伏見天皇の中宮で、天皇と共に京極為兼に学ぶ。
京極派最高の歌人の一人とも。
> 過ぎ移る時と風とぞ恨めしき花の心は散らむともせじ
> 風に聞き雲にながむる夕暮れの秋の憂へぞたへずなりゆく
> 夕暮れの庭すさまじき秋風に桐の葉落ちてむらさめぞふる
> 川千鳥月夜を寒みいねずあれや寝覚むるごとにこゑの聞こゆる
> 音せぬがうれしき折りもありけるよたのみ定めて後の夕暮れ
> たまづさにただ一筆と向かへども思ふ心をとどめかねぬる
> 過ぎて行く月日を返すものにあらばこひしきかたをまたもみてまし
> むら雲に隠れあらはれ行く月のはれもくもりも秋ぞかなしき
> 月の姿なほありあけのむら雲にひとそそぎするしぐれをぞ見る
> むらむらに小松混じれる冬枯れの野辺すさまじき夕暮れの雨
> 寒き雨は枯れ野の原に降りしめて山松風の音だにもせず
> 鳥のこゑ松の嵐の音もせず山しづかなる雪の夕暮れ
> 荒れぬ日の夕べの空はのどかにて柳のすゑも春近く見ゆ
> さても我が思ふ思ひよつひにいかに何のかひなきながめのみして
> あやしくも心のうちぞ乱れ行くもの思ふ身とはなさじと思ふに
> とはぬかなとふべきものをいかにあればきのふもけふもまた過ぎぬらむ
> 山あひにおりしづまれる白雲のしばしと見ればはや消えにけり
うーん。ふつう?
確かに京極為兼の影響は見えるが。
伏見天皇の歌も見たが、こちらもごくふつう。
だいたいこの三人しかいないんだよな、京極派って。
結局、為兼が突然変異だった、ということだろう。
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