検索してみた。
赤染衛門
> さもあらばあれ やまとごころし かしこくは 細乳(ほそち)につけて あらすばかりぞ
(外国渡来の)学がなくとも利口な人ならば、の意味。
> からくにの もののしるしの くさぐさを やまとごころに ともしとやみむ
舶来の種々の物を、日本人の私の心は、うらやましいと思う、という意味。
> はじめから やまとごころに せばくとも をはりまでやは かたくみゆべき
上の歌の次の歌なのだが、難しい。「心狭し」か。
はじめのうちは度量が小さいが終わりまでは続かないの意味か。
建保名所百首(順徳天皇が催した歌会)
> もろひとも けふこそここに たつのいちや とりどりみゆる やまとごころを
たくさんの人が辰の市に立っている。さまざまに(学問ではない日常的な)工夫が凝らされている、の意味か。
赤染衛門の歌が三つ。後一つは誰かわからん。
大鏡
> あさましき悪事を申し行ひ給へりし罪により、このおとどの御末は御座せぬなり。さるは、大和魂などは、いみじく御座しましたる物を。
分別のある人だったのに、のような意味か。
> かの国に御座しまししほど、刀伊国の物にはかにこの国を討ち取らむとや思ひけむ、越え来たりけるに、筑紫には、かねて用意もなく、大弐殿、弓矢の本末も知り給はねば、いかがと思しけれど、大和心かしこく御座する人にて、筑後・肥前・肥後、九国の人をおこし給ふをばさることにて、府の内に仕うまつる人をさへおしこりて、戦はせ給ひければ、かやつが方のものども、いと多く死にけるは。さはいへど、家高く御座します故に、いみじかりしこと、平げ給へる殿ぞかし。
機転の利く人、のような意味か。
源氏物語
> なほ、才をもととしてこそ、大和魂の世に用ゐらるる方も強うはべらめ。
学問を基礎とした方が才能も発揮できる、という意味だろう。
ま、いずれにしても、民族精神というような意味合いはないな。
同様に宣長の用法とも違う気がする。