張耒

ネットで検索してもきちんとセンターの漢文を解説している人がいないので私がやってみようと思う。

新聞の解答見て答え合わせしたが一応全問正解した。

まず、張耒というひとだが、維基文庫に詩が二つ載ってるだけ。「張耒集」なるものはどうやって入手すればよいのやら。

だいたいの意味は、秋に某寺に引っ越して、海棠という木を植えて、翌年春、慈雨に恵まれ海棠はすくすくと育っていた。花が咲いたらいつも一緒に酒を飲むやつとその木の下で一杯やろうと約束し酒も取り寄せた。ところが急に左遷されて転居してしまい、海棠のことはそのままになってしまった。ちょうど一年すぎた頃に寺僧から手紙がきて、去年と同じように花が咲きましたという。海棠を植えた場所は自分が寝るところから十歩も離れておらなかったが今は千里も離れている。このように将来を予測するのは極めて困難だが、ならば急に時勢が変わって、また海棠の花を目の当たりにすることができないとも言い切れない。

「致美酒」の意味はよくわからん。美酒を送り届けたでは意味が通じない。美酒を取り寄せた、というような意味なのではないか。いずれにしても「招致」の用法に一番近いと思われる。

「周歳」はこれも知らないがちょうど一年、という意味であろうかなと思われる。新字源を見てもよくわからんからたぶんよく知られた熟語ではない。ああ、ネットで検索すると出てくる。丸一年という意味だ。

「欲与隣里親戚一飲而楽之」は明らかに「隣里親戚と一飲して之を楽しまんと欲す」だが、「隣里親戚と一飲せんと欲して之を楽しむ」という選択肢もあってこっちでもいいんじゃないかと思ってしまう。たぶん文法的にはどちらもありではなかろうか。

ていうかまあ、私もそんなに確信を持って解けたわけでもないのだが、それでも国語というものは勘や当て推量で満点がとれてしまうから、余計に難しくしておかないと点差が出にくいんだろうなあ。

ま、ともかく、細かいことはわからんでも、全体の意味はだいたいわかるし面白い文章ではある。

「安知此花不忽然吾目前乎」これもまあ、そんな難しい文ではない。「いずくんぞ知らん、此の花の忽然として吾が目前にあらざらんかを」とかそんな感じ。

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