カッコウ

カッコウはもちろん古語ではない。
ホトトギスは万葉時代からあるまぎれもない古語である。
ホトトギスを郭公と表記したとして、この郭公なるものが、
カッコウではなくホトトギスであるなどという証拠はあるのか。
漢語ですら、しばしば混同されているのだから、
和語でも同様ではないか。

岩波古語辞典によれば、ホトトギス、カラス、ウグヒスなどの語尾の「ス」は鳥を表すという。

杜鵑は音読みではトケン。

「杜鵑啼血」の最古にして最も有名な出典はやはり白居易なのではないか。
角川新字源にも引用されている。
ホトトギスの鳴き声というのは、
私もYouTubeか何かでしか知らないが、
「キョッ・キョッ・キョキョキョキョ・・・」という、なにやら怪鳥が叫ぶような、すさまじいものなので、
血を吐くほどに声をふりしぼって啼いている、というのだろう。
血を吐くまで鳴き続ける、という意味ではないわな。
それはたまたま正岡子規がそうだったというだけだろう。
子規にしても、日清戦争の従軍記者など無茶なことをやらなければもっとずっと長生きできただろう。
中島敦だって、ずっと南洋に居て戦後特効薬が出来てから治療を受けていれば普通に天寿を全うしたのではないか。
自らもパラオに居て、
ロビンソンクルーソーの伝記なんか書いて、
そんなことは承知していたはずだ。
しかし、当時の日本の切迫した時勢というのが、子規と同じく、
無茶な行動をとらせたのかもしれない。
そういう時代に、二十代後半から三十代前半に身を置いてみなくてはわからない何か。

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