斗、俵、石

なんかややこしいので、まとめてみる。

まず、石高だが、太閤検地では、1石で5斗が良い田んぼ、1石で3斗が普通の田んぼ、1石で1斗しかとれないのが悪い田んぼ、と決めたそうだ。
まあだいたい1石当たり2斗ないし4斗換算か。

本来は1石=10斗なのだろうが。
10合が1升、10升で1斗、10斗で1石。
なので1000合が1石に相当する。
1年365日三食1合ずつ米を食うとだいたい年に1石になる。
そこで人間が1年に食う米の量がだいたい1石、と見積もられた。

だいたい3.5升が1俵なので、年に30俵ほど食べることになる。

町奉行所与力は最初のころ知行を与えられてそこから得られる年貢がそのまま俸禄となっていたが、
途中から蔵米の支給になった。
つまり、最初は領地を持った殿様だったのがサラリーマンに変更になった。
そのとき知行地取り200石が蔵米80石に変更になっている。
幕府標準のレートでは1俵=0.35石=3斗5升なので、蔵米80石とは、約230俵。
知行地で200石取れるということは、その内の0.65が農民の取り分、0.35が支配の取り分になるので、
200×0.35=現米70石=200俵となる。
まあだいたい同じ。

この石高と現米の換算比率と、石と俵の換算比率がどちらも0.35なのがややこしい。

ようするに知行1石と蔵米1俵はほぼ同じということだな。
あと、金1両もだいたい米1俵と同じ。

ここで、町奉行所与力の大塩平八郎と、将軍侍講の成島柳北の俸禄を比べてみると、
大塩は200俵で、成島は家格300俵+役料200俵=500俵。
おおよそ与力は今の警部のような仕事で年収で言えば1000万円くらいだろうか。
とすると成島の年収は2500万円くらい。
大企業の取締役くらいの収入はあったことになる。
多少家来を養ったりしなくちゃならなかっただろうが、軽く妾の一人二人は囲えたろうな。
父子鷹には岡野孫一郎という1500石の旗本が出てくるが、
これだと年収7500万円に相当する。家来を養わなくてはならないからすべてが個人収入ではないが、さすがにお殿様だな。

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