国を救った数学少女

まあまあ面白い。
特に出だしのノンベコの話は面白いが、
突然スウェーデン人の話に切り替わり、
交互にストーリーが進展していく。
まあそれも最初のうちは我慢して読んでいたが、
だんだんに話が拡散して行く。
鄧小平やブレジネフやカーターが出てくるあたりで飽きる。
なんだ何でもアリのどたばたものかと。
それが面白いと思える人には良いのかしれんが。
私としては南アフリカ共和国の話で完結しててネルソン・マンデラが大統領になるあたりで終わってれば(そしてそういう歴史的経緯がきちんと描かれていれば)良かった。
いろんなことつまみ食いなんかしたくなかった。

著者はスウェーデン人のようだがスウェーデンの話が特につまらない。
中国人とかその他もろもろの話も一応最後で伏線回収されるのだが、
いろんなことを書きすぎて、だんだんにネタバレしてきて、
西洋人視点の支離滅裂なごたくが並べてあるだけに見えてくる。
西洋人は帝国主義やら植民地支配やら人種差別を今は反省していると必死に言いつくろっているようで、逆にそれが嫌みに感じる。

まあともかく悪い本ではない。
世の中の本がどれもこれくらい面白ければ退屈しのぎに困ることはないのにと思う。
「火星の人」もそれなりに楽しめたし。
こういうエンタメ系の小説で面白いのが、
日本の作品にはまるでない。
まるで思いつかない。

カーリルで検索してみても、所蔵館の多さにしても何にしても、比較的最近の本であるせいもあるのか、貸し出し中ばかりですべてにおいてすごい。

The Girl Who Saved the King of Sweden は普通に訳せば「スウェーデン王を救った少女」となるはずだが「国を救った数学少女」と訳したのはどうだろうか。
どちらにしてもあまり話の内容を反映してないが、余計わからなくしているように思える。

ついでだが、「サハラ」という映画が少し面白かった。
これまたタイトルからはまったく予想の付かない内容だった。
雰囲気は「国を救った数学少女」に似ている。
こういうのが流行っているのだろうか。いや、そんなはずはないが。

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