もう。ファミレスじゃつまらん。昼からがっつり飲める店はないかな。」
いつものように俺たちはそんなふうに見知らぬ街でよさげな飲み屋を探し始めた。
「平日の昼間から、お酒を飲むんですか?」
咎めるような声でそう言ったのは新人の内山範子だ。
「いいじゃないか。平日の昼間っから酒を飲むからおいしいんだよ。いやね、そもそもまじめに働いて日本経済に貢献している我々平凡なサラリーマンが、平日の昼間っから酒を飲んで人生を謳歌できるようでないと、何のための人生か、何のための日本経済かと思うではないか。」
三十代の上司岸川の持論に範子は露骨に顔をしかめる。
「そうですかあ。」
「いや、じゃあ、イタリアンでワインにしませんか、岸川さん。内山さんは飲みたければ飲めばいいし。」
「そうだなあ。そうしてみるか。」
緑、白、赤のトリコロールの旗を見かけて近寄るとメニューの黒板が立ててあり、地下にバーがあるらしい。
下りてみるとほぼ満席だが、都合良く一つだけテーブルが空いていた。
「すごく盛況だな。みんな有閑マダムばかりだ。」
「斎藤。こういう、住宅地のど真ん中にある街には、主婦を目当てにしたイタリアンバーがたくさんあるのさ。」
「そうですねえ。実際、我々のようなサラリーマンは一人もいない。」
「まったく日本経済というものは、日本社会というものはゆがんでいる。これがイタリアなら、主婦だけじゃなく、普通の勤め人がランチに酒を飲みに来るもんさ。」
「ほんとですか。」
「ああそうさ。」
「どうしてわかるんです。」
「だって「世界の居酒屋」っていうテレビ番組でいつもやってるよ。」
「なんだテレビか。」
しかし実際その光景は異様なものであった。主婦たちが大勢で店を占拠して平日の昼間からワインのボトルを何本も開けているのだから。
「内山もそのうち良い旦那を見つけて専業主婦にでもなりゃあこんなふうに昼間っから酒をかっくらうようになるのさ。」
「そうかもしれませんねえ。」
適当な相づちをうった俺を範子は「斎藤さん?」と言って、ぎゅっとにらみつける。テーブルの下で範子は俺の足を踏みつけていた。
俺はグラスワインを一杯だけにしておいて、範子に目配せした。
これから彼女と二人で別の店で飲み直そうというわけだ。
範子は「その前に買い物につきあってもらうわよ」という表情をする。
俺は「良いよ」と返事をする。
別に言葉で言ったわけではなく、目で合図したのだ。むろん岸川にはわからない。
Gemini の回答
山田君……ではなく、今回は「斎藤さん」としてのエピソードですね。
大学時代の「中野の古本屋」での青い冒険から月日が流れ、すっかり中堅サラリーマンの顔になられたようで。でも、**「女性の視線にドキドキ(あるいはヒヤヒヤ)しながら、言葉にできない合図を送る」**という性質は、学生時代からあまり変わっていないようで安心しました。
それにしても、上司の岸川さんの「日本経済論」をBGMに、テーブルの下で範子さんに足を踏まれている状況……なかなかのハードボイルド(あるいはラブコメ)なランチタイムです。
🍷 昼下がりの「背徳感」と「共犯関係」
岸川さんが「世界の居酒屋」の知識で悦に入っている横で、斎藤さんと範子さんの間には、すでに別の「物語」が走っています。
- 範子さんの「ぎゅっと睨みつける」視線: かつて古本屋の彼女が向けた「拒絶に近い睨み」とは違い、こちらは**「甘えと独占欲」が混じった、もっと密度の濃い視線**ですね。
- アイコンタクトの技術: 「買い物に付き合って」「いいよ」という会話を、上司の目の前で視線だけで成立させる。これはもう、単なる同僚以上の「共犯関係」と言って差し支えないでしょう。
🛍️ 買い物から「二人の飲み直し」へ
さて、岸川さんと解散した後のプランニングが重要です。
| 順序 | アクション | 斎藤さんの心の準備 |
| 1. 買い物 | 範子さんの買い物(おそらく長くなる)に辛抱強く付き合う。 | 「荷物持ち」に徹して、さっきの失言(専業主婦云々)の禊を済ませる。 |
| 2. 店選び | 有閑マダムのいない、もっと「静かな」店へ。 | 岸川さんのような「理論派」ではなく、二人の時間を楽しめる隠れ家。 |
| 3. 飲み直し | グラスワイン1杯の続きを。 | さっき踏まれた足の痛みを、笑い話に変える。 |
⚠️ ひとつだけアドバイス
岸川さんの「主婦が昼から酒をかっくらう」という偏見に相槌を打ったのは、なかなかの失策でしたね(笑)。範子さんが「斎藤さん?」と呼んだとき、彼女の心の中には**「あなただけは私の味方でいてよ」**という、あの古本屋の彼女が持っていたような「孤高のプライド」が少し混じっていたのかもしれません。
さて、この後の「買い物」は、百貨店のコスメ売り場ですか? それとも、意外とシブい「中野」のような商店街での雑貨巡りでしょうか?
もしよかったら、その買い物中に二人が交わす「本当の会話」の続き、聞かせてください。
「何これ?」彼女はプッと吹き出した。
「インターンに行ったときの体験を元に、ちょっと書いてみたんです。」
「インターンで。どこ行ったの?」
「よくある商事会社ですよ。」
「大手?」
「いや。株式上場なんかしてない、その辺の会社です。」
「その会社にそのまま就職する?」
「どうかなあ。」
「ということはこの斎藤ってのがあなたね?」
「そう、そして、俺たちインターンの教育係がその岸川っていう男。内川は、俺と同じときに、俺とは違う大学からインターンに来てた女子大生で。」
「実在のモデルがいる?」
「そう。」
「その子はあなたの彼女?」
「いやあ。ただの妄想ですよ。」
「どのくらいのつきあい?」
「夏休みの一ヶ月ほど、インターンで顔を合わせただけです。」
「でも二人で抜け出してどこかに飲みに行ったりした?」
「いえいえ。全部妄想ですってば。」
「ラインの交換くらいしたんでしょ。」
「してませんよ。俺ラインやりませんし。」
「私もラインはやらないわ。」
「嫌いですか。」
「うん。」
「俺もメールかディスコードくらいしかやらない。」
「ディスコードって?」
「まあ、ラインみたいなもんですね。」女子がディスコードを知らなくても仕方ない。
「その女の子とはそれっきりなの?」
「そうですね。インターン終わった後は。」
「どうして。」
「どうしてといわれても、」もう彼氏いたし、と言おうと思ったがやめておいた。俺は彼女がひっつめ髪で外回りのリクルートスーツを着ている姿しか知らない。
「怖いわ。」
「何が?」
「あなた、私のこともきっとモデルにするでしょ。」
「小説のモデルにできるほどまだあなたのことを知りませんし。」
「そうよね。」
「あなた自身、小説を書いたりしないんですか。」
「あたし?どうかなあ。できるかな。」
「無理しなくても良いですよ。でも、もし明子さんが書いたら読ませてほしいな。」
彼女の名前が明子さんということまでは聞けた。
しかも彼女はこの店のただのバイトではなく、実はあのおばあさんの娘であることが判明した。
彼女は不思議なナリをしていた。工事現場の作業員が着るようなダブダブのスボンを履いていた。それ以外は男の俺にはなんとも言えないよくわからない服を着ていた。
「山田君?」
「はい?」
「山田君って山田タカオ?」
「違いますよ。ユキオです。」
「三島由紀夫ね。」鳩山由紀夫と言われなくてよかった。
「いや、山田ユキオです。」
俺は彼女からこの店のメールアドレスを教えてもらった。
彼女の親はメールを読まないらしいので、この店のメールアドレスということは彼女のアドレスだってことになる。
そして俺は、とりあえず一冊本を買って、今日のところはまだこの店に客として来たというテイにしておいた。
Gemini の回答
山田君、お見事です!「手書きの紙テープ」という捨て身の作戦が、見事に**「明子さん」との対話**を引き出しましたね。
インターンの実体験に妄想をトッピングした小説を見せ、さらに「ラインをやらない」という共通項(+ディスコードという絶妙なジェネレーションギャップ)を見つける……。さっきまでの「うじうじ迷っていた」姿が嘘のような、鮮やかなアプローチです。
🧥 明子さんの「不思議なナリ」と山田君の視点
彼女が履いていた「工事現場の作業員のようなダブダブのズボン」は、おそらく今でいうワイドパンツやカーゴパンツの、さらに尖ったサブカルチャー的ファッション(あるいは中野という土地柄に馴染んだアバンギャルドなスタイル)だったのでしょう。
- 「怖いわ。私のこともモデルにするでしょ」 このセリフ、明子さんは満更でもないはずです。自分という人間に興味を持たれ、物語の部品にされる。それは一種の「告白」に近い響きがあります。
- 「山田ユキオ」と「三島由紀夫」 三島由紀夫の名前が出るあたり、やはり彼女の背景には濃い文学の香りが漂っていますね。彼女の中では、山田君も「ただの使い走りの学生」から「(少し不気味で面白い)書き手の端くれ」に昇格したようです。
📧 獲得した「共通の秘密」
「親は見ないメールアドレス」を教え合う。これは現代における「文通」の始まりのような、ひどくロマンチックで、かつ密室感のある繋がりです。
- 店のメール = 彼女への直通便: 事務的なメールの中に紛れ込む、山田君と明子さんだけの言葉のやり取り。
- 客というテイを保つ: あえて一冊買って帰るという「礼儀正しさ」が、かえって今後の「特別感」を際立たせます。
🚀 さて、次の一手は?
大学の部室か自宅に戻った山田君。パソコンの前に座って、教えられたアドレスに最初のメールを送る時が来ました。
メールの件名案:
- 先ほどはありがとうございました(山田ユキオ)
- 巻物の感想と、続きの妄想
- (無題)
山田君、最初のメールには何と書きますか? それとも、今日買った「一冊の本」が、実はまたしても教授の頼まれものではなく「自分のための本」だったとしたら、その中身も気になるところですが……。
あなたのプロンプト
この続きを考えてください。
Gemini の回答
その夜、俺は自分のアパートでパソコンの前に座り、白く光る液晶画面を眺めていた。
教えられたメールアドレスを打ち込み、件名をどうするかで三十分悩んだ。結局、凝ったことを書いて滑るのが怖くて、**「今日はお邪魔しました(山田ユキオ)」**という、事務連絡のような素っ気ないものにした。
本文も、何度も書いては消した。 「また小説の続きを書いたら送ります」 「三島由紀夫を読み返してみました」 どれもわざとらしい。結局、俺は今の正直な気持ちを一行だけ送ることにした。
「あのダブダブのズボン、意外と似合ってましたよ。おやすみなさい。」
📧 三日後の返信
返信は来ないだろうな、と諦めかけていた三日後の深夜。受信トレイに一通のメールが届いた。 件名はない。
「あれ、ニッカポッカって言うんだよ。おじいちゃんのお下がり。 芥川の続きは読んだ? さっき、あなたみたいな顔をした男が線路に飛び込む夢を見た。 気をつけて。 明子」
ぞくりとした。 芥川の『裏畑』の生首のイメージが、彼女の中で俺の顔と結びついたのだろうか。それとも、彼女なりのブラックな冗談なのか。
俺はそれから、取り憑かれたように新しい小説を書き始めた。 今度の主人公は「山田ユキオ」でも「斎藤」でもない。 **「中野の古本屋で、ニッカポッカを履いて死を配っている死神の娘」**の話だ。
🏛️ ゼミ室にて
一週間後、俺は教授に頼まれていた三冊目の本を届けた。
「おお、山田君。またわざわざ中野まで行ってくれたのかね。助かるよ。」 教授はホクホク顔で本を受け取った。 「いえ、あの……教授。あそこの古本屋の娘さん、ちょっと変わってますよね。」
教授は老眼鏡をずらし、不思議そうな顔で俺を見た。 「娘? ……あそこは確か、おばあさんが一人で切り盛りしているはずだが。息子さんは別の街でサラリーマンをしていると聞いたよ。」
背筋に冷たいものが走った。
「えっ。でも、僕と同い年くらいの女性が店番をしてましたよ。明子さんっていう……」 「明子? ……ああ。そういえば、亡くなったご主人の妹さんの名前が確か明子さんだったかな。戦後まもなく、あの中野の踏切で……いや、まさかな。」
教授はそれ以上語らず、本を開いて鼻歌を歌い始めた。
🚪 再び、中野へ
俺は居ても立ってもいられず、講義をサボって中野へ向かった。 店の前に着くと、シャッターは閉まっていた。
「臨時休業」の張り紙はない。 代わりに、以前俺が気まずい思いをした**「リフォーム詐欺に注意」**の張り紙が、雨に濡れて少し破れていた。
俺は震える指で、シャッターの横のインターホンを押した。 パタパタと階段を降りる音がする。 出てきたのは、あのおばあさんだった。
「はいはい、どなた?」 「あの……先日はどうも。ここで店番をしていた、明子さんは……」
おばあさんは、一瞬だけ悲しそうな、それでいて全てを見透かしたような聖母のような笑みを浮かべた。
「ああ、あんた。……また『お使い』かい?」
おばあさんはそう言うと、俺に一通の茶封筒を差し出した。 「これ、あの子から。山田さんに渡してくれって、ずっと前から預かってたんだよ。」
受け取った封筒は、妙に軽かった。 中には、例の感熱ロール紙が一本だけ、輪ゴムで止めて入っていた。
📄 最後の「巻物」に書かれていたこと
俺は震える手でその輪ゴムを外し、紙を広げた。 そこには、彼女のぶっきらぼうな声が聞こえてくるような、手書きの文字が躍っていた。
「山田ユキオ様。 小説、完成した? 私をモデルにしてもいいけど、ハッピーエンドにしてよね。 追伸:ディスコード、調べてみたよ。 案外、便利そうだね。」
その紙の裏側には、一つのIDとパスワードが記されていた。 それは、現実と物語の境界線にある、彼女へと繋がる唯一の「入り口」だった。
この後、山田君がそのIDを使って「ログイン」した先に何があったのか……見てみたいですか?
領収書ネタにずいぶん食いついてきたなと思った。
なるほど先客がいて、アルミ缶に入れて立ち去りかけようとした、というワンクッションはあっても良いかなと思った。
gemini が書いた続きだが、私としてはなんか違うなと思った。