だったん疾風録

司馬遼太郎の「だったん疾風録」というのを読んだが、これはとても面白い。

iMac の中古を友達から 20 万円でおしつけられたやつがいた。貧乏人の癖に御人好しなやつだ。 iMac 定価で 128,000 円で、メモリ増設してたからといって、せいぜい 10 万円くらいなもんじゃないかな。

どっちにつこう物語

清水義範の「まちまちの街々」という本。
その中に、「どっちにつこう物語」というのがでてくる。
徳川家康に、茨城から秋田に領地替えされた、佐竹という殿様がいる。
佐竹家は、源氏と平家のどちらに付くか、源氏と奥州藤原氏のどちらに付くか、足利と朝廷のどちらに付くか、徳川家康と石田三成のどちらに付くか、江戸幕府と官軍のどちらに付くか、という歴史の選択に、何度も迫られる。
そのたびに、繁栄したり、滅亡しかけたりしてきているのだ。
その結論が、「武家の頭領とは、いかにして勝つ側に付くか、ということだ」となる。
別の言い方をすれば、「いくさとはバランス感覚である」ということになる。
清水義範と言う人は、実に恐ろしい人だ。

湾岸戦争の軍事費拠出やガイドライン法などというのは、要するに、「非武装中立なんてくそくらえ」ということであり、「滅びたくなければ強い側に付け」ということである。
アメリカの同盟国になり、アメリカの覇権に協力しろ、ということである。
歴史に学べば、源氏と平家のどちらにも付かないとか、鎌倉と平泉のどちらにも付かないとか、足利と朝廷のどちらにも付かないとか、東軍と西軍のどちらにも付かないとか、幕府と官軍のどちらにも付かないとか、そういう選択はありえない。
強い方に付かないということは、戦わずして敗けるということであり、強い方に付くということは、戦わずして利益を得るということだ。
つまり、そういうことを言ってるのではないか。

そのほか、芥川龍之介や、志賀直哉などを読む。
この二人はすごい。
太宰治とか、中島敦などは、とてもおよばない。
芥川龍之介の芋粥、志賀直哉の小僧の神様には、題材の共通点があって面白い。
どちらも、お金持ちが貧乏人に、食べたいものを好きなだけ食わせるというものである。
芋粥が大正 5 年、小僧の神様が大正 9 年で、ほとんど同時期だが、芋粥の方が早い。
ただし、生まれは志賀直哉の方が少し早い。
志賀直哉は、まあほぼ確実に、芋粥の影響を受けて小僧の神様を書いただろう。
それでも、どうしても、志賀直哉は小僧の神様を書かずにはおれなかった。
そうして、小説の神様と呼ばれるようになった。
芋粥では、食べさせられる側が主体なのだが、小僧の神様では、食べさせる方の心理描写が中心なのである。

「芋粥」、「小僧の神様」は、どちらも、だれが読んでも文句なしに面白いと思うが、それはやはり食いものが素材だからだろう。

小僧の神様は、もう何度読んだかしれないが、この話は、落語にしても面白いのではないかと思った。
で、自分なりに落語に仕立て直してみようとしたが、なかなか難しい。
うまい人がうまく演出して、うまく演じればきっとおもしろいに違いない。

極めてきわどい省略をして、しかも不自然さを感じさせないのは、志賀直哉のてにをはの使い方がうまいせいである。
例えば、「城の崎にて」の中で、「読み書きに疲れるとよく縁の椅子に出た」と言うセンテンスがあるが、これは普通「縁に出て椅子に座った」と書いてしまうところだ。
私はずっと、こういう省略は古典の素養から来たものだと思っていたが、もしかしたら、欧文調なのかもしれないと思った (もしかしたら当時の口語なのかもしれんが)。

紆余曲折と試行錯誤

昔,斉の国に恒公という王が居て(笑),
管仲が宰相になったのだが,
恒公は管仲の諫めを聞かず,
何度も軍備を増強し,宋や魯などの隣国と戦争をして負け続けた.
ついに魯の宰相の曹沫に,会盟の場で懐に忍ばせた剣を突きつけられ,
領土を割譲する約束をさせられた.
たぶんこれで恒公も懲りたのか,
それからは管仲の言う通りに政治を行なうようになり,
ついには春秋の覇者の一人となった.
で,管仲が宰相となってから,恒公が覇者となるまで,
なんとも長い期間,紆余曲折と試行錯誤を経ている.
上司を説得するというのはこうまでたいへんなことなのだろうか.

赤塚巡り(副題「赤塚良いとこ一度はおいで」)

成増の不動産屋へ.実家から送ってもらった保証人の実印が父ではなく祖父のだった.などのちょっとしたハプニングはあったものの,契約成立.鍵は 30 日にくれるとのこと.一応 4/1 日から入居可だが,鍵さえもらえばこっちのもの.

赤塚図書館に入ってみたが,思ったより広くてご満悦.世田谷中央図書館には遠く及ばないが,世田谷図書館よりは広そう.しかもわりと空いている.わざわざ赤塚の山の上まで登ってくるやつはいないのだろう.

赤塚体育館というものにも入ってみたが,屋内温水プールが思ったよりも広くてびっくり.地下二階に,25m プールと,子供用プールがある.プールサイドも異様に広く,採光も充分.地下一階からプールがのぞけるようになっているが,このフロアも異様に広い.なんとも贅沢な作り.さすが自治体.民間には真似できねー.

トレーニングルームというところに,中年おじんおばんがたいそう集まっていた.ちょっとしたフィットネスジムで一般公開利用は 380 円.近所なので便利なのだが,僕はあいにく運動は嫌いなたちだ.僕は昔,風呂なしのころにフィットネスジムに銭湯代わりに通ったことがある.あまり運動は長続きしないのだが,年に二三回は利用させてもらうかも.ともかくフツーのフィットネスジムに高い金出して通う必要はまったくないと見た.

成増図書館は,本棚絨毯など非常に新しいが,赤塚図書館よりちょっと広いくらいで,それほどすごくない.地方自治体の図書館としてはやはり世田谷中央図書館は最大級だろう.普通の区立図書館の軽く三倍の広さがあり,平日昼間でも常に混んでいる.

図書館と同じ建物の中に成増アートギャラリーというのがあって,これが一日 10000 円で借りられるそうである.一週間くらい借りて 7 万円.高いのか安いのか良くわからん.そもそも成増まで見に来るのか?高島平の陶芸サークルみたいのが展示してた.重くて厚くてつるつるして最悪なのもあったが,軽くて薄くてさらっとした,なかなか良くできたのもあった.なかなか良い土使てるやないけ(笑).焼き物を自分で焼きだしたらはまりそう.高島平は赤塚庁舎前からバス一本でいける.全然遠くないのである.

成増北口の再開発はつい最近のことのように思える.三茶のキャロットタワーくらいかな.赤塚図書館も赤塚体育館も新しくてすばらしい.こういうバブルの遺産は歓迎だね.
成増北口から赤塚高台にかけて,全般に町が若々しく,まるで板橋じゃないみたい(笑).ただし,ついでに体育館前通りというのを通したのは良くなかった.この道なからましかばとおぼえしか.つーか.この道がなければ交通はかなり不便になり,従って車が入ってこなくなる.太い道がなく,地元の車以外に入って来ないようなのが理想だ.駅までの距離が同じでも,朝から二車線の道をいくつも横切るのは気分最悪.荷馬車がやっとすれ違える程度の田舎道を歩くのは散歩気分でよろしい.

赤塚植物園にはまだ足を踏み入れてない(けっこう期待している).赤塚美術館というのもあるようだ(あまり期待してない).赤塚城址というのもあるそうだ(だからなんなんだ).どっちにしろ近所なのでそのうち遊びにいこう.

日が長いので,観光バス気分で成増駅前から高島平経由で赤羽へ.赤羽はいかにも古い町だ.巨大なダイエーがある.碑文谷のダイエーよりは小さいようだ.エスカレータの手すりが汚い.あまり活気がない.大きなお世話かもしれんが,不景気ならまずエスカレータの手すり磨きから始めるべきだね!

最近は宮城沢昌光の影響で,よく漢和辞典を読む(笑).

歳と載はもともと同じで一年の意味.
収穫時に生け贄をまさかりで裂くまつりのことで,よって一年を表した.
これが夏の時代のことらしい.
千載和歌集の千載とは,千年のこと.
次の商(殷)の時代は,一年のことを祀という.
これも年に一度の祭りの意味.
次の周の時代では年という.
これは,もともと穀物が実ることだという.

申というのはもともといなびかりのことで,
甲骨文字ではほんとにひなびかりの形をしている.
これが,神とか電などのもとになったんだそうだ.

なんかしょうもないことを書いた.

契約成立

今日は暑い日だった.
雨降りだった.
練馬の光が丘公園は大きな公園だった.
代々木公園くらいある.
というより,妙に代々木公園に似ている.
バードサンクチュアリとかあったりして.
周りを団地が取り囲んでいるところが,
代々木公園とはちと違うところだ.
環八を通ると関越道に入る当たりで,
巨大な煙突がぴかぴか光ってるのを見るが,
これは光が丘公園にあったのだった.

板橋の高島平というところもずいぶん巨大な団地らしい.
高島平と光が丘では,高島平の方が古いらしい.
こんど見物に行ってみよう.

というわけで,
今日は赤塚の物件を見に行ったのだが,
いっぺんで気に入ってしまい,仮契約というのだろうか,
ともかく四月には入居することにした.

2DK は確かに一人で住むには広すぎるなあ.
6 畳和室,4.5 畳和室,あと,フローリングの DK.
部屋が分かれているから,どれをどこに放り込もうかと悩む.
置いてみないとなんとも言えないが.
トイレと風呂が別で広々してるのも良い.
というか,今までが狭すぎだったんだよね.
収納も充分すぎるほどある.
押入も天袋もある.
天袋ってちょっとうれしいよね.
窓にアルミサッシと障子が入ってて,
障子付きの部屋なんて長いこと住んでなかったので,
ちょっと感動した.

エアコンがないことが発覚してちょっとあわてたが,
四面に窓が七か所もあって,
これ全部開けとけば,
たぶん風が通ってだいぶ涼しいだろうと思う….
たぶん大丈夫だよね.

のれそれ刺という白魚のような魚を食べた.
白魚よりも長くて,平たくて,頭が小さい.
歯ごたえが白魚やちりめんじゃこのようではなく,
なんとなく気持ち悪いので,
残してしまった.

世田谷に限らず,都心は高くて狭い.
赤塚の高台までくれば,
狭苦しいワンルームの値段で 2DK に住める.
よっぽど精神衛生に良いではないか?

今度ばかりは,とうとう埼玉ケンミンになってしまって,
毎日所沢のホーレンソウのおひたしを食べたり狭山茶をすすったり
することになると観念してたが,
どうにか東京都民にとどまった.
東京都民の前は京都市民だった.
つーか.
京都は予備校の寮に住んだので,
住民票を移さなかったような気がする.
大田区に引っ越したときに,
裁判所に 3000 円くらい罰金を払わされたからだ.
だから,形式的には京都には住んだことになってなくて,
田舎からじかに東京に来たことになってるかもしれん.
ともかくも昭和 60 年からずっと東京都民なのである.

板橋区赤塚

今日は成増周辺を集中的に踏破した.
赤塚というところになかなか良い物件を発見した.
二階建てで二階部分が 2DK になっていて,
すべて込みで 8 万円.
こういう,四方がすべて自分ちの壁,というのはあこがれるかも.
つーか,2DK ならその気になりゃ永住できるかも(するんかい!).
赤塚高台というところにあって,
成増駅から 1km !
ちょっと遠いですね.
でも,このくらいは毎日歩けるのは実証済み.
近くに赤塚図書館がある.
わりと新しい建物.
成増図書館と赤塚図書館の両方が利用できるというのがオイシイ.
というか僕的にはそのような形態が必須条件と言える.

あと,近くにはたけとか緑地多い.
いざ地震火事となると,近くに緑地がないと不安でしょっ.東京の場合.
赤塚植物園というのもある.
東京大仏というのもある(これはあんまり関係ない).
あたりは静かで,ほとんど自動車は入ってこない.
非常によろしい.

下赤塚駅にも近い.
成増駅とほぼ等距離.
他にもなんとなく町の感じがファニーでおもしろそう.
この感じは,埼玉に入ってしまうとなくなってしまうものなのだ.

というわけで,明日さっそく不動産屋に行ってみるかと思ってる.
下手すると明日鍵をもらうかもね.

東上線遍歴

東上線沿いというか,川越街道沿いに,
成増から大山まで歩いた.
これで,
池袋,北池袋,下板橋,大山,中板橋,
常盤台,上板橋,東武練馬(練馬北町),下赤塚,
成増,和光市,朝霞台,志木,ふじみ野,上福岡,川越と,
池袋から成増まで全部と,成増から川越までの急行停車駅には,
すべて足跡を残したことになる.

さて,そこで導き出される結論だが,
板橋は世田谷に比べて,住宅地としては及ぶべくもないということだ.
特に東上線沿線には緑地も少ない.
区画がごちゃごちゃしてて,
老人ばかり住んでいるような気がする.
板橋中央図書館というところに行ってみたが,
世田谷中央図書館とはウンデイの差がある.
むしろ大田区や品川区などと似たところがある.

やはり成増あたりにさくっと引っ越した方が良さそうだ.
成増にはでっかい図書館があるし,
近くに練馬の光が丘公園などあるし.
駅前にはけっこうごちゃごちゃした商店街もある.
成増は家賃もけっこう強気なようだが,このさい仕方ない.

風評の流布

所沢 JA はテレビ朝日を訴えるべく着々と準備を進めているそうである.
頼もしい限りだ.
争点は,事実に反することを報道したことにより,
損失が発生したことの因果関係を示せるかどうかである.
法律用語では「風評の流布」と言うんだそうだ.
被害総額数千万から数億円.
補償額の多少などこの際問題じゃなく,
報道機関が善良な一般市民と法廷で争うということが,
致命的なのである.
久米宏が謝罪しないのも,
裁判での全面対決に備えているためとも見えよう.

テレビ朝日は一度国会に証人喚問されたが,
このときは政治家対報道機関という構図になって,
テレビ朝日に同情が集まった.
しかし今回は,そんなまずいやり方はしないだろう.
テレビ朝日の息の根を止めるために,
もっとも効果的な手を打ってくるはずだ.
他の報道機関も今回は朝日を擁護しないだろう.
楽しみだなあ.

テレビ報道の内容に少しでも正義があれば,
それによって生じた損失は国家が補償しなくてはならないかもしれない.
根本的な原因は,政府や行政の怠慢なのだから,
国が補償すべきだという論理は成り立つ
(国の税金が使われるのだから,
それもやむなしとする国民の合意がとれているという前提で,だ.
僕は今回は明らかに私企業の過ちであって,
税金を使うなど間違ってると思うけどね).
しかし問題はもっと根の深いところにある.
朝日はしょせんタブロイド程度の似非ジャーナリズムなのに,
朝日は正しいと信じこんでる大衆が大勢いることが問題なのである.
子供のころ夏休みの宿題で天声人語を原稿用紙に書き写したり,
感想文を書かされたりした連中が,
そのまま大人になっても朝日を信用していることが問題なのである.
根拠のない反体制主義者というのは十年前ならざらにいたが,
ずいぶん減ってきて,
今では共産党と朝日の周辺に非常に高い濃度で残留するに至った.
当たり前のことを当たり前に報道するってことができない,
永遠の子供(タチの悪いことに高学歴なことが多い)が,
最後のよりどころにしているのである.
それがこれからの裁判によって根本から否定されていくことを期待するね.

凸版印刷

群ようこが,
オフセット印刷よりも凸版印刷の方が活字にキレがあって,
格段にきれいだと言ってたことがある.
宮城谷昌光の本で,
紙をさわると印字の部分がざらざらしてるのとそうでないのがある.
ざらざらしているのが凸版印刷なのだろうか.
インク自体はたいしてざらざらしないだろう.
インクはほとんど紙に染み込んでしまうから,
凸版印刷がでこぼこしてるとしたら,
それは刻印するのと同じで,
版を紙に押しつけたときにへこみができるからだろう.
ついでに裏写りがきついような気がする.
いまでも凸版印刷ってやってるのかなあ.
まさかいまさら電算写植使わないで,
活字拾って組んでるわけじゃないだろうと思うのだが.

オフセット印刷はリトグラフと同じ原理なんだそうで.
リトグラフは親水性のある石の板に油性のマジックとかクレヨンとか,
要するに水をはじくもので絵を描いて,
それに水を張って,
書いた部分だけが水をはじくから,
そこにインクを乗せて印刷するんだね.