亀山天皇

> あさましやうちまどろめば今日もまた暮れぬと鐘の音ぞ聞こゆる

昼間から寝ているのだろうか。

> あぢきなや我は短き心にて山鳥の尾の長き恋をば

長続きしないひとだったのかな。

> 世の中に思ふことなき我が身かなとてもかくてもあるにまかせて

何も考えていないんですか。

> とにかくに思へばものの思はれて思ひ入れねば思ふことなし

くよくよと考えるなということですよね。

> 東路は聞きても遠き旅なれど心のおくは隔てなきかな

> あはれげに知らばや人の言の葉を心の底の幾重ありとも

> ゆくすゑはいかに契るもたのまれずただ目の前に変はる心は

普通に面白い。

> あはれ我が今は老いとや嘆かまし四そぢののちの春もいつたび

まさに今の私の心境。

> いかがせむ心のうちの隔てをば枕かはしてあまた寝つれば

ふーん。

> 住みなるる山の奥なる家居には都ぞ旅のここちなりける

> いまは我野にも山にも住みなれて都ぞ旅の心地なりける

> 訪ね問ふ人はまれなる我が宿にところ嫌はず春ぞ来にける

なんか山荘みたいなものがあるわけね。
なるほど、嵯峨野の離宮亀山殿のことね。

> 植ゑおきし花は昔と匂ひきて宿から近きあらし山かな

> おいらくの後の春とは知らねども今年も花は植ゑ添へてける

> おとづるるたよりもさびし人ならでかけひの水と山のあらしと

> 音に聞くよもぎが島のあととめて亀の小山に我家居せり

> 憂きことを何に手向けむみそぎ河神も許さば夏払へせむ

うーむ。悩みを神様に手向けちゃって良いんですかね。

> 海山の果ても恋路と思ふにはあはれ心をいづちやらまし

> 中々にありとは聞きて逢はぬ夜はいくたび心行き返るらむ

ふーん。

> つゆじもにたへぬ木のはやかつがつもしぐれをまたず色に出でぬらむ

普通は、時雨によって紅葉するがその前に、という意味。

> 夕しぐれそめつる色を残しつつ雲のはやしに秋はかくれぬ

紅葉が雲に隠れることを「雲の林に秋が隠れた」と表現しているところが、
けっこう斬新じゃね。

> 世の中は夢かうつつかあさがほの花のまがきの露のよすがも

> 身に耐へぬ思ひは誰もあるものを沢の蛍のいかに燃ゆらむ

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