主人公とヒロイン以外はほとんどでてこない。
主人公の「カントク」は明らかに庵野秀明がモデルであるが、実際の俳優は岩井俊二という(庵野よりはずっとイケメンな)映画監督である。
ヒロインはこの映画の原作者である藤谷文子。彼女は俳優のスティーヴン・セガールの娘で日本人の母とのハーフ。藤谷文子は小説家でもあり、俳優でもあるわけだ。
この配役がまず、非常に屈折している。
物語の舞台の宇部市は庵野監督の生まれ故郷でもある。庵野が安野モヨコと結婚する以前に、故郷に帰省したときの実話として見ることも可能。描写はかなり私小説的だし、実際そうなのかもしれない。
カントクとヒロインの間に緊張感があってじょじょに接近していく前半部分は割と面白い。映像も美しい。31日間の物語で、1日ずつカウントダウンしていき、31日後に何が起きるのか期待させたわりには、結局カントクはメンヘラ女のヒロインにあいそを尽かすこともなく愛し合ってしまうし(しかもその恋愛描写はあまりにも不自然!)、最後の日は大竹しのぶがヒロインの母役で出て来て母と娘が和解するというあまりにも平凡なエンディング。ひねらないのがひねりなのだろうか?
ましかし、これは割と見るに値する作品だと思う。
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