kdp

『超ヒモ理論』は自分でもすっかり忘れていたが、
最初は
[2011.4.25](/?p=7875)に山崎菜摘名でパブーに公開したものだった。
つまり、2011.3.11の東日本大震災の直後に書いたのだ。

「完全にパブーのエディタだけを使って書き下ろした」「三日くらいで書いた」
とか書いてるから、全然覚えてないが、たぶん最初はそうだったのだろう。
割と短編で、その後いろいろ書き足したりしたのだが、
大まかなストーリーラインは同じ。
2012年4月くらいのことまでが書いてある。
当時はもうしばらく納豆などというものは食べられないのかと思っていたが、
案外早く普通に出回るようになったよな。
まあそのくらいで、後から予測が外れて書き直さなきゃならんようなことは特になかった。

『超ヒモ理論』の元ネタは実は大昔私が大学生の頃に書いた漫画なのだが、
それをさらに手直しして小説に仕立てたのである。
もとの漫画はたわいないものだが、
寺の娘と結婚すると良いとか、禅宗は儲からないから○○宗がよいとかなんとか。
ま、そういうことを学生どうしで話したのをそのまんま漫画にしたかんじ。

山崎菜摘というのは『川越素描』に出てくる作家志望の女子大生で、
彼女が小説書いたらこんな感じかなというので書いてみたのだった。
ちなみに「エウメネス」は今は未公開の別の小説の中に出てくるエウドキアという東ローマ帝国の女帝が書いたらこんな小説になるんじゃないかという設定で書いたものです。

そんでまあ知り合いにイラストを頼んで、
花宮さちというペンネームも決めてもらって出したわけだが、
残念ながら今回もキラーコンテンツとはならなかったようだ。
ランキングも徐々に下がり始めている。
最近はカスタマーレビューをほとんど書いてもらえないのが痛い。
ツイッターやブログでいろいろ書き散らしているせいもあるかもしれないな。
まあしかしこのスタイルを変えるつもりもない。

いろんな種類の本を出してみて思うが、
ジャンルとかたぶんあまり関係ない。
マーケティングというものがなければまず本は売れない。
マーケティングすれば売れるというものじゃないだろうが、
しなければ、あるとき突然話題になるのを待つしかない。
kdp始めてまだ1年経ってないわけだし、気長に待つしかないのかと思う。

仮に誰かに広報お願いしていまよりずっと売れたとする。
そしたらその人にも売り上げのかなりの部分を折半しなくてはならなくなるよね。
それでも売り上げ増のほうが大きいのなら広報した方がいいんだろうけど、
今のところその気がない。
ていうか、広報したから売れるという確信がもてないし。
このままでしばらくやってていいじゃんと思わなくもない。
出版社の人に相談にいけば、とアドバイスされることもある。
でもなあ。
廃業した出版社の社長さんも知ってて、
菓子折もって持ち込みにいこうか悩んだが、
結局やめた。

ちなみに花宮さちさんとは売り上げを半分ずつ分ける約束になっている(笑)。

イラスト、装丁、広報とか、出版にはいろんなコストがかかるわな。
作者に一割印税が入るのは少ないようで実は多い気もする。
売れなかったときのリスクを作家がとらなくて済む形だ。
逆に、売れたときの取り分がいまいちなわけだが。
ちなみに紙の本も実名(共著の下っ端)で出したことはある。
まだ二十代の頃だ。
そのとき搾取されたのが今も嫌な思い出だ(笑)。
初版3000部で再版しなかったから出版社はたぶん損したとおもう。
売れ残っても印税まとめて先払いでしょ。悪くないかもね。
学生バイトとしては。

三十代でもやはり共著の下っ端でだしたことがある。
こちらは再版かかったからもうけはあったんだろうけど、
仕事としては最悪つまらんやつだった。
ワープロソフトのマニュアル本書くみたいなやつ。
いまさらそんな本書いてもしょうがないと思う。
時代が違うからそんな紙の本書いても売れないだろうし。

図書館に行くと未だにたくさん紙の本を読む人がいるなと思う。
彼らは賢い。私も自分でわざわざ本を買って読んだりしないほうだ。
第一紙の本だと部屋が狭くなる。
キンドル本は、有料のものを買わないわけではないが、
私の場合、漫画とかラノベとか推理小説とか買う人たちに比べればほとんど買わないに等しい。
その代わり漫画の週刊誌は週に四、五冊も買っていたけど、
今はそれもない。
なんでか知らないが読むといらいらするのでやめてしまった。
今、通勤移動中の暇つぶしはもっぱらタブレット。

ああそういや、岩波文庫の再版とかは割と買うわな(笑)。
すぐ買わないとまた絶版になるからね。
あの、再版と絶版を繰り返すの、あれなんなのかね。
まあ、アマゾンで古本買えば済む話なんだが。

でも十年二十年と経てば紙の本から電子書籍に人が移ってきて、
読者の数が桁違いに変わってきて、
私の本が目に触れる機会も増えるだろう。
今はあまりに読者が少なすぎる。
そんな気がする。

[「限界集落温泉2巻」99円セール中](http://www.misokichi.com/chinge/2013/09/299.html)
これを読んでね。考えさせられるわけです。
鈴木みそは好きな作家なのでほぼ全部読んでる。
原発ネタは嫌いなのでそこだけよけて読んでないけどね。

> 「限界集落温泉第1巻」は電子版で17000部売れてるんですね。100円なので。
2巻以降は400円と値段があがるために、1巻→2巻の継続率が低かった。
2巻は7000部強なので、40%にも届いてない。

そう。で、値段が安ければ買っても良いという潜在需要が
10000部くらいあるわけじゃないですか。
そこで値引きキャンペーンをやった結果、

[エンジン全開!もう走れないよ…](http://www.misokichi.com/chinge/2013/09/24487221110015020027013ff1.html)
うーん。
トータルでさらに1000部くらいはいきそうな勢いだけど、
10000部はとうていいかないってことよね。
1巻の50%くらいまでかね。

私の場合有料で1000部なんて今のところ夢のまた夢でして、
100部いけばいいくらい。
ほんといえば無料でどんどん読んでもらって一部だけ有料で残したいくらいなんだが、
無料にしたからといっても1000部いくのはたぶん難しい。

どうすれば読んでもらえるのかね。
今のとこ『古今和歌集の真相』は無料キャンペーンしない予定。
いや、一度くらいやってもいいかな、無料キャンペーン。
それで誰かカスタマーレビュー書いてくれるといいけど。

いずれにしてもこれ買うひとってのは「古今和歌集」で検索して見つけてくれる人だと思うのよね。放置するしかないと思うんだわ。
自分自身、古今集を深く読み始めたから古今集に興味がわいたわけで、
普通の人がいきなり古今集の本を読みたいと思うはずがないと思う。
まして宇多天皇なんてマイナーな天皇に興味持つはずがない。

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