正徹と了俊

正徹は調べ始めるとだんだんわからなくなってくる人だ。どちらかといえば理論家のような気がしていたが信用がおけない。歌はつまらないような気がしていたが、良いものもある、みたいな。今川了俊の弟子だと言っておきながら実はどうもあやしい。疑い始めるときりがない。定家の崇拝者だというのも周りがそうあってほしいと思い、そういわせたような感じもしてくる。

なので結局彼がどういう人であったかということは彼が詠んだ歌をみるほかはあるまい。

正徹に比べて了俊は調べれば調べるほどわかりやすい人だ。了俊の歌は自分で処分したと言っていてほとんど残ってないが、残っているぶんをみても、確かにたいして面白くはなさそうだ。了俊の歌がほんとうにおもしろくなかったとしたら、和歌というものはほんとうによくわからないものだとしかいえない。

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