なんというか日本のセルアニメは昔から緩と急というか、
静と動というか、
あるいは手抜きと作り込みというのか、
いきなり電気紙芝居になってしまったり、
原画が密に詰まって良く動いたりする。
そういう意味では、
日本のセルアニメは、
原画 == 漫画があって、
原画を埋めた動画があって、
その究極にはフルアニメーションがあるわけだが、
一つの作品の中ですら漫画とフルアニメーションの間をかなり自由に行き来できて、
日本の漫画とセルアニメになじんだ人にはそれがほとんどまったく違和感なく受け入れられているということなのである。
だから人物がぼーっと突っ立ってただせりふをしゃべっているシーンとか、
静止画の背景がただパンしてるだけのシーンとか、
そういうシーンがたまーに挿入されているのは静止とか強調とかなんかねらった効果があるからと理解できなくもないのだが、
ほんとは、監督が自ら書いているところと、
下っ端に任せきっているところ、
つまりは予算の配分の違いが露骨にわかるというだけではないか。
ようするに手抜き以外の何ものでもない。
見せ場でもなんでもない、ふつうの静かなシーンでも、
細かな動き、特に顔の表情や仕草などはあり得るはずだが、
そんなところを作り込んでいるアニメにはなかなかお目にかからない
(ジブリは例外として)。
私も日本人だから昔は違和感なくそういうアニメを受け入れていたはずなのだが、
おそらくはアクションゲームの影響だと思うのだが
(ハリウッド映画の影響ではないと思うのだが)、
常に3次元的になめらかに動いていないといらいらするのだ。
トゥームレイダーやシェンムーなど、
激しい3D酔いに耐えてきた人間に取って、
微動だにしないコマというのは手抜きとしか思えない、
たとえ他のシーンで非常に丁寧に作り込んだ見事なシーンがあるとしても。
今も原画から動画を描くのは人手でやってるそうだ。
塗りはコンピュータで自動になったが、
線画の中割はできないそうで、
まー、確かにその通りだ罠。
線画の対応付けと中割の自動化なんて簡単にはできないだろうよ。
遮蔽でトポロジー変わるし、そもそも原画が物理的に正確だとは限らないし。
理論的に対応付けられない場合もあるわけだな。