配信停止の理由を推測してみるに

[Amazonに講談社ら激怒「一方的に配信停止された」](http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/03/kodansha-amazon-kindle-unlimited_n_12321876.html)。

ハフィントンポストに
Kindle Unlimited から除外されたタイトルの一部が記されている。

講談社

* 中島知子写真集 幕間 MAKUAI
* 今井メロ写真集 Mellow Style

> Amazonは8月、Kindle Unlimitedで配信ランキング上位に並んでいた写真集など「17作品を、連絡なく一方的に削除した」などと話した。

これらの星1つのレビューから感じるのだが、
本のクオリティが低いのに「配信ランキング上位にならんでいた」ということが配信停止の理由なんじゃないの?

佐藤秀峰(いずれも第四巻以降)

* 特攻の島
* 海猿
* 新ブラックジャックによろしく

これもまあそうで、あくまでレビューなどから感じるのだが、
連載ものをただだらだらと引き延ばしたようなものは勘弁してね、ってアマゾンが言ってるような気がするなあ。
最初の数巻だけ一生懸命書いてあとは手抜き、と判断されたんじゃないのかな。

一般論として、著者がまじめに書いて当たったやつをシリーズ化して、
後はバイトたちが適当に粗製濫造する、という例はたくさんあるわけ。ドラマでもゲームでも。昔からあるわけ。
江戸時代からある。為永春水「春色梅児誉美」シリーズとか。
あんまりひどいんで為永春水は手鎖の刑になり、発禁になった。
そういうのはアマゾンが自分の裁量でダメだしできるでしょ。
ダメだしできるようにしなきゃダメでしょ。

[アマゾン読み放題、人気本消える 利用者多すぎが原因?](http://www.asahi.com/articles/ASJ8Y41XSJ8YUCVL00C.html)

> 複数の出版社によると、アマゾンは一部の出版社を対象に、年内に限って規定の配分に上乗せして利用料を支払う契約を結び、書籍の提供を促したという。
ところが、サービス開始から1週間ほどで漫画やグラビア系の写真集など人気の高い本が読み放題サービスのラインアップから外れ始め、アマゾン側から「想定以上のダウンロードがあり、出版社に支払う予算が不足した」「このままではビジネスの継続が困難」などの説明があったとしている。アマゾン側は会員数を公表していない。

> この読み放題サービスをめぐっては、「光文社」も提供していた作品の配信が停止されたため、アマゾン側にこれまでどおりの配信を求めているということです。

この朝日新聞の記事なのだが、
極めて曖昧模糊とした書き方をしているのが気になる。
「一部の出版社」「複数の出版社」ではなくて具体的な名前を挙げないのはなぜか。
「漫画やグラビア系の写真集など人気の高い本が読み放題サービスのラインアップ」
というのは具体的にはハフィントンポストが挙げていたようなタイトルだろう。
「アマゾンは一部の出版社を対象に、年内に限って規定の配分に上乗せして利用料を支払う契約を結び、書籍の提供を促した」
「アマゾン側から「想定以上のダウンロードがあり、出版社に支払う予算が不足した」「このままではビジネスの継続が困難」などの説明があった」というのはアマゾンから取材したのではなくて、文句を言っている出版社がそう言っている、という一方的な取材にすぎない。
「アマゾン側は会員数を公表していない。」というのも余計な印象操作な感じがする。

これを読むと
「人気本が売れすぎたせいでアマゾンちゃんが赤字になって困って勝手に削除」
みたいに読めるわけ。
でも(センター試験の国語の問題的な)深読みするとそうでもないようにも読める。言質は取られませんよ的な。
あーそういうふうにそこ読んじゃいましたか。でもそこ、ヒッカケですから、みたいな。
彼、そこんとこ逃げ方うまくないすかね?
いつもそんなやり方すかね?

アマゾンが一部の出版社に販促目的で有利な契約をした、というのはアマゾンの勝手だし、
その一部の出版社に入れてもらえなかった複数の出版社が俺のところも同じことしてくれとごねているだけ、
と解釈することも可能だ。

アマゾンの商売上の裁量でやっていることに、いろんな出版社や新聞社が文句を言ってる構図にも見えるよね?

[アマゾン電子書籍 小学館の170以上の作品も配信停止](http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717591000.html)

NHKは小学館の写真集や雑誌が配信停止対象だとしているが、
やはりそのタイトルは明記してない。

うちら一般消費者、というか、もっと突っ込んで、KDPを利用している個人出版の作家にとってみれば、
アマゾンと出版社の両方からきちんと取材した記事を読みたいんだよね。
そういうニーズにこたえてないよね。
ハフィントンポスト以外のどの記事も。
ハフィントンポストもどちらかと言えばアマゾンに批判的だが、
うっかりアマゾンに有利な情報も入れちゃったって感じかな。
ほかはも少し用意周到に具体的な内容を隠しているけど。

[講談社、読み放題から削除で抗議 アマゾンジャパンに (共同通信 47NEWS)](http://horiemon.com/news/2016/10/03/53379/)

> これ多分契約上は勝手に削除しても良いことになってるのに、情緒的にamazonを非難する層を醸成する為にやってるような気がしますね。。もしそうだったら講談社こそ見苦しい気がしますけど笑

ホリエモンに言いたいことを先に言われててすごい悔しいんですけど(笑)
([個人出版はいかにプロデュースされるべきなのか](/?p=19173)参照)。
ま、でも、講談社とアマゾンは決裂して完全に kindle unlimited から閉め出されたってことだわね。

私が感じたのは、kindle unlimited という新しいシステムを利用して、
クオリティの低い作品をさばこうとしている一部の出版社がいることにアマゾンが気付いて、
排除しようとしたのではないかということで、
個別のケースに当たってみれば、
アマゾンの対抗措置として正当な理由があるんじゃないかってことだよ。
そしてアマゾンの揚げ足取りたい連中が煽っているんじゃないのかな。

[Kindle Unlimitedで講談社の本が無断停止のまとめとプラットフォーム論](https://gooddayslabo.net/society/kindle-unlimited-kodansha)

アマゾンが自分の賭場でなにしようがアマゾンの勝手じゃないの。

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