小説はAIで書けば良い

小説を書きたい人はまずテーマと世界観を決めて、それから起承転結を考えましょうとか。登場人物の設定をしましょうとか。初心者でもわかる小説の書き方とか。ユーチューブ見ているとそういう動画がよくあって、それは実際に小説家になれた人が作ってるらしいんだが、世間では逆で、小説を書いてみたら良く売れるのでもっと書けと言われて書いている人しかいないと思うんだよね?

小説の書き方がわからないとか、どんな小説を書けば良いかわからないという人が、どうして小説を書きたいのかがわからない。人に読まれる小説を書きたいんならAIに書いてもらえばいいじゃんと思う。

いわゆるラノベなんかはみんなAIが書けば良いんじゃないか(ラノベなんてどれを読んでも同じじゃんと思っている。特になろう系の、限りなく二次創作的なものは。仮に二次創作ではなかったとしても続編はそうなる)。ラブレターをAIに書かせるという話も最近よくみる。一般大衆が読みたがるような文章とか動画なんてのはAIのほうが得意だろう。それっぽい受けのよさそうなものを集めてきて適当に見繕って幕の内弁当みたいにまとめたものがラノベだろ。樋口一葉だって恋文の代筆をしていたし、下手に素人が恋文書くよりはプロのライターに書いてもらったほうが効果があるだろ。自分の心はまったくこもってなくてもさ。

沢庵にしろ梅干しにしろスーパーには、いろんな調味料加えて沢庵っぽい、梅干しっぽい味にした何か、しか売られてないわけだから、それでなんら問題無いという人は、AIが書いたラノベ読んでりゃ良いじゃん、って話だよな。

小説を書くということの問題の本質はそこには無いと思ってるんだよね。まず自分が書きたいものを書く。出発点はそこであって、書きたいものが無いとか書けない人ってのは、出発点自体が存在してないんだからAIに書いてもらえばいいじゃんって思うよ。

次にあるのはたぶんマーケティング。それから、自分が書きたいものと人が読みたいものとのすりあわせ。それらは自分だけではどうにもできないから、人に手伝ってもらったり売り込んだり、宣伝したりしなきゃならんわけだよね。

或いはテクニック。出だしとか。文体とか。そういうものは素直に勉強するべきだとは思う。売れ筋というかキャッチーなセオリーなんかは事例研究から学ぶしかないよね。

もちろん自己満足で、書きたいものを勝手に書いてそれがたまたま人が読みたい話になる人もいるだろうけど、自分がそういう人である可能性は非常に低いよね。だからそれなりに努力はしなきゃいかん。自分を曲げる必要もあるかもしらん。

しかし自分が書きたいものがまだないって人は書きたいものが決まるまで人の作品を読みあさるほうが良いと思う。

書きたいことがあるのにうまく書けない、という人もやっぱりAIを使えば解決するんじゃないのかな。AIに書いてもらった文章では気に入らないというのだとこまるがそのうちもっと自分の世界観をそのまますっと小説にしてくれるAIが出てくるかもしれないからそれまで待てば良いのじゃないか。ほんとに書きたいものがあるならそれで解決する。でもそんなAIが出てきてわかるのはやっぱり自分には書きたいものなんて最初からなかったんだ、ってことになるかもしれんね。自分には書きたいものがあるんだが実はそんなものは最初からなかった。自意識とか無意識とか阿頼耶識とか唯識みたいなものが存在していると思ってたけど実はない。ましかし、AIってなんであんな嘘でたらめな答えを出してくるかわかってないわけだからアレも唯識と言えば唯識だよね?

私は最初からそういう、ウィキペディアを切り貼りして改変してゴーストライターに手伝ってもらえば書けちゃうようなものを書きたいとはまったく思ってない。私にしか書けないものを書くのじゃなければ人生の無駄遣いだと思っている。人にも書けるもの、人に頼めば書いてくれるようなもの。AIにも書けるようなもの。そんなものをいくら書いて売れっ子になったところで、死んでしまえばそれまでじゃないか。そんなことして何が面白いのかと思う。

ゲームを作るのも今はゲームエンジンというものがあるからアセットは適当に集めてきて、自分で作れるアセットは自分で作って、それらを組み立てて作れば良い。生成AIが出てきて小説もやっとそういうアセットの組み立ててできるようになってきた、とも言えるかもしれんね。まあしかし私はAIは使わないけどね。

自分の文章をAIに直してもらったことはあるが、そうすると自分がけっこう、わざと省略したりわかりにくく書いたりして、メリハリを付けていることがわかるよね。つまり、前景と背景を描き分けたり、一部は細かく描いて一部はわざと描かなかったりしてる。遠近感というか被写界深度みたいなもの。それを全部にピントがあったような文章に直されちゃう。文体も微妙にブレがあるのはわざとそうしているんだがそれを全部直して統一されちゃう。もしかするとその方が読みやすいのかもしれんが、私はたぶん読みやすい文章なんか書きたくないし、読みたくもないんだよね。

そういう文章の緩急というか揺らぎというか、息使いというか、なんだろうね、翻訳してしまえば失われてしまうようなディテイル、「英語で書こうが日本語で書こうが同じ」ではないところまで表現したいんなら、AIは使えないだろ?それを学習させるには私そのものを完全にAIに学習させるしかないわけだから。

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