データベースで調べてみると古くからけっこうあるのに驚いた。
> 恋しきにきえかへりつつあさつゆのけさはおきゐん心地こそせね 在原行平
> 風吹けば川辺涼しく寄る波の立ち返るべき心地こそせね
> 夜とともに恋ひつつ過ぐる年月は変はれど変はる心地こそせね
> 頼めたる人はなけれど秋の夜は月見て寝べき心地こそせね 和泉式部
確かに便利な文句ではある。
特に「立ち返るべき心地こそせね」「旅寝の心地こそせね」などが多いようだ。
試しに
> 夏まだき 春の日かずを 人はいさ 我れはのどけき 心地こそせね
連休もいよいよ終わり、夏までまだだいぶあるしな(笑)。
> ものいりのなにかとおほきこのごろはたくはへのあるここちこそせね
> いとまあるここちこそせねとしつきをふるともなれぬわがなりはひに
なんだこの愚痴。
しかし「ぬ」はやっかいだわな。
四句目の「経るとも馴れぬ」はここだけみると「馴れた」とも「馴れない」とも解釈できてしまう。
四句切れだと意味が通らないから結句につながる「ず」の連体形と判断できるのだが。
そういう例は多いよ。
> いとまあるここちこそせねとしつきをへてもなれざるわがなりはひに
「ぬ」の代わり「ざる」を使えば良いんだがね。
> 行く春の なごり惜しみて うたげする 人にともしき ここちこそせね
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